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照と洋榎はプロにいる設定です 須賀京太郎、3年生の夏 京太郎「っしゃー!!来たぜ東京!!」 咲「ちょっと京ちゃん!はしゃぎすぎだよ!」 和「もう、そもそも何回も来てるじゃないですか」 京太郎「お前らと違うんだよ。やっと自分の力で県大会も勝ち抜いて、全国に来れたと思うと嬉しくてな」 咲「そっか。今まで私達の付添だったもんね」 京太郎「ああ。だけど今年は違うぜ!俺は自分の力でここに来たんだー!」 和「だから静かにしましょうって。後輩たちも見てるんですよ」 優希「しょうがないじぇ。京太郎の念願だったし、好きにさせてやるのがいいじぇ」 咲「うん。京ちゃん本当に嬉しそうだしね」 京太郎「ああ。嬉しくって出場が決まった時はいろんな人に言っちまったよ」 和「はい?」 京太郎「はしゃぎすぎだったかな。みんな一度は来てるのにな」 優希「お、おい。そのいろんな人っていうのは…」 京太郎「ああ、今まで麻雀で知り合った人達だな」 衣「トーカ!東京行くぞ東京!」 透華「ええ、もちろんですわ!ハギヨシ、準備なさい。理由?京太郎くんの応援に決まってますわ!」 桃子「あ、蒲原元部長っすか?モモっす。ちょっと東京に応援に行きたいんでまたお願いできないかと……鶴賀全員で?いいっすね!!」 いちご「東京?そんなん考慮しとらんけど……行かんとね」 姫子「ぶちょ、じゃなくて哩さん!早く行きましょう!」 哩「待て待て。私らは応援に行くとやけんな?忘れ物とかなかか?鎖と首輪入れたか?」 初美「はい?姫様と六女仙全員も行く?私だけじゃないんですかー?私一人で応援したかったですー」 洋榎「今度の試合は東京?ええでー!ちゃんと応援する時間はあるんやろな?誰のって?姫松と京太郎に決まっとるやん!!」 淡「ごめーん、ちょっと行ってくるねー!え?清澄だよ?敵?男子だからだいじょーぶ!!」 照「はい、今度のインターハイは私としても注目している選手が多いのでスケジュールを調整して会場まで見に行きたいと思っています」 照「最後に一言?……京ちゃん、応援してるから頑張ってね!」 その年のインターハイ男子個人戦には、やけに多くのプロやインターハイ出場経験者が応援に来ていたとか 京太郎「なんか人多いな……誰か有名な人でもいんのか?」 咲「……京ちゃんだよ」 カンッ!!
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ぽつんと、取り残されてしまった。手元には、淡がなめていた飴だけがある。 「やれやれ……あいつの言うとおり、塩送ったことを後悔するかもな……しかし、これどーしろってんだ……」 手元の飴を見る。さすがに舐める気にはなれない。 もったいないけど、捨てちまうか…… と、考えていると、突然にゅっと湧き出した手に飴をかっさらわれた。 「うお?! ……て、え?」 「……」 するとそこにはなんとインハイチャンプ宮永照。口にはすでに棒付きキャンディを咥えている。 「……え、えーと」 「激励に来た、つもりだった」 ぽつりと呟いた。そして、こちらを見上げてくる。 「……役目は横取りされたけど、ね……ありがと、淡の友達さん」 そういって彼女は去ってしまった。 飴の処理はすんだが、どうにも……釈然としない。 「……帰るか」 トイレにしては長く出すぎただろう。大の方でしたといいわけでもするか。 俺は、もうすっかり静かになった廊下を、清澄の控え室に向けて歩き出した。 対面に座った淡を見て、咲は思わず眼を見張る。 (……さっきまでと全然違う) 一回目の半荘が終わる頃には淡はすっかり憔悴しきっていた。 それもそのはず、自分ら3人に徹底的にマークされていたのだ。 (それでも、削りきれなかった) 咲からすれば、完全に想定外であった。それほどまでに大星淡の防御力は圧倒的だった。 京太郎のいう『急所』を見つけてなお、咲は淡を抜き去ることができなかった。 (ここからは他の二人も、敵になる) 残りの半荘、点数を稼ぐため、協力していた二人も問答無用で咲から点を奪いに来るだろう、厳しい戦いになる。 (それに、なにより……) 淡の、眼が違う。覚悟を決めた、強く輝く、星のような瞳。油断も慢心も一切ない、全身全霊でもって、『護り』にきている。 (それでも……負けたく、ない) 起親穏乃が牌をきった。続けて咲もツモり、切り出す。 (私は……勝つ。皆と一緒に!) 大星淡は考える、どうすれば勝てるか。 無論、相手より点数が高くなくてはならない、それは大前提。 そして淡は7000点のリード……これは、あまり大きくない。 3900の直撃、場合によっては5200のツモで捲られるだろう。 しかし淡はこの7000点が、とてつもなく頼もしい防壁に思える。チームが稼いでくれた、私に繋いだバトンだ。 手を眺める。少しだけ考えて、淡は牌を切った。リーチはしない (リーチしてこない……) 先ほどまでも見受けられた傾向だ。手を組み替えて、高い手を作るのだろうか。磐石ではない点差を穴埋めするためか。 (でも、そこが弱点!) そここそが、淡に食らいつくための急所だ。遅れたスタートダッシュ『六向聴』を補うため加速せんと、咲が喰らい付く。 「ポン!」 穏乃の切った牌に鳴く。鳴いて、少しでも早く。 咲は素早く不要な牌を切り出した。 「ロン」 背筋が、凍りつく。 「30符一飜だけ、だけどね。1000点」 黙聴だ。理解して、咲は思わず冷や汗をかいた。 これは、強敵だ。 京太郎は滝のような冷や汗をかいている。 別に、先ほどの淡との会話が誰かにばれたとかではない。知ってるのはおそらく宮永照だけだ。 では、なぜかというと画面内の淡の恐ろしさに、である。 大星淡はテンパイを維持したまま、リーチをかけず黙聴という手を取り、放銃率の低い咲から直撃を奪った。 点数こそ低いが、驚異的なのは速度とその隠密性だ。 (手が遅くなるハンデを背負って、あんなのと打ち合わなきゃいけねーのかよ) 今更ながら京太郎は恐怖した。淡を焚きつけるべきではなかった。まさかこれほどまでの魔物だとは夢にも思わなかった。 (これ咲が負けたら完璧俺のせいじゃねーーーか!!) なんとも情けない話だが京太郎は自分の保身を考えていた。ばれたらやべーなとか、土下座の美しいフォームとか、ハラキリセプクの作法を学ぼうとかだ。 しかし、画面に映る、淡の顔を見て、その煩悩も露と消えた。 (いい顔しやがって) そこには、覚悟を決めて、しかしあの独特の愛嬌も失わない美貌が映っている。とても、いい顔だ。 (頑張れよ……二人とも) 咲に心の中で謝る。この戦いはどちらかの応援ではなく、一人の麻雀うちとして見学させてほしい。 この試合は、きっと素晴らしい試合になるだろうから。 ーーー ーー ー (あぁ……気が遠くなってきた……) 頭をフル回転させすぎて淡は顔がぼんやりと赤くなってきた。知恵熱を初めて実感している。 とにかく、とにかく早上がりを目指し続けた。他家は五向聴以下自分は聴牌というハンデを最大限活かして、とにかく早く流した。 全て安手であったが、相手のアガるチャンスを潰し続けた。 そして、ついに、オーラス。 (……ちくしょー) 手元を見る。配牌は確かに、聴牌、しかし役がない。 (黙聴は無理かー、でもなー、咲だっけ?相手に手を組み直してる余裕あるかなー) 対面をちらりと見る。咲の方も相当余裕がなさそうな顔をしている。じかし向こうはささっと鳴いて、ついでにリンシャン牌を掴んで五向聴を早ければ3巡で聴牌まで持ち込んでくる。なんの冗談かと思うが、自分は人のことを言えないか、と苦笑する。 (リーチ棒出したくないなー) 二位清澄との点差は、わずか2300まで迫っている。1000点の直撃ならまだギリギリで勝てるが、リー棒を出してたらもうアウトだ。 (怖いなー) 頭がボンヤリする。勝負を仕掛けるのが怖い。やはり手を組み替えるべきではないか。しかし、しかし、だがしかし…… (いや、迷うな、逃げちゃダメだ) さすがに今ここで逃げられない、どっちみち黙聴はバレているのだから、先にアガったほうが勝ちというシンプルなルールで行こう、そうしよう。 淡、一世一代の大勝負、点箱から千点棒を取り出し、宣言。 「リーチ!」 場が張り詰める。他二校も、点差は1万程度まで迫っている。誰にでも勝機がある。 (この渾身のダブリー、振り込んでよね) あぁ、手を伏せた後にドッと淡の背中から冷や汗が吹き出てきた。 怖い、ちょー怖い。こんなに緊張した麻雀はいつ以来だろうか。テルーに初めて順位で勝つかどうかの卓でも、これほどの緊張はなかったと思う。 (……この一勝負で考えれば私は20000以上く削られてるよね、ダメだなー、私) しかし、しかし今自分は勝っているのだ、仲間の稼いだ点のおかげで (よし、きめた、とりあえず控え室戻ったらみんなに謝ろう。とくに菫に……いや、菫部長って言ったほうが今はいいよね?多分) 牌が切られてゆく (とにかく早くみんなにあって、謝ろう、そうしよう) 牌をひく、あたり牌ではない。 (で、そんでもって、うちが勝ったら、その後すぐに清澄の控え室行こう。そんでもって、きょーたろーが出てくるの待って、どうだーかったぞーって自慢してやろう、そしてすぐにアイスクリーム食べに行こう) ツモ番が、咲へ回る (……負けたら、そうだな、その時は) 「……カン!」 (あーーーーー) 大星淡は負けを悟った。 ……… …… … あぁ 脚が重い 己の脚はこんなに重かっただろうか まるで、足首に10キロのバーベルをくくりつけているようだ あぁ でも 戻らなくては 控え室に ドアノブに手をかける。 ……決心がつかない。 みんなに、どんな顔をして会えばいいんだろうか 全てを、台無しにして、私はどんな顔をすれば、いいんだろう。 手が動かない、ドアノブを回せない、まるで杭が打ち込まれなように手首が動かない。 だめだ、ダメダメ、だめなんだ、謝らないと 不意にドアが開かれた。 「あっ……」 「……ん?」 その先には、テルーがいた。 あれ?戻ってきてたんだ、と言いたげな顔だ。 あぁ……心臓が潰れてしまいそうだ。 「……ほら、こっち」 「あう……」 手を握られて、引かれるがまま、控え室の真ん中に連れてこられた。 みんなが、私を見ている。 「……ぁ……そ、の……」 謝ろう、そう決めたはずだ。 負けたら謝ろう。精一杯謝ろう。土下座してでも、謝ろう。 そう、決めたんだ、最初の一言は、言い出しにくいけれど。 みんな、私を見ている、と、思う。 私が顔を伏せてるから、表情は、わからない。 怒ってるのか、悲しんでるのか 「……ご……ごめん……」 精一杯口にした それで限界だった。 すいませんでした、とか、申し訳ありませんでした、とか、丁寧な口調を意識したけど、結局出てきたのはこの三文字だけ あぁ、菫部長に怒られるなーって、おもった。 とたんに、何か温かいのに包まれた 「ぇ……テルー?」 「……」 テルーが、私を抱きしめてた。あったかくて、やわらかくて、お菓子の優しい香りがする。 「……いい麻雀だった、淡。私の、自慢の後輩」 「っ」 ずるい そんなこと、いわれたら がまんできるわけないじゃないか 「うっ……ふぇ……うえぇぇぇぇぇん……ごめんなさい……ごべんなざぃ……ごべんなざぃぃぃぃ……みんなの、みんなが、取ってくれた点数……全部、私が、私が……」 強くテルーの体を抱きしめると、強く、抱き返してくれた。 また、後ろから何かが覆いかぶさってくる。 「馬鹿……あんないい麻雀見せられて怒れるものか。チームのために、己を捨てて……頑張ったな、淡」 右から 「淡ちゃんは頑張ったよ……みんな知ってる」 左から 「私の尻拭いで大変だったろう? ……もっと、お前に楽させてやれなくて、ごめんな」 あぁ、やさしくしないで 「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……!!」 泣き止みどきが、わからなくなっちゃうじゃないか そのまま、みんな、私が泣き止むまで、ずっと抱きしめててくれた。あぁ、一生分の借りを作っちゃったかもしれない。 ー夜ー 「ではーーーーーーーー!清澄高校の団体戦で優勝を祝ってーーーー!!」 { ` /,ヽヽ \ _, -‐ ´ ∟_ \ ヽ / \ /λ ヾ 、 \ へ / |iミ V.彡} l } ヽ 、 ー 、 j |l ノ j| | ゝ 〉 >、 ` ヽィュ_ |i ハ ゝ, {| ヘ \i / \ \``ゝ, }. / ヾ、ヽ ヽゝ `, ヽ / | , -‐ ` ヽ \ ノ. ∠`へ, ' ノ x弋 ヾミ 、 \ 〈 ',. | } } \ }´`ゝ~ ュ _ . 〃 i'〈弋 リ` ´{テ } 〉ヽハ , 乾っ!杯っ! ヽ }. | ´ / ,,_ ゝ,,._ \ゝ 从 ,, , ` ,,, / 从 / ですわーーーーーーーーー!!!!!! ′. ヽ ヘ.__, -‐ ト _ >、  ̄ ` ヽ .\ ', ヘ ャー― , . /ヘ ゙,ソ /j ゝ ゝ ー,,ュ, -‐ ´ ー´,, ` ー- , } ヘ ` ヾ , ヽ ノ , ´{| ゝ /ノ\ `ゝ、  ̄ ゝー‐< ,, _`` ‐- ´ } ヽ ー < | f メ ⅳ \ \ `\ , -‐ `>ー- ェ 〉 \ /V ,ヘー- ュ ゝ ゝ、 ` ,, / /´´ \ \ .` ひ二つ ∧ `ヽ } ー 、 \ , -‐ ´ / ' / ヘ 〉 \ | 、 ノ ヘ ヽ } / ノ ノ 〉、 / i \ ', { 〉 \ \ 「「「かんぱーーーーーーーーーい!!!!」」」 「うるせー……」 マイクによってより煩くなった龍門渕透華の乾杯音頭で、宴会場に寄り集まった長野勢が一斉に飲み物を喉に流し込む。 なんとかアルコールにしてくれと透華は必死にハギヨシに頼み込んだが、流石に無理だと突っぱねられていた。 代わりというか、宴会場を盛大に貸し切ったこの優勝おめでとう会は、どこから持ってきたのか海の幸山の幸詰め込み放題の超豪華宴会である。 「ちょっと!私より目立たないでよ!なんで優勝校の部長の私よりあんたの方が目立ってんのよ!」 「やかましいですわ!こうでもしないとこのssの私の目立ちどころがないではありませんですこと!?」 「ssってなに!?」 やかましく言い争う清澄部長と龍門渕部長を捨て置き、部屋の隅で、京太郎は静かにオレンジジュースを喉に流し込んだ (……いずれぇ) 女三人よらばなんとやら、それならば20人近く集まったこれはなんなのか。阿鼻叫喚か、地獄絵図か、少なくとも男の夢とは言い難い。 (どうしようかな……) そんなことを京太郎が考えていると、ぽんぽんと、肩を叩かれた。 「須賀くん、よければご一緒しませんか?」 そこにはごく最近龍門渕の執事さんだったと知ったハギヨシが、グラスとワインを手ににっこりと笑っていた。 「さ、どうぞ」 トクトクトクと、手にしたワイングラスに濃厚な色の液体が注がれてゆく。 「いや、いいんすか?俺が飲んじゃって」 「お気になさらず、男同士の話には酒がつきものでございます」 そういいつつ、優雅にくいっとワインを喉に通すハギヨシ。 動作のひとつひとつが様になっていてまるで映画の俳優のようだ。 それに倣い、京太郎もグラスの中身を喉に流し込む。 家で親の目を盗んで飲んだビールよりも、幾分か熱く感じる。 「くぁっ熱……でも、うまいな」 「そうでしょう、なかなかいいワインでして」 笑顔を絶やさずワインを口にするハギヨシ。 結構度数が強いはずだがためらいなく飲み込んでゆく。 執事は酒にも強いのかと、京太郎は内心畏れを抱いた。 「あのような女性の花園、須賀くんには辛いでしょう」 「あはは……五人は慣れてるんすけど、あの人数はさすがに、女子校に迷い込んだみたいで」 「心中ご察しします」 暗い部屋で、ワインを交わしての話し合い。 なんとも大人っぽくて、京太郎は静かに胸躍らせた。 「さて……せっかくの人目に触れない酒の席……年の差は4歳程度ですが、須賀くんは何か悩み事はございますか?」 唐突に語り出したハギヨシの質問が京太郎の胸を深くえぐった。 「悩みというものは人に打ち明ければ幾分か軽くなるもの、あわよくば解決策がわかるかもしれません。須賀くんの年の頃、私は多くの悩みに打ちひしがれていまして……相談できる大人がいれば、何度もそう考えました。須賀くんが、同じような目にあっていなければ、と思いまして」 全くもっていつもの調子でハギヨシが訪ねてくるが、全くもってその通りで京太郎は悩みを抱えていた。 この悩みは、自分一人で解決すべきではないか、京太郎は、なんとなくそう考えている。少なくとも、そう考えるを得ない性質の、悩みであった。 ふと、数日前を思い出す。 『何かに迷ったときは、身近な大人を頼ること』 白い髪の女性の言葉を思い出す。今思えば、あの言葉は今この瞬間を、予期していたのではないか。 「じつは……」 京太郎は、ポツリポツリと、胸の内をハギヨシに明かし始めた 「最近、一人の、同い年の女の子と知り合ったんです」 「最初見たときはなんだこの妖怪とか思ったんですけど……まぁ、なんやかんやで、交流ができまして」 「一回、一緒に遊びに行って、それ以外にも、なんかの縁で出会ったりして、それ以外にも、LIMEで話をしたりして……」 「……なんでだろう、俺は、今日そいつがピンチで負けそうってときに、自分の高校の麻雀データをそいつに見せちまったんです」 「そんな気はなかったんですよ、ただ、そいつが負けて打ちひしがれてるから、俺がもっとボコボコにされてる記録見せれば元気になるかなって……」 「でも、冷静に考えれば、なんでそんなことをしたかわからないんです」 「少し考えれば相当やばいことって分かるはずなのに、俺はいつの間にかそいつのところに行って、頑張れって言ってたんです」 「そいつを応援するようなそいつを励ますような、そいつを支えるようなことを、LIMEとかでいろいろ、行っちゃったり、して」 「それで、いまは……」 「清澄が優勝して、すげー嬉しくて、でも……頭の片隅で、いま、あいつは、どうしてるんだろうって考えてる自分が、いるんです」 「これがなんなのかよくわかりません……それが、俺の悩みです」 一通り語り終わった京太郎はワインをやけになったかのように飲み込む。ハギヨシは微笑ましげにそれを眺めている。 「……そうです、か……須賀くん、時に、今LIMEには何か連絡は来ていませんか?」 「え?」 京太郎はそう言われて、慌てスマホを取り出して電源ボタンを押す。なんだ、何も通知はない…… とたんに通知が届いた。新着メッセージが届いたようだ。 「……」 京太郎は化け物でも見るかのような目でハギヨシを見つめるが、ハギヨシはただニコニコと笑うばかりだ。 とにかく、その通知を開いて見ると、何の因果か、件の淡から届いたメッセージのようだ。 『今、旅館の外にこれる?』 文章からして、京太郎が泊まっている旅館の外のことだろう。無論、行ける。 「須賀くん」 ハギヨシが、京太郎を呼ぶ。 「皆様のことは、私にお任せを……君は、自分の迷いを断ち切るために、自分の信じた道を行きなさい」 京太郎は、すっと立ち上がった。少なからず酒を飲んだ体はしかし、少しもふらつきを見せない。 「ありがとうございました、ハギヨシさん」 京太郎が体を翻し部屋を出て行く。 それを見送った後、ハギヨシはグラスとワインを何処へやらと片付けた。 「頑張ってくださいね、須賀くん」 そして、ハギヨシはゆっくりと立ち上がった…… 懐から執殺と書かれたメンポを取り出しながら 「……」 「……」 二人とも、無言だ。 京太郎はなんとなしに空を見上げる。この辺りな東京にしてはまだ空気が綺麗な方らしく、空にはぼんやりと星が見えたりしたのだが、今日は雲が厚く、見ることは叶わない。 「負けちゃった」 唐突に淡がぽつりと呟いた。 「あの後さ、控え室に戻ったら……みんな、私のこと慰めてくれたんだ」 下を向いたまま、淡は言葉を紡ぐ。 「私が全部のリードを台無しにしたっていうのに、みんな、私は悪くないって、自分たちがもっとリードをって、無理させて、済まなかったって……」 声の調子は変わらないが、少しづつ、途切れることが多くなってきた。 「っ……あはは……こん、な……悔しい黒星、初めてだよ……白糸台の……大星、淡なのにね……笑えないや……」 なんとか声の平成は保っているが、ノイズのように混じる嗚咽で、もう、ごまかしようはない。 「っ……悔しい……!こんなの、悔しくて……みんなに申し訳なくて……!悲しくて、情けなくて……!」 一度決壊すれば、後はもうたやすい。きつく閉じた目からホロホロと大粒の涙が流れ出し、地面の色をポタポタと濃くしてゆく。 「みんなそれでも、優しく……!それで余計辛くって……!!」 隣でただうつむいて涙を長く淡を、どうすればいいか京太郎にはわからない。ただ、なんとなく、不器用に、淡の頭を優しく撫でてやった。 サラサラでツヤツヤの金髪が指をすり抜けてゆく。 そのまま、しばらく京太郎は淡の頭を撫で続けてやった。 やがて、淡の瞳から溢れる雨が止む。 こてんと、倒れるようにして京太郎の肩に、頭を預けた。 甘く柔らかい香りがして、京太郎の鼓動が少し早くなる。 「なぁ淡」 ぽつりと、京太郎が言葉を漏らした 「空を見てみろよ。ひでー曇天だな」 言葉を受けて、淡がゆっくりと、腫れぼったい目を空へ向ける。その先には今にも降り出しそうな黒い雲が浮かんでいる。 「俺って、あんなんだ」 京太郎の言葉の意味がよくわからず淡は首をかしげた。 「いやな、俺の麻雀の戦績ってさ、あの曇り空に似てるんだ……」 「俺の一位率って、部内で一割を超えることないんだよ、三位以下が7割くらいだ、一位取れた日なんかもう、飛び上がって喜ぶね、そんくらい負け込みで、それがなんとなーく、あの空に似てるんだ」 淡は少し笑った。あの清澄メンバーにボコボコにのされてうめく京太郎の姿が脳裏に浮かんだからだ。 「でもな、どんな曇りでも、ほんの少しの風が、その雲を吹き飛ばしてくれるんだ」 「風?」 「うん、風。とっさの閃きとか、運とか、そう言うのだ。そういう要素で麻雀って勝敗が変わるんだ」 「お前は今日たまたま風向きが悪くて、雲に覆われちまった……でもな、きっとそんな雲、すぐに風が吹き飛ばしてくれる、万年曇り空の俺が言うんだ、間違いないぜ」 ポンっと、改めて京太郎は淡の頭に手を置いた。無抵抗のまま頭を撫でられる淡は黙って、京太郎の言葉を聞いていた。 「そっか……今みたいな曇り空でも……ちょとした風が吹けば……」 「雲の切れ間に」 「星が輝く」 「……ま、つまり麻雀なんて運ゲーってことだからそんな落ち込むなってことだよ!あー、夜更かしして眠いぜーったく……」 自分のセリフが恥ずかしくなったのか、京太郎は顔を赤くしてポンポンと淡の頭を軽く叩き、態とらしい伸びやあくびをする。 そんな京太郎をみて、淡はクスリと笑った。 「……うん、やっぱ、きょーたろーに、相談してよかった」 「なんかいったかー?」 ハンドボール仕込みの無駄にアグレッシブな柔軟体操を披露する京太郎に、淡はいよいよ頬を緩ませ、それこそ、満天の星空のような笑顔を浮かべた。 「きょーたろーに、ありがとーっていったの!」 「は、はは!礼を言われることなんてしてないぜ!お、俺そろそろ旅館戻るわ!じゃなー!」 「あ、まってよー!ウラ若き高校100年生を送ってかないつもりー!?」 思わず走り出し公園から飛び出す京太郎を淡が慌てて追いかける。 そんな、二人は気づかない。二人の真上に位置する雲が、ちょうど揺らいで切れ間を作り、そこに、輝く夜空が広がっていた。 須賀京太郎にとって東京という土地は、憧れと、驚きと、そして若干の嫌悪を抱かせる場所である。 この驚きというのは実に多彩な意味を持つ。 まさかの40℃越え、まさかの迷宮地下鉄、まさかの出会い、まさかのetcetc…… そんなこんなを体験しつつ、個人戦第1日目の朝、京太郎は新聞を読みながら朝食を喰らっていた。 「はー、『またも襲撃!?マフィアボスの執事がボコボコに……』なんかんだこの執事を集中的に狙った事件ってのは、ハギヨシさん大丈夫かな」 「あの人ならば暴漢に襲われても余裕で返り討ちにしそうじゃのう……」 「で、あるか」 同じく朝食をかきこむ先輩二人よりも早く、朝食のフレンチトーストを胃に収めた京太郎は、試合に出場する咲と和の荷物を肩にかけた。 「じゃあいってきまーす」 「はい、咲のお守りよろしくねー!」 「わしらも後で行くからのー」 「お待たせしました、須賀くん」 「京ちゃん、よろしくね」 「おう、じゃあいくぞ」 蒸し暑い日差しの中、三人は旅館の外へと踏み出した。 今日は2人の個人戦第一試合がある。京太郎は2人の荷物を運ぶ兼咲のお守りだ。ちなみに荷物運びはついでであり本命は咲の見張りである。 「あっつい~……」 早くもグロッキーになりかけている咲の頬に冷たい麦茶の入ったペットボトルを押し付けて、会場へと向かう。和はその暑さにはもう幾分か慣れたようで、うんざりしつつも順調二歩を進めていた。 「2人とも頑張れよ、今日の個人戦」 「はい!1位2位のトロフィー、両方清澄に飾ってみせますよ!」 「どっちが金かは勝負だね、和ちゃん!」 2人の満面の笑みを見て頼もしくなった京太郎は、気合を入れて会場へ到着足を進めた。 そして、試合会場に到着した。会場内には初日に勝るとも劣らない観客が詰め寄っており、その盛り上がりはいろんな意味で団体戦を上回るかもしれない。 「じゃあ、私たちは控え室に入ってます。須賀くん、荷物ありがとうございました、重くなかったですか?」 「あんくらい軽いもんだよ!じゃあ、部長たちの席確保してくるわ、頑張れよ!」 2人から離れて、京太郎は巨大モニターの設置されたルームの中の椅子4つほどに確保を示す荷物を置いた。 そのうちの一つに腰掛けて、ふうと一息、モニターを眺める。 「部長たちが来るまで30分くらいか……」 その間、暇だ。 暇つぶしに自分の荷物から麻雀の教本を取り出し、パラパラとページをめくる。 そしてしおりを挟んでおいた『牌の透視方』の項目を開き、いざ読みふけようと気合いを入れた 「きょーたろ!」 「おわ!」 その途端、柔らかい何かが後ろからぶつかってきた。 「あ、淡か?」 「せーかーい!むー、つまんない」 首だけで振り返るの、ぷーっとむくれているのは見間違えようもない、星のような瞳を持つ大星淡である。 「あー、お前も個人戦出場枠か?」 「そう!こっちでは雪辱をハラハラしてやるんだからー!」 メラメラと燃え上がる闘志を瞳な携える淡は傍目から見ても相当気合いが入っている。 「そうか、俺は清澄の2人の応援だけど、お前も頑張れよ」 「そんなこと言っておきながら私のことも応援してくれるきょーたろーが好きだよ~!」 「好きってお前……」 呆れたような口調ながらも頬を少し染める京太郎をニヤニヤとチェシャ猫のような笑いで眺める淡は、すっと姿勢を正し、京太郎にビシッと指をさした 「そう、実は今日は個人戦以外にも一つ大事な用事があったのさ!」 「大事な、用事?」 「そう、きょーたろーに一つ、挑戦状を叩きつけに来たのだー!」 「挑戦状?」 意味がわからない。強い側から弱い側に挑戦状というのは意味がわからない。 頭にクエスチョンマークを無数に浮かばせる京太郎をくすくすと笑い、淡は、告げる。 「私こと大星淡は優勝してみせます!テルーよりも!咲よりも強く!優勝してみせます!」 なんと、と京太郎は思った。こういうことを臆面なく言えるのは淡の大きな強みだと思う。 「だから、一つ京太郎に約束してほしいことがあるの」 「え、それ強制?」 「モチのロン!」 「マジかよ」 京太郎はうなだれた。この元気っこが突きつけてくる無理やりの約束が、まともなものとも思えない。 「その約束ってのは、なんだー?」 「それはねー……京太郎、今年の冬までに、個人戦、長野枠で出場できるくらい強くなって!」 「……は?」 また、無理難題を押し付けられたものだ。第一、それで淡になんのメリットがあるのか 「私もネトマで協力するからさ!ね!頑張ろうよ!」 「なんでお前にそんなこと言われなきゃいけねーんだよ」 「だって、そうじゃないと季節ごとに絶対に会えるって保証、ないじゃん?」 「……は?」 にこやかに告げる淡に、京太郎は少し、固まった。 会えるって保証。つまり、会いたいって、こと? 「おまえ、それ、どーゆー」 「はい!約束したからね。それじゃ、これは契約の証!」 ぼーっとしてる京太郎の頬に、淡は唇を寄せて…… ちゅっ♪ 「……は?はぁ!?はぁーーーーーーーーーーー!?!?」 椅子から飛びすさり尻餅ついて無様に交代した京太郎は声にならない声を上げた 「アハハ!キョータロー面白い!」 「おま!おま!だって!おま!!」 幸い周りに人は少ないが、その少ない人多々は全員こっちをガン見していた。 「いまのは、この淡ちゃんとの契約の証、約束破ったら、承知しないんだから!!」 そして淡は振り返り、まったねーと、去っていった。耳が、真っ赤だ。 しばらくへたり込んでいた京太郎は、顔は真っ赤のまま立ち上がった。周囲の人間の視線が、痛い、死ぬほど痛い。 「はぁ……やれやれ」 また面倒ごとが増えてしまった、と、京太郎は首を振った。 取り敢えず、今日個人戦が終わったらみんなに麻雀の指導を頼まなくてはいけない。 カンッ!! ーーー京ちゃんが好きだと自覚したあわいーーー 「はいはい、呼ばれて飛び出て即参上」 たったいま、数秒前、LIMEを送ったばっかり。 それなのに、すっかり見慣れた金髪の京太郎は、そばの物陰から姿を表した。 なんでもうここにいるんだろう。 呼んだらすぐ来てくれた、まるでヒーローみたいな登場に、少しだけ、ほんの少しだけ、胸が高鳴る。 「ほれ」 何かを差し出された。 麻雀ダコだけではないその手には、チュッパチャプスくらいの棒付きキャンディーが乗っている。 「脳みそってスゲー大食いな器官でさ、しかも甘いもんしか受け付けねーらしいぜ」 「……そうなんだ」 なんとも、どうでもいい豆知識を聞かされた。 私のことを気遣って、甘いものを、持ってきてくれたのかな? 胸が高鳴る。 「……びみょー」 気恥ずかしさを隠すように、すこしだけ、尖らせた口調で言う。 「ははっ、まぁもらいもんの飴だからな、文句はその人に」 「もらったものを誰かにあげる?フツー」 何が楽しいのか、にこにこと、京太郎はわらっている。気楽そーな顔してさ。 「……なんで、送ってすぐに来たの?」 「こりゃ呼ばれるなって思って。紳士たるものレディの呼びかけには5秒以内に応じるもんだぜ」 「ストーカー?」 「ちげーよドアホ」 「アホだと~?」 あぁ、全く、こっちの気分も知らないで ずいぶん前から、まっていてくれたんだろう。 すこしだけ、ほんの少しだけ、罪悪感が募る。 「なぁ、麻雀で勝つって、なんだと思う?」 すこしだけ話をして、不意に京太郎が問うてきた。 「……そんなの、点数が少しでも高ければ勝つでしょ」 「そおーだそのとーりだ!たとえ百点棒一本でも多い奴の、勝ちだ。100点でも低けりゃそいつの負けだ」 何を、当たり前のことを。京太郎は真剣な顔だ。 「そのルールのせいてで俺の部内の一年生四人の中では、トップ率はダントツドベの0.95だ。わかるか、10回やって1回目トップになれるかどーかだ。そりゃそーだ、何もかもが劣ってる俺があいつらに容易に点数合戦で勝てるわきゃないからな」 「何その自虐情けない」 「やめろ死にたくなる」 えらそーに語ってたかと思えば途端に顔を曇らせる。 ……私にだって、わかる。それは私を励まそうとしてるんだ。 不器用に、どう慰めればいいかわからなくて、自分の情けない姿を見せるくらいしか、方法が思いつかないんだ。 なんだろう、そんな姿が、すこしだけ、可愛い 「まぁともかく麻雀ってのはそういうゲームだ……で、淡、聞くぜ。いま、この麻雀で勝ってるのは誰だ?」 「そんなの……私だよ。7000点、上にいる、けど……」 「そーだお前はまだ勝ってる!お前の仲間たちが、稼いでくれたおかげでな」 その言葉に、四人の顔が思い浮かぶ。 まったく、生意気だ。京太郎のクセに きっと、私に足りないものが何かわかっててそれで、厳しい口調で私に教えてくれてるんだ。 思い込みじゃあない。その顔を見れば、真剣そのものな顔を見れば、そのくらいわかる。表情を読むのは、麻雀打ちの基本だし。 そんでもって、京太郎に励まされた私は……まぁ、なんというか、結論から言うと負けちゃいまして。 おまけに何が悔しいって、そのあと、控え室で大泣きしてしまったことだ。 あぁ、あぁ、思い出しただけで、あぁ、あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁわぁぁぁぁぁもおおおぉぉぉぉぉ!!! 「ふっはははははは、どうした淡、普段の態度が影も形も見当たらないぞ」 「やめて!スミレやめて!忘れて!私泣いてないもん!高校100年生は泣かないもん!」 「ふふ、淡ちゃんの泣き顔、写真撮っちゃった」 「タカミー!?」 「あっはははは、淡~、ちょっとイケてないんじゃなーい?」 「うわああぁぁぁぁぁ!!」 もうダメだ、私はこのメンバーにこのネタで一生からかわれ続けるだろう。想像するだけで頭の中がすっからかんになる程に恐ろしい。 でも、まぁ、いやじゃ、ない。 「淡」 そのあと、珍しくテルーが気を使って私を控え室の外に連れ出してくれた。 テルーは私をからかってこないからなんとかかんとか、一息つくことができた。 「あぁ……ありがとテルー……あー……はずかしー……」 「気にすることはない」 テルーは何やら口に白い棒を咥えてピコピコと揺らしている。みたところ棒付きキャンディーの棒の部分か。 先程きょーたろーからもらった、ベトつく飴を思い出す。 「淡、あの男子は、清澄の生徒?」 ビクッと、思い切り体が震えた。 この状況からして、あの男子、というのはどう考えても…… 「テルー……見てたの?」 「うん」 「……どの、あたりから?」 「脳みそってスゲー大食いってあたり。彼のおかげで私のお菓子好きが間違いではないことが証明された」 「ああぁぁぁぁぁほぼぜんぶじゃぁぁぁぁん!!」 またも撃沈、もうやめて、とっくに淡ちゃんの点棒はゼロだ。 つまりボロボロ泣きながらつぶやいたあのつぶやきもこのつぶやきも……あああわあわあわあわぁぁぁぁぁぁぁ!!! 「彼のおかげで、淡は変われた。本当は私たちの役割だっただけに、ちょっと悔しい」 ポンっと頭に手を置かれた。そのままなすがままに撫でられる。抵抗する気はない、気力がない。 「淡、あの男子の前では素直だったね」 「ちがうもーん……あの時だけだもーん……気の迷いだったんだもーん……」 「淡」 テルーは、ポンっと私の頭を軽く叩いた。 じっと、目を見つめてくる。 「ちょっとゴメンね」 「え?」 「照魔鏡!!」 「アワァァァァァァァ!!!??」 突然なんだと言うのだ、慌てて壁にもたれかかっていた体を起こすと、テルーはこちらを見て、にっこりと笑った。 「うん。うんうん。淡、青春だね」 「なにそのよく雑誌で作る作り物笑顔!?」 「大丈夫、私は全部わかってる」 「覗いたからでしょ!なに!?なにを覗いたの!?」 「淡の淡い恋心、彼への」 「……へぇ、恋心、へぇ……へえあ!?」 「ふぅん、淡はあの彼に抱きしめて欲しいんだね、それで……あれ、それだけだ。それ以上は想像できない?キスとか浜辺で追いかけっことか××××とか『イリアステルに削除されました』とか歯磨きプレイとか」 「なにいってんの!?何言ってんの!?」 もうテルーの大暴走は止まらない、超絶営業スマイルで私も知らない私の心の内を暴くだけだ、もう絶対楽しんでる。 「ふふ……淡」 「ぎぎぎぃ……なによぉ……」 もうスクラップ寸前の私の肩を、ポンっと叩くと、やっと普段通りの無表情……に、少しだけ笑みを浮かべた。 「叶うと、いいね」 「……ふんっ」 散々からかわれた私は、ツンっとそっぽを向いてやった。それでもクスクス笑うテルーが鬱陶しい。 でもまぁ、そのテルーのおかげで、私は京太郎への想いに気づくことができた。 でもやっぱ納得いかないのでそのあとテルーのお菓子を奪って食べてやった。バレた。これは……面倒なことになっちゃった…… おまけ(時系列を気にしたら敗け)- 「海に行こう!」 「……うん?」 唐突であった。 本当、本当に唐突であった。 第1巡目で不要牌を切ったら人和されちゃいましたーってくらい唐突だった。 りんりんらんらんと真横で鼻歌を歌っている淡をスルーし麻雀指導本『これであなたも神域の打ち手』を読みふけっていた京太郎は思わず聞き返してしまった。 「あ、いまうんっていったね!いいましたね!はい、確かに言いました!」 「まて、何もかもをお前の中で進めていくな」 とうっと、淡の頭にハエも殺せないチョップをかます。いった~いと、オーバーなリアクション。 「だって、せっかくの夏だよ!?麻雀だけで終わらせたらアラフィフになっちゃうよ!」 「お前その麻雀だけで終わらせる奴がこの東京に今何人いると思ってんだ」 「そいつらは全員アラカンになればいーの!私とキョータローは違う!」 ミャーミャーとやかましい猫のように騒ぎ立てる淡を前に、京太郎は深く、深海より深く、地球のコアくらい深くため息を吐いた。 短い付き合いだが、こう言い始めた淡が頑固だというのは重々承知している。ちうしれ、にもらずいぶん困らされたものだ。 「はいはいわかったわかったいってやるよ」 「やたー!じゃあ早速水着買いに行こう!」 「え?」 「だって持ってきてないでしょ?買わなきゃじゃん」 「あー……うん、そうか、そうだよな、変なことないよ……な?」 「ないない、ないよ、全然ない。すごく自然!」 というわけで、二人は仲良く連れ立って近くの水着専門店へとやってきた。 「水着、専門店……か。長野にこんなものはなかったな」 「え?マジ?」 「長野は内陸の土地だぞ」 「あっ……」 何かを察した淡はそれ以降何も言わず、そのまま店内へ徒歩を進めた。男女合わせて置いてあるらしく、カップルも少なくない…が、金髪コンビの二人は結構目立つ。 「じゃあ先に京太郎えらんじゃってよ!」 「そうか?じゃあ……予算的に……うん」 京太郎はどんな水着を選ぶのか、と目を輝かせる淡を背に、京太郎はドンドンと買い物カゴの中に商品を放り込んで行く。 「こんなもんかな……」 麦わら帽子 サングラス アロハシャツ 真っ黒なトランクスタイプ サンダル ボディタオル 「……キョータロー……」 「な、なんだよ」 「ヤクザ?」 「ちがわい!」 しかしすでに淡の頭の中には浜辺のレディ達に恐れ慄かれる金髪長身でサングラスをかけた威圧感満載の筋肉モリモリマッチョマンしか浮かばなかった。 さて、今度は淡の番……となって、焦るのは京太郎である。 淡に手を引っ張られるままに連れてこられたが、女性用水着が木々のように辺りにそびえる女性水着コーナーは、なかなか近寄りがたいものがある。 これどうかしらとか彼氏に聞いてたりしてる人もいるから問題はないだろうが…… 「あ、これかわいい!どうどうみて!」 と、声のほうを向くと淡は一つの商品に目をつけたらしく京太郎に見せびらかしている。 「あー……首の後ろで結ぶ奴か」 「そうそう!ホルターネックって奴!ビキニだよビキニ!」 どうどう~?と胸の辺りに水着を当てて見せびらかしてくる淡。その涼しげな水色の水着は淡によく似合うように思える。特に、こう、なかなかに豊満な淡のバストを持ち上げるように強調するビキニ姿を想像すると…… 「ふふーん、これ気に入ったっぽいね、じゃあとりあえず保留!」 おもわずぼーっとしてたら悟られたらしく、淡はそれを買い物カゴに放り込んでしまった。どうやら好みを悟られたようだ…… 「じゃあこれは?どう?真っ赤なパレオ!」 次に取り出されたのは、やはりというか、なかなか大胆に胸を露出するパレオタイプのビキニだ。下半身には長めのスカートのようなものがついているため、必然的に肌色の多い上半身に目がいってしまう。情熱的な赤色もまた、淡には似合うだろう。 「なるほど~、きょーたろーは正直さんだね!じゃあ次は~」 と、ドンドンと淡は水着を漁る。 ふと、淡の買い物カゴに大量の水着が積み重なった頃、ふと京太郎の視界に白い水着が目に映った。それを見逃さなかった淡はその視線の先の水着をバッと手に取る 「ふんふん、モノキニかぁ~」 取り出された純白のモノキニ。 ヘソの辺りにレースで編まれた花弁のような部位があり、そこから四方向に花弁が開いたようなデザインだ。胸の谷間、脇腹など、なかなかに挑発的なデザインをしている。 「ふふ~ん……こういうの、好きなの?」 「どうだか」 ニヤニヤと笑いながらたずねる淡に京太郎はそっけなく顔を背けた ……耳まで真っ赤だが 「ふふふふ~ん……ほんっとーに嘘つけないねーきょーたろーはさ!じゃあこれに決めた!サイズは~……」 「い、いや別に好きとは」 「あれ?嫌い?」 「いや、別に、どっちでも……その……」 「あ~もーかわいーなー!」 んーっと背伸びして淡は京太郎の頭を撫でてやった。 「ななっな、なにすんだよっ」 「うんうん、かっこいいきょーたろーもかわいーきょーたろーもいいね!じゃあ買ってきまーす!」 そのまま、選考落ちした水着を一瞬で元の場所に戻すと、他の幾つかの商品と一緒に淡はレジへとかけて行った。 「……知られてはいけないことを、知られた気がする」 周囲の生暖かい視線をこらえながら、よろよろと京太郎もレジへと這っていった。 淡のお買い物 モノキニ ラッシュガード 麦わら帽子 そして、そのまま淡に引っ張られるがままに電車を乗り継いで、ついに二人は海へと到着した! 「海だ~~!やったーーーー!!ジャカジャン!」 「せーかい中をぼーくらのー……何言わすかこら」 すでに体力をほぼ削られた京太郎は、元気よく飛び跳ねる淡についていくのがやっとである。 暑い、すんごく、暑い。午後1時くらいだろうか、もう日差しは生命ある全てを焼き尽くさんとするほどサンサンと降り注いでくる。いや、惨々と言うべきか。 「じゃあ早速着替えてこよう!海の家の前で待っててね!」 元気よく更衣室へ飛び込んでいく淡を見て、まぁ、せっかくなら楽しむか、と、苦笑いしながら京太郎も男性更衣室へと足を運んだ。 「……」 海の家の前のベンチの一つ。一人の男が腰かけている。 その長身は、どうやら足の長さが理由らしく腰の低いベンチのせいでなかなかに窮屈そうだ。 短めの金髪は麦わら帽子に収められ、鋭い眼光は真っ黒なサングラスに隠されている。 アロハシャツの隙間から覗く分厚い胸板や割れた腹筋、トランクスタイプの水着から覗く引き締まった太もも。 それは、誰が、どう贔屓目に見ても、近寄り難いくらい、怖かった。おまけにそれがはるか虚空を眺めているのである。尚更だ。 「おっまたせ~~~!」 すると、そんな人々が思わず振り向くくらいかわいらしい声が響く!男どもはその声の主人を見て鼻の下を伸ばし、女どもは嫉妬に目を細めた! その恐ろしい金髪男とお揃いの麦わら帽子からは、しかに長く、艶やかに、きらめく金色の髪が揺れている。 顔は喜色に染まり、クリーム色のラッシュガードに覆われた体躯はしかし、でるとこは出て、締まるところは締まったボディを隠しきれていない。 肌は日本人離れして白く、シミ一つもない。そして、それより何より、帽子の影に隠れているはずの瞳が、何よりも魅力的に輝いていた。 だれだ!!?この美女におっまたせ~と言われたのは誰だ!?と男たちが視線を走らせる!果たしてその美少女の向かった先には…… 「きょーたろー!」 「ダアアアバカ!!抱きつくんじゃぁねえ!!!」 「イージャンイージャン!役得でしょ!」 「こっちは命がけなんだ馬鹿野郎!!!」 あの、おっかない男であった。 男たちは血の涙で砂浜を染めた。 「えっへへへ~、じゃあ早速泳ごう!」 「はいはい……」 淡にひかれるがまま、海辺の方へと向かって行く。砂浜を濡らして、引いてまた濡らし、を繰り返している浅瀬へと足首をつからせる。 「ひゃーつめたい!」 「あぁ……すずしいな……」 アロハシャツと帽子はベンチの近くに置いてきた。もう濡れるのは怖くない。だんだんとテンションが上がってきた京太郎は、手首を掴む淡の手を外すと、ぐっと身をかがめ、そして跳ねた! 「わ!」 「イヤーっ!」 そのまま、ダッシュ、そしてバク転、派手に着水。周囲に盛大に水しぶきが飛び散った。 「す、すごーいきょーたろー!」 「へへ、昔取った杵柄ってな」 頭の先まですっかりずぶ濡れた京太郎は、警戒心なく駆け寄ってくる淡に、一気に水をかけた! 「ひゃっ!」 「どうだ!お前も濡れろ!」 「やったなこの~!どりゃー!くらえすたーすぷらっしゅ!!」 「ただの水かけじゃねーか!」 そのままギャーギャーと、色気も何もないまま二人は盛大に水を掛け合う。 ついた当初感じていた疲れは、すっかり京太郎から消え去っていた。 「むぐむぐ……ぷはっ」 「どうだ」 「ちょっとはやいよー……」 暫くはしゃいだ後、少し離れた場所で二人は泳いでいた。淡は浮き輪装着、京太郎は立ち泳ぎである。 「お前がそんなのつけてるからだろ」 「むー、きょーたろーにはレディーを待つっていう精神がないんだね」 「お前以外にはあるよ」 「なにそれ!」 ギャーギャーと喚いてくる淡におもわず京太郎は笑ってしまった。それにつられて、少し遅れて淡も笑いだす。 「あははははっ!……ふー。ねー、京太郎」 「ん?」 急に真面目トーンになった淡に、京太郎も少しだけ真剣になる。 「……来年の夏も、その次の夏も、こうやって、二人で遊びたいな」 「……」 「もちろん夏だけじゃないよ。春は桜、秋はもみじ、冬は……雪、ないんだよなぁ……でも、インハイ出れば、こっちに来れるんだから……その……」 「……頑張って、麻雀」 「……おう」 こっぱずかしくなって、京太郎は浅瀬の方へとくるっと向いた。 「さあさあのろまな大星さん。浅瀬まで競争と行こうぜ。買った方がコーラ奢りな!」 「え、ちょ!」 「ヨーイドン!」 「ま、まってよー!きょーたろーのばかー!」 後ろで喚く淡を放って凄まじい勢いで京太郎は泳ぎ始めた。今日は散々やられっぱなしなのだから、このくらいの仕返しは、許してもらいたい カン! エピローグ 須賀京太郎にとって東京という土地は、憧れと、驚きと、そして若干の嫌悪を抱かせる場所であった あった。過去形であって、もちろん今は違う。 須賀京太郎にとって東京という土地は、もはや長野についで二番目に長い時間を過ごした場所であり、もはや憧れや驚きなどとっくに枯れ果て、いまや臭い空気と濁った空と、蒸し暑い温度に嫌悪を抱くばかりである。 だが、それでも、ここには魅力がある。 「春のIH以来だな……」 去年の冬の頃に買ったキャリーバッグをどかっと地面に下ろし、京太郎は一息ついた。 予算を節約するために、交通手段は深夜バス。本来なら新幹線でひとっ飛びなのだが、個人的な理由により、夏休みに入ってから速攻で課題を終わらせた京太郎は一足早く東京入りしていた。 そのため、大会期間に入るまでは安ホテルで節約生活だ。財布の中にはバイト代が詰まっているが、無駄遣いは避けたい。 「……さて、あいつは……」 バスの止まる場所は教えてあったはずだ。 人で賑わう辺りを見回してみる。すると、見当違いの方向を向いてピョンピョンと跳ねている見慣れた金髪が目に映った。 ばれないよう、そろりそろりと近づいてみる。 「うーどこだろどこだろ……」 「……あーわい!」 「あわわわっ!」 後ろから、そいつを抱きすくめてやった。一瞬身を縮ませたものの、こちらの正体に気づいたそいつは、パアッと顔を明るくして無理やり振り向きこちらに抱きついてくる。 「きょーたろー!」 「春以来だな」 「うん!うん!長野県一位おめでとう!」 「おう!」 須賀京太郎。清澄高校二年生。 長野県男子個人一位である。 そのまま近くのカフェになだれ込んだ二人は、テーブルを挟んで、淡は紅茶を、京太郎は珈琲を口に運んでいた。 「いやー、本当に京太郎はすごいよ!」 「お前に散々叩き潰された成果が出たな」 「ふふーん、高校101年生の淡ちゃんのおかげだね!」 「お前それまだやってんのかよ」 苦笑いとともにブラックコーヒーを啜る。その好みだけは理解不能だと淡に突っ込まれた。眠いのだから仕方がない。 「で、京太郎……次の目標わかってるよね」 「おう、勿論……」 少し溜めて、宣言。 「次の目標は、俺とお前、揃って個人戦で優勝すること」 「そのとーり!二位なんてちゃちいことは言わないよ、やるんなら優勝!」 「そしてその後に……」 「エキストラマッチ!」 そう、今年の夏は、昨今さらに加速した麻雀旋風に乗るように、インターハイに新たな目玉が追加された。 それは、男子女子個人戦の1.2位を集めたエキストラマッチである。 「そこで戦うのが私たちの目標!忘れないでよね!」 「あったりまえだろ!お前こそ咲にやられんじゃねーぞ」 二人は、お互いの目標を再確認し、そして、お互いを激励しあった。 / / | | | | | l l | | | | | / / | |__ | | | | | l l /| | | | |. /// | |\ |‐\八 | | | |__,l /-|‐ リ リ | | / / - 、 | x===ミx|‐-| | `ー /x===ミノ// / ∧{ / | .八 _/ { { 刈`| | l /´{ { 刈\,_| イ /ー―‐ ..__. / / | |/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } / . . . . . . . . . . `「⌒ .. // /| l、 ー‐ \{ | / ー‐ j/ /}/ . . . . . . . . . . . . . .| . . . . . / _,/ . ..| | \ ! j/ ′/ . | . . . . . . . . . . . . . . .| . . . . . . / . . . . { |\ハ_, ノ ,___/{ . .| . . . . . . . . . . . . . . .| . . . . .∧ がんばろーぜ、淡!. / . . . . . . . ′ | . .|\圦 / j/l/. . ′ . . . . . . . . . . . . . . . ./ . . .∧. /. . . . . . . . . . ′_,ノ⌒ヽ | 、 、 _ -‐' / . / . . . . . . . . . . . . . . ./ . / . . / . /\ . . . . . . r‐ ' ´ ∨\/ ̄ )  ̄ ̄ / /. ./ . . . . . . . . . . . . . . / . / . . ./ . . / . . . . . .\ . .ノ ----- 、 ∨/ / 、 / ,/ . / . . . . . . . . . . . . . . / . / . / . . . . . . . . . . . . . / ‘, ‘, ./、 \ / /. . / . . . . . . . . . . . . . . ./ . // . . . . . . . . . . / . . . . .{ ---- 、 ‘, } / . . } ̄ \ ̄ ̄ ̄/ ̄ / .{/ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . -<⌒ . . . . . ./ . . . . ./ ‘, ‘,「l /⌒^\________/}/ . . . . . . 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京太郎「俺が淡と付き合ってる?」淡「はぁ!?」 京太郎「なんでそんな話になってるんだよ」 淡「そ、そうよ! しかもよりによって、なんでコイツなのよ!」 モブ「え、だって昨日、一緒にゲーセンでデートしてたじゃん」 淡「…………」ジー 京太郎「…………」 淡「…………」チラッ 京太郎「……えっと、淡、ほしいのか?」 淡「そ、そんなことないよ!?ただ気になっただけ!」 京太郎(そんなにマジマジと見てたら欲しいって言ってようなもんだぞ?) 京太郎「俺、こう見えてクレーンゲーム得意だぞ?欲しいの言ってくれればーー」 淡「だ、だから、欲しいわけじゃないんだってば!」アセアセ 京太郎「……カピバラ?」 淡「っ! な、なんのこと?」 京太郎(なるほど、カピバラのぬいぐるみか) 京太郎「わかった。取ってやるよ」 淡「だ?か?らー違うんだってば」アセアセ 京太郎(素直じゃないなぁ) 京太郎「……俺が取りたいだけだよ。だから、悪いけど、少し待っててくれ」 淡「そ、そういうことなら……」 数分後 京太郎「よし!とれた!」 淡「京太郎……本当にクレーンゲーム上手なんだね」 京太郎「まぁな。よく咲……幼なじみに取ってあげてたからな」 淡「……幼なじみ」ピクッ 京太郎「あぁ、だからクレーンゲームは基本的に得意なんだ」 京太郎(わかりやすいなぁ……) 淡「……ぬいぐるみ取ったんだからもういいでしょ?次いこ」ムスッ 京太郎「待てよ、淡」 淡「……なに?」 京太郎「これ、やるよ」カピバラー 淡「……だから、私は欲しくないってーー」 京太郎「違うって。俺が淡にプレゼントしたいんだよ。だから受け取ってくれ」 淡「……そ、そういうことなら」オズオズ 京太郎「じゃあ、次いくか」スタスタ 淡「……何カッコつけてんだろ、京太郎のくせに」 淡「……ふふ」ギュッ 『2人でカフェ』 淡「なんでこんなことになってんの……」 京太郎「……俺が聞きたい」 店員「こちら、カップル限定のスペシャルパフェになります♪」 淡「……っ!?」 京太郎「あのー、スプーンが1つしかないんですが……」 店員「カップル限定のスペシャルパフェですからね!お互いにパフェを食べさせあう。これがカップル限定パフェの醍醐味!」 淡「……////」 京太郎「は、はぁ…」 店員「さぁ!どうぞ!」 京太郎「えっと……なんでいるですか?」 店員「見たいからです!」 京太郎「え?」 店員「見たいからです!!!」 京太郎「…………」 店員「さぁ!どうぞ!」 京太郎(とりあえず、溶けちゃうし食べるか) 京太郎「淡、ほら、あーん」 淡「えっ!?本当にやるの!?」 京太郎「スプーンが1つしかないんだからしかたがないだろ?」 淡「そ、そうだけど!ひ、ひひひ、人前なんだよ?////」 京太郎「そうだけど、そういう商品なんだし」 淡「う、うぅぅぅ……」 京太郎「ほら、溶けてきてるから。あーん」 淡「あ、あーん……」モグモグ 京太郎「どうだ?」 淡「恥ずかしいけど……こういうのもいいかも////」 京太郎「あ、いや、味の話なんだが……」 淡「えっ……」 京太郎「えっ?」 淡「…………」 京太郎「?」 淡「………っ!////」 淡「き……ば………」 京太郎「……きば?」 淡「京太郎のばかぁー!!」ダッ 京太郎「ちょ!淡、どこいくんだ!?おーい!」 店員「…………」 京太郎「……なにか、まずかったんですかね?」 店員「彼女さんには甘酸っぱかったんじゃないですかね?」ウフフ 『淡の髪を梳かす』 京太郎「やっと終わったー」 淡「普段からしっかり勉強してれば補習なんてならないですむのに」ジトー 京太郎「あ、いや、まぁそうなんだけどさ」アセアセ 淡「あーあ、せっかくの放課後が台無しだなー」チラッ 京太郎「……わかった。帰りにケーキ奢から許してくれ」 淡「うーん……。それも魅力的だけど、今回は他のがいいなぁ」 京太郎「他の?例えば?」 淡「えっとね」キョロキョロ 京太郎「?」 淡「うんしょっと」イスニスワル 淡「髪、やってほしいなぁ」 京太郎「……ここで?」 淡「うん!」 京太郎「……人前でやるのはーー」 淡「いまは2人っきりだよ?」 京太郎「……わかったよ。クシあるか?」 淡「やった! はい」 京太郎「そういえば、こうやって髪やるの久々だな」 淡「だねー。そもそも2人っきりって状況があんまりないもんね。ん…」 京太郎「うん?どうした?」 淡「……京太郎って髪とかすの上手だよね。凄く気持ちいい」 京太郎「……なんかエロいな」 淡「バカ」 京太郎「ごめん、冗談だよ」 淡「わかってる♪」 京太郎「それにしても、淡は髪綺麗だな」 淡「そう?あんまり考えたことないけど」 京太郎「うん。長くてつやがあって、サラサラで綺麗だ。はい、おしまい」 淡「ありがと。やっぱり、京太郎にやってもらうと気持ちいいなぁ」ウフフ 京太郎「とりあえず、これで今日のことは許してくれるか?」 淡「うーん…。まだ駄目ー」 京太郎「えぇー、まだ駄目なのか?」 淡「あれだけじゃ許してあげない」 京太郎「じゃあ、どうしたら許してくれる?」 淡「届かないから、少し腰おとして」 京太郎「? これでいいのか」スッ 淡「うん」 チュッ 京太郎「っ!」 淡「これで許してあーげる♪」 京太郎「おまえなぁ……」 淡「学校だからほっぺで妥協してあげたんだよ?感謝してね?」 京太郎「こいつー」グリグリ 淡「わ、わ!髪ぐしゃぐしゃになるからやめてー」 京太郎「そしてらまたやってやるよ」 『淡と一緒に水族館行ってイルカショーを見ていた』 淡「京太郎ー」 京太郎「うん?なんだー?」カキカキ 淡「イルカ見にいきたい」 京太郎「イルカかぁ。たまにはいいな」 淡「じゃあさ、これから見に行かない?」 京太郎「そうだな、いくか!」 淡・京太郎「おー!」 担任「おまえらー、デートの約束はいいからその課題をはよ出せー」 翌日、水族館にて。 淡「結局、課題で1日使っちゃったねー」 京太郎「だなー」 淡「でも、今日になって良かった♪」 京太郎「ん?なんでだ?」 淡「だって、これなら一日中、大好きな京太郎と一緒にいられるもん」 京太郎「な、何いってんだよ」カァァ 淡「あは、なんか私も恥ずかしくなってきた」アハハ 京太郎「なら言うなよ……」 淡「……」ムスッ 京太郎「? どうした?」 淡「……京太郎は?」ボソッ 京太郎「うん?」 淡「京太郎は私に好きって言ってくれないの?」 京太郎「……好きだぞ?」 淡「なんか固いよ?」ケラケラ 京太郎「照れくさいんだよ////」 淡「アハハ、京太郎、顔真っ赤だね」 京太郎「そんなことはいいから!ほら、イルカのショー始まるぞ?」 淡「はーい」 イルカのショーが開始 淡「すごーい!京太郎、今の見た!?」 京太郎「見た見た。イルカのショーつってテレビでなら見たことあったんだけど、生でみるとだいぶ違うな」 淡「だよね。迫力が違うよね!」 京太郎「お、すげぇ!」 淡「え?どうしたの?」キョロキョロ 京太郎「あ、いや、今イルカがすげぇ高く飛んだからさ」 淡「うそー!? 見逃したー」ガーン ーーーーーー ーーーー ーー 淡「イルカのショー楽しかったね」 京太郎「だな。……お、淡」 淡「うん?どうしたの?」キョトン 京太郎「なんか、あそこでイルカに触れるらしいぞ?」 淡「えっ?本当に?」ワクワク 京太郎「まじまじ。有料みたいだけど、いくか?」 淡「いく!」 係員「では、こちらにどうぞ。イルカと握手してみてください」 淡「イルカに触れるとか楽しみぃ」ワクワク 京太郎「野生のイルカって人を襲うって聞いたことあるな」ボソッ 淡「こんなときにやめてよー!」ウルウル 京太郎「ごめんごめん、冗談だから。」ナデナデ 淡「ん、次はないからね?」プンスカ 京太郎「はいはい」 係員(はよしろ……) 淡「わ、わぁー。イルカの手って柔らかい」キラキラ 淡「京太郎も触ってみなよ」 京太郎「どれどれ……お、おお。確かに柔らかい!」 淡「でしょ?」 京太郎「なんかくせになるな、これ」サワサワ イルカ「」ジー 京太郎「うん?」 チュッ 係員「あ、お客様、ラッキーですね。この子、たまにしかしてくれないんですよ?」 京太郎「あ、そうなんですか?なんか今日はツイてるなぁ」 淡「えぇー!京太郎いいなぁ。私にはーー」チラッ イルカ「」プイッ 淡「…………」 京太郎「…………」 イルカ「」ニヤッ 淡「……いいもん。あとで京太郎にしてもらうから」ボソッ イルカ・京太郎「!?」 『京太郎が淡を朝起こしに行っていた』 合宿所にて。 京太郎「………」キョロキョロ 京太郎「あ、淡ー起きてるかー?」コゴエ 淡「……うゆぅ」zzz 京太郎「あ、淡ー、また遅刻するぞー」ユサユサ 淡「うーん……」モゾモゾ 京太郎「おっ、起きたか?」 淡「……あと5……」 京太郎「……時間とか言わせないぞ?」 淡「年……うにゃ」zzz 京太郎(もっと上だったか……) 京太郎「じゃなくて!お前が起こしてくれって言ったんだろ?男子はこのフロア立ち入り禁止なんだから、早くしてくれ」ユサユサ 淡「……むぅ」ムクリ 京太郎「おはよう、淡」 淡「…………」ジー 京太郎「? どうかしたか?」 淡「きょーたろーだぁ」ダキッ 京太郎「ちょ!寝ぼけてんのか?起きろー」ペシペシ 淡「むぅ、寝ぼけてないよ…」ムスッ 京太郎「じゃあ、くっ付いてないで起きろって」 淡「わかったよ……。じゃあ、はい」ズイ 京太郎「な、なんだよ」ジリ 淡「……いつもの」 京太郎「……はっ?」 淡「だから、いつもの……」 京太郎「えっと、もしかして、あれですか?」アセ 淡「……ん」 京太郎「く、唇を突き出すな…。つか、合宿中はまずいって」アセアセ 淡「じゃあ、起きない」プイッ 京太郎「いやいや!淡はレギュラーだろ?皆に迷惑かかるぞ?」 淡「……そしたら、京太郎がキスしてくれなかったからって言うからいいもん」 京太郎「それだけはお願いだからやめてくれ」アセダラダラ 淡「なら、おはようのキス」 京太郎「……はぁ、分かったよ」 チュッ 淡「……えへへ♪ おはよ、きょーたろ」 京太郎「あ、あぁ、おはよう。ほら、ちゃんとキスしたんだから起きろよ?」 淡「うん、ちゃんと起きるよー」ウットリ 京太郎「じゃあ、俺は帰るからな」ガチャ…バタン モブ(き、京太郎君が急に入って来たからとっさにかくれちゃったけど……) モブ(2人ってそういう仲なの!?) モブ(つか、先輩に言われて淡を起こしにきただけなのに……。なんで朝から甘ったるいシーンを見なきゃいけないのよ!!) 『淡と京太郎が放課後教室で抱き合っていた』 淡「つ、疲れたー」グデー 京太郎「お疲れ」 淡「うん、京太郎もおつかれー。なんなの、あの授業……」 京太郎「淡は歴史苦手だもんな」 淡「歴史を学んだって私には関係ないのにさ」プンスカ 京太郎「温故知新って言葉があるだろ?昔のことも学んで損はないぞ?」 淡「そうかもだけど、嘉蔵なんて人知らないもん!」 京太郎「あ、あぁ、あれはマニアック過ぎるからな…」 淡「…えっ?京太郎は知ってるの?」キョトン 京太郎「昔読んだ本に少しだけ出てたからな」ドヤー 淡「…………」 京太郎「……おい、なんで少し下がった?」 淡「ソンナコトナイヨー」 京太郎「……と、とりあえず、帰ろうか」 淡「疲れて動けなーい」グデー 京太郎「いやいやいや……」 淡「えねるぎー切れー」 京太郎「……どうしたら、そのエネルギーは貯まるんだ?」 淡「うーん……。京太郎がハグしてくれたらかな?」ニパー 京太郎「…………」 淡「…………」ジー 京太郎「…………」 淡「………」ジー 京太郎「はぁ、分かったよ。ほら」ギュッ 淡「なんで後ろから?」 京太郎「前からの方が良かったか?」 淡「どっちも好きだけど、前からの方が京太郎の顔も見れるからなぁ」クルッ 京太郎「っ!」 淡「京太郎の心臓、ドクンドクンいってる」ギュー 京太郎「……生きてるからな」ギュッ 淡「……ねぇ、京太郎」ジー 京太郎「……ん」チュッ 淡「んっ、はぁ……ありがと♪」 京太郎「学校ではしないつもりだったんだけどな」 淡「じゃあ、なんでしたの?」 京太郎「淡があまりにも可愛いから」キッパリ 淡「っ////」 京太郎「お、真っ赤になった」 淡「……ばか」 廊下にて。 モブ(は、入りづれぇー!!) 学校の中庭。 淡「きょーたろ、膝枕してほしいなぁ」 京太郎「うん? あぁ、ほら、いいぞ?」ポンポン 淡「わーい」ゴロン 京太郎「寝心地はどうだ?」 淡「うーん……。少し固いかな?」 京太郎「さいですか……」 淡「でも、暖かい。体中がポカポカしてくる」 京太郎「…………」 淡「なんでだろうね?」 京太郎「さぁな」ナデナデ 淡「わっ」 京太郎「あ、すまん、嫌だったか?」 淡「ううん、突然だったからビックリしちゃっただけ」 京太郎「そか、ならよかった」 淡「…………」ジー 京太郎「?」 淡「ナデナデ、してほしいなぁ」チラッ 京太郎「…………」ナデナデ 淡「んっ……きょーたろの手、気持ちいい」ウットリ 京太郎「それは良かった」ナデナデ 淡「……きょーたろ」 京太郎「うん?」ナデナデ 淡「だーいすき♪」 京太郎「俺もだよ」ナデナデ モブa「……すまん、人足先に離脱する!」ダッ 京太郎「あいつ、どうしたんだろ?」ナデナデ 淡「具合悪くなったのかな?」キョトン モブb(いやいや!) モブc(2人のせいでしょ!?) 淡「きょーたろー」 京太郎「今度はどうした?」 淡「お腹すいた」 京太郎「お腹? あぁ、そういえばもう昼か」 淡「今日はきょーたろのためにお弁当作ってきたんだぁ」エッヘン 京太郎「そうなのか?それは楽しみだなぁ」 モブb「」←コンビニ弁当 モブc「」←姉の手作り弁当 モブb「…………」チラッ モブc「…………」ドヤッ モブb「」(´;ω;`)ブワッ 淡「じゃじゃーん」パカッ 京太郎「おぉ!」 きょーたろラブ 京太郎「……いやいや、これは流石に恥ずかしいぞ?////」 淡「や、やっぱり?//// 実は私もすっごい恥ずかしい」カァァ 京太郎「と、とりあえず、食べようか」 淡「だ、だね!」アセアセ モブb・c(そこで照れるの!?) 淡「はい、きょーたろ。あーん」 京太郎「あーん」パクッ 淡「ど、どう?」オソルオソル 京太郎「……」モグモグ 淡「えっと…」オドオド 京太郎「……おいしい」 淡「ほ、ほんと?」パァァ 京太郎「本当本当。これならいつでもお嫁にいけるな」ナデナデ 淡「でしょー」ウフフ 京太郎「淡の旦那さんは幸せだろうな」 淡「私は京太郎としか結婚する気ないよ?」 京太郎「淡……」 淡「きょーたろ……」 チュッ モブb「う、うわぁーん」ダッ モブc「まてっ」ガシッ モブb「放せ!俺は!俺は独りでコンビニ弁当食うんだぁ」。゚(゚´Д`゚)゚。 モブc「た、頼むからこんな所に独りにしないで」ナミダメ 京太郎「ごちそうさまでした」 淡「お粗末様でした」 京太郎「いやー、本当においしかった。また作ってくれるか?」 淡「代金としてキス一回を請求します」ニコッ 京太郎「夜になったら何回でもしてあげるよ」 淡「楽しみにしてる////」 モブc「あれ?モブbがいない!?」キョロキョロ モブc「っ!こ、これは!?」 旅に出ます。探さないでください by コンビニ弁当 モブc「も、モブbー!!!」 淡・京太郎「?」 淡「きょーたろ」 京太郎「うん?」 淡「なんか少し疲れたかも」 京太郎「なら、また少し寝るか?」 淡「ご飯の後だから寝るのはいやだなぁ」 京太郎「なら、どうする?」 淡「うーん……あっ、そこ座ってもいい?」 京太郎「うん?そこって?」 淡「足の間」 京太郎「あぁ、いいぞ?」 淡「よっと」ピョン 京太郎「どうだ?」 淡「背中が少し寒いかなー」チラッ 京太郎「はいはい」ギュッ 淡「うん、暖かい♪」 モブc「♪」←音楽を聴いている 淡「ねぇ、きょーたろは私と付き合えて良かった?」 京太郎「当たり前だろ?」 淡「きょーたろならそう言うと思ってた」アハッ 淡「でもね、たまにスッゴく不安になる時があるんだぁ」 京太郎「そうなのか?」 淡「うん、だって、京太郎の周り可愛い子多いから」 京太郎「…………」 淡「だから、たまにスッゴく不安になる……」 京太郎「淡……」 淡「うん?」 京太郎「ごめんな」ギュッ 淡「き、きょーたろ?」 京太郎「俺のせいで不安になるんだろ?だからごめん」 淡「え、違うよ!私がいけないんだよ」アセアセ 京太郎「ううん。俺がしっかり淡だけ見ていれば淡が不安になることなんてないはずだから。ごめんな、淡」 淡「きょーたろ……」 京太郎「なぁ、もっかいキスしないか?」 淡「…したいの?」 京太郎「したい」 淡「うん、それならいいよ」クルッ 京太郎「淡……」チュッ 淡「んっ……」 京太郎「んー、あむっ」 淡「っ!んっ、きょーら…ろう、すと……んっ」 京太郎「……」 淡「ん、んんっ……はっ、ふっ……んぅ」 淡「ぷはっ……きょーたろぉ、学校だよ、ここ…」トローン 京太郎「したくなったから。ごめんな」 淡「謝らないで…。嬉しかったし」ボソッ 京太郎「そか」 淡「……続き……」ボソッ 京太郎「えっ?」 淡「帰ったら続き……しない?////」 京太郎「……淡がいいなら」 淡「ありがと。放課後が楽しみ」フフッ モブc「」←音楽聴きながら白目 【番外編】『会話のすれ違い』 京太郎宅。 淡「きょーたろ、今夜泊まってもいい?」 京太郎「……はい?」 淡「だから、今夜、泊まってもいい?」 京太郎「……なんで?」 淡(もっときょーたろと遊びたいから……とかじゃ子供っぽいからーー) 淡「えっと、その、今夜は京太郎と一緒にいたいから……」 京太郎「…………」 京太郎(えっと……これっていわゆるOKサインってやつか?) 淡「……駄目?」 京太郎「き、今日は親父も母さんもいないけど、いいのか?」アセアセ 淡(?ご飯の心配かな?) 淡「別にそれは気にしないけど?」 京太郎(ちと、コンビニ行ってくるか) 京太郎「りょーかい。着替えとかは……ないよな、流石に」 淡「うん、流石にない……だから、少し買い物してきていい?」 京太郎「いいぞ?あ、俺も買いたいものあるから一緒にいくか?」 淡「そうなの?いいよ!きょーたろとデートだぁ」ニパー デパート 京太郎「なぁ、デパートの中ぐらい腕に抱きつくのやめないか?」 淡「えぇ、こうしないとデートぽくないよ?」 京太郎「そ、そうかもしれないけどさ」アセアセ 京太郎(腕に当たってるせいで色々やばいんだが……) 淡「きょーたろが嫌ならやめるけど」 京太郎「嫌じゃないです!」キッパリ 淡「わっ、急に大声ださないでよ、もぉ」 京太郎「ご、ごめん」 淡「変なきょーたろ」ウフフ 京太郎「と、ところで、淡は何を買うんだ?」 淡「えっ?」 京太郎「えっ?」 淡(下着……とか言い辛いなぁ……恥ずかしいし////) 淡「そ、それは秘密かな?」アセアセ 京太郎(そ、そうだよな!俺の為に用意するんだからサプライズにしたいよな!) 京太郎「そ、そっか」ハハハ 淡「う、うん」ハハハ 京太郎(どんなやつ買うんだろう?派手なのかな?) 淡(今月、お金ヤバいから安いのあるかなー?) 帰宅。 京太郎(よし、必要なものは買ったし、あとは風呂だけだ!) 京太郎「淡ー、先にお風呂入っていいぞー」 淡「えっ?いいよ、先に入って?」 淡(家主より先に入るのは……) 京太郎「そ、そうか?」 京太郎(も、もしかして、あとから入ってくるのか!?) 京太郎「じゃあ先に入らせてもらうわ」 ーーーーーー ーーーー ーー 京太郎「流石にないか……」ズーン 淡「うん?どうかした?」フロアガリー 京太郎「いや、なんでもない」 淡「そう?」 淡(なんか元気ないけど、どうしたんだろ?) 京太郎「…………」ズーン 淡(やっぱり、元気ない……悩み事かな?) 淡「きょーたろ?」 京太郎「うん?どうした?」 淡「その……私はいつでもきょーたろの味方だからね?」 京太郎「……へ?」 淡「私にできることがあったら何でも言って!私、きょーたろの力になりたいから」 京太郎「え、あ、あぁ……」 京太郎(……なんの話だ?)アセアセ 淡「だから、1人で(悩みを)ため込まないで?」 京太郎「っ!」 京太郎(淡……) 京太郎「あぁ……ありがとな、淡」ギュッ 淡「わっ!」アセアセ 淡(な、なになに!?急にどうしたの!?) 京太郎「淡……」チュッ 淡「!?」 淡「きょ、きょきょきょ、きょーたろ!?すとっぷ!すとーぷ!」アワワ! 京太郎「……えっ?」 京太郎(もしかして、順序間違えたか?)ヒヤアセ 淡「き、きょーたろ? 急にどうしたの?」アセアセ 京太郎「あ、ごめん!その俺、初めてでさ」アセアセ 淡「……え?初めて?」ボーゼン 淡(前のデートでキスしたこと忘れちゃったの……?) 京太郎「は、恥ずかしながら……」 京太郎(淡が有り得ないものを見るような顔してる……) 淡「きょーたろ?その……本当に初めて?冗談とかじゃなくて?」オロオロ 淡(ほ、本当にわすれちゃったの?) 京太郎「初めてです……。でも淡も初めてだろ?」 京太郎(付き合ったのは俺が初めてっていってたしな) 淡「わ、私はしたことあるよ?」 淡(だって、きょーたろと間違いなくしたもん……) 京太郎「……えっ!?」 京太郎(ど、どういうことだ!?) 京太郎「え、えと……いつ頃だ?」 淡(本当に忘れちゃったんだ……) 淡「先週だよ……」 京太郎(先週……俺と映画行った週……) 京太郎「ま、まじか……」ボーゼン 京太郎(ってことは、俺以外に……) 淡「うん……」 京太郎「…………」 淡「……きょーたろぉ」ナミダメ 京太郎「……なんで淡が泣きそうな顔してるんだよ」 淡「なんでって……きょーたろのせいでしょ!?」 京太郎「!?」 淡「わ、私、初めてで……グスッ、すっごく…………すっごく嬉しかったのに!」ポロポロ 淡「きょーたろにとっては!忘れちゃうくらいどうでもいいことだったってことでしょ!?」ポロポロ 京太郎(忘れる? 俺が? つか初めて?) 京太郎「す、ストップ!」 淡「……なに?」グスン 京太郎「淡?その、先週したのが初めてだったんだよな?」 淡「……そうだよ、ファーストキスだったんだよ?」 京太郎「……えっ?キス?」キョトン 淡「……えっ?今キスの話でしょ?」キョトン 京太郎「…………」アセダラダラ 淡「……きょーたろ?」 京太郎「…………」 淡「……京太郎は何の話してたの?」ジト ーーーーーー ーーーー ーー 淡「……最低」グスン 京太郎「返す言葉もございません」ドゲザー 淡「しかも、しっかりこれまで用意して……」チラッ コンドーム「やぁ!」 京太郎「本当に申し訳ないです」ドゲザー 淡「……はぁ、もういいよ。誤解だって分かったし」 淡(良かった……キスのこと忘れてたわけじゃなくて) 淡「それにしても、きょーたろ……その勘違いはどうかと思う」ジト 京太郎「すみませんでした」ドゲザー 淡「……は、……の?」ボソッ 京太郎「……え?」 淡「だから……その、きょーたろは……したいの?////」 京太郎「したいです!」キッパリ 淡「……っ////そんな時ばっかりキリッってしないでよバカ!////」 京太郎「ご、ごめん……」 淡「…………」 京太郎「…………」 淡「…………ねぇ」 京太郎「あ、はい!」ビクッ 淡「そろそろ、寝ない?もう遅いし……」 京太郎「……だな」 淡「……ねぇ」 京太郎「うん?」 淡「その……一緒に寝ない?////」 完 『淡と京太郎の関係を微笑ましく見つめる菫さん 』 昼 部室 菫「昼はミーティングがあるからとあれほど言っておいたのに……」イライラ 菫「淡と須賀は何をやっているんだ」イライラ 照「私、探してこようか?」キラキラ 菫「……いや、私がいこう」 菫(照に行かせたら帰ってこないからな……) 照「そ、そう……」シュン 学校の中庭 京太郎「ふあ……ねむ……」 淡「? きょーたろ寝不足?」 京太郎「……あ、あぁ、昨日あんまり寝られなくてさ……」 淡「どうせ、ゲームでもしてたんでしょ?」ジト 京太郎「ちげーよ。な、長野から急遽両親が来てさ……」 淡「あ、あぁーー……」ナットク 京太郎「質問攻にされてたんだよ……」 淡「お疲れ様」ニコニコ 京太郎「……とにかく、それで寝不足なんだ」ウトウト 淡「そっかー……あっ!きょーたろ」 京太郎「うん?」 淡「眠いなら少し寝たら?今なら特別、私が膝枕してあげるよ?」 京太郎「……………………いやいや」 淡「……今の間はなに?」 京太郎「……素敵な提案だけどさ、ここでそれやったらバレるぞ?」 淡「そ、それは大丈夫だよ」アセアセ 京太郎「何を根拠に……」 淡「ほ、ほら!周りに誰もいないし」キョロキョロ 京太郎「……淡?もしかしてやりたいのか?」 淡「そんなことないよ!?ただ、きょーたろが疲れてるから労ってあげてるだけだよ!」オロオロ 京太郎「……そういえば、昨晩はーー」 淡「っ!ち、違うよ!?映画は関係ないよ!?」 淡「昨晩やってた映画で膝枕してるシーン見て、いいなぁとか思ったりしてないよ!?」アセアセ 京太郎(まだ何も言ってないのに……) 京太郎「……そうなのか?じゃあやらなくても良いか」 淡「!」 京太郎「淡がやりたいって言うならやってもいいけどなぁ」ニヤニヤ 淡「う、うぅー……きょーたろのいじわるぅ」ナミダメ 京太郎「どうするんだ?」ニヤニヤ 淡「ひ……ら…………さい」ボソッ 京太郎「うん?」 淡「だから!ひ、膝枕させてください」カァァ 京太郎「いいぞ」ナデナデ 淡「きょーたろのばかぁ」プシュー 渡り廊下 菫「あの馬鹿2人はどこで油売ってるんだ?」スタスタ 菫「教室にもいないし……いったい……あっ」←中庭を見る 再び中庭 淡「ど、どうかな?」オドオド 京太郎「……これ、いいな」 淡「そ、そう?」パァ 京太郎「あぁ、なんて言うのかな、柔らかいだけじゃなくて、適度に張りがあるというかーー」プニプニ 淡「ちょっ! 股さわらないでよ、変態!」ペシ 京太郎「あだっ」 淡「次、勝手に触ったら怒るからね?」プンスカ 京太郎(なるほど、許可とればいいのか) 淡「……きょーたろ?」ジト 京太郎「頼むから心の中まで読まないでくれ……」 淡「もう……きょーたろは変態なんだから」ナデナデ 京太郎「これはその変態へのご褒美か?」 淡「ばか。眠いんじゃないの?時間なくなるよ?」 京太郎「そうだった。じゃあおやすみ」 淡「うん、おやすみ」ナデナデ 京太郎「…………」 淡「…………」ナデナデ 京太郎「…………」zzz 淡「やっと寝た」クスッ 淡「きょーたろが1日徹夜したくらいで、ここまで疲れるわけないのに。嘘が下手だなぁ」ナデナデ 淡「どうせ、麻雀やってたんでしょ?私に追いつくとかいって」ナデナデ 淡「きょーたろ、レギュラー入りおめでと」ボソッ チュッ 渡り廊下 菫「…………」 菫「まっまく……」ケイタイトリダシ 菫「あ、尭深か?ミーティングのことなんだがーー、あぁ、明日の昼に変更とレギュラーに伝えてくれ。あぁ、じゃあ」 菫「まったく、手間のかかる後輩だよ」クスッ 完 『たかみーから男心を教わる淡』 淡「……」キョロキョロ 尭深「? 淡ちゃん、どうか、した?」 淡「えっ……あぁーいやー」 尭深「なにか、悩み事?」 淡「悩み……といえば悩みかな……」 尭深「……その、私でよければ、相談、のるよ?」 淡「そ、そんな大したことじゃないからいいよ」アセアセ 淡(それに、たかみーに相談しても……) 尭深「そ、そう……」シュン 淡「あっ! や、やっぱり相談のってもらおうかな?」アセアセ 尭深「……無理しなくて、いいんだよ?」 淡「む、無理なんてしてないよ!たかみーに相談のってもらいたいなぁー」チラッ 尭深「そ、そういうことなら////」 淡(だ、大丈夫だよね?) 尭深「……それで、悩みって?」 淡「えっと……その……」モジモジ 尭深「……?」 淡「話っていうのは、その、須賀のことなんだけど……」 尭深「須賀くん?」 淡「うん……。どうしたら須賀が振り向いてくれると思う?」 尭深「? 呼びかければ振り向いてくれると思うよ?」 淡「…………」 尭深「?」 モブ(それはないっす、渋谷先輩……) 淡「そういうんじゃなくて」アセアセ 尭深「?」 淡「どうやったら、その……好きになってもらえるかな?////」カァァ 尭深「っ////」 淡「……////」ウツムキ モブ(絶対に相談相手間違えてる……) 翌日。 尭深相談室。 尭深「えっと、昨日、たくさん考えてみたんだけど……」 淡「うん」 尭深「名前で呼んでみるのがいいと、思う」 mission 1 名前で呼ぶ! 京太郎「…………」アセダラダラ 淡「…………」ジー 京太郎「…………」ダラダラダラダラ 淡「…………」ジー 京太郎「お、大星?」アセアセ 淡「な、なに!?」ドキッ 京太郎「何かようか?」アセアセ 京太郎(俺、何かしたか?) 淡「よ、用って程じゃないんだけど……その」 京太郎(あ、もしかしてあれか?) 淡「き、きょーたrーー」 京太郎「わかった!」 淡「!?」ビクッ 京太郎「あれだろ?昨日の賭けのことだろ?飯おごるってやつ」 淡「……えっ?あ、いや……」 京太郎「ルールはルールだからな。今日の放課後、空いてるか?」 淡「え、あ、うん……空いてるけど」 京太郎「よし、なら放課後な。校門のところで待っててくれ」 淡「え、あ、うん……」 京太郎「じゃあ、そういうことで。まだ俺は委員会あるから先輩に遅れるって伝えておいてくれ」タタタッ 淡「うん……あとでね」ボーゼン 淡「………………」 淡(……あれ? これってもしかして……デート!?) 尭深相談室 尭深「うまく、いった?」 淡「なんか……色々スキップしました」 尭深「よかった」ホッ 尭深「じゃあ、次、やろうね」 淡「あ、うん」 尭深「相手の良いところを誉める」 mission 2 相手を誉める! 放課後。 京太郎「わりぃ、待ったか?」 淡「う、ううん!今ついたところ!!」 京太郎「そか、それは良かった。じゃあ早速行くか」 淡「えっと、どこいくの?」アセアセ 京太郎「うん?それは着いてからのお楽しみってことで」ニヤッ ーーーーーー ーーーー ーー 京太郎「わるい、カウンター席しかなかったわ」 淡「…………」ソワソワ 京太郎「……どうしたんだ?借りてきた猫みたいに大人しいじゃん」 淡(だって、なんかお洒落なケーキ屋だし……それに……) モブ女「はい、あーん」 モブ男「あーん。うん、おいしい」 淡「…………カップルばっかりなんだもん」ボソッ 京太郎「なんだって?」 淡「な、なんでもない!////」 淡(ど、どうしよ!恥ずかしくて須賀の顔みれない)アセアセ 京太郎(なんか変だな……少し顔も赤いし) 淡「…………」チラッ 京太郎「…………」ジー 淡「っ!」サッ 淡(ど、どうしよ……このままだと誉めるどころか話もーー) 京太郎「……失礼」テヲデコニアテル 淡「へっ?」 淡「な、な、な!////」カァァ 京太郎「げっ……やっぱり熱あんじゃん……」 淡「あ、や、これは熱なんだけどーー」 京太郎「なんかおかしいと思ったら……。風邪引いてるなら言えよ」 淡「あ、だから、違くて」アセアセ 京太郎「とりあえず、今日は帰るぞ。淡はレギュラーなんだから体調管理しっかりしないと」 淡「だ、大丈夫だから」アセアセ 京太郎「風邪は万病のもとだぞ?ケーキはまた後日な?だから今日は帰る」 淡「だ、だから、違うんだってばー」 淡宅 淡(ど、どうしよう……) 京太郎「送るだけの予定だったんだけどなぁー」 淡(と、とりあえず、たかみーにメールしなきゃ!) 今、須賀と家にいます。どうしたらいいですか? 淡「送信っと……わっ、もう返信きた」 ボディータッチとか良いと思うよ(o゚▽゚)o 淡「…………」ゴシゴシ 淡「…………」 淡(むりだよ!) 京太郎「? 大星、大丈夫か?」 淡「へ!? あ、うん!大丈夫大丈夫!」アセアセ 京太郎「そうか?」 淡「う、うん!それよりさ、せっかくだから何かしない?」 淡(何かしてないと間がもたない……) 京太郎「何言ってんだ……。風邪引いてるだから大人しく寝てろよ。悪化したら大変だろ?」 淡「えぇー……。うーん……じゃあ、きょーたろが何か話してよ」グデー 京太郎「……えっ?」 淡「え?……あっ……」カァァ 淡「ち、違うよ!? その、今のは……ほら!友達だからさ!」 淡「良い機会だから、もう一歩進展してもいいかなーとか思って!」 淡「あ、あと!日頃の感謝ってやつ?だから深い意味はまーたくないの!」アセアセオドオド 京太郎「わ、わかった。わかったから少し落ち着け!熱あがるぞ?」 淡「ほ、本当に違うんだよ?」アセアセ 京太郎「わかったって」 淡「…………」チラッ 京太郎「…………」 淡「……な、なにか言ってよ……」ウルウル 京太郎「そ、そう言われてもなぁー……。うーん……ありがとう?」 淡「……なんでお礼?」キョトン 京太郎「いや、そうな風に思ってくれているとは思わなかったからさ。なんか嬉しくて」ハハハ 淡「じゃあ、今までは私にどう思われてる思ってたの?」 京太郎「……嫌われてる?」アセアセ 淡「な、なんで!?」 京太郎「だって、何かと暴言吐かれるし、なにかと突っかかって来てなかったか?最近は少なくなったけど」 淡「あ、あぁ……入学当初は苦手意識あったかも」アハハ 京太郎「やっぱりか」ニガワライ 淡「うん♪」 淡「でもね、最近はそんなことないよ?」 淡「最初こそ、『うわぁ、金髪だわー』とか『ちゃらそー』とか思ってたけど」 京太郎「え?そこ!?つか、大星も金髪じゃん!」 淡「でも、実際は誰にでも優しくて、いざってときに役にたつ人」 京太郎「…………」 淡「ほら、入学して間もない頃にさ、私がナンパされたことあったじゃん?」 淡「あの時と京太郎が助けてくれてさ。あの時は思わず罵声浴びせちゃったけど、本当はすっごく嬉しかったんだぁ」 淡「あの時の京太郎、格好良かったなぁ」ウットリ 京太郎「……ちょ、ストップ!」アセアセ 淡「?」 京太郎「ど、どうしたんだ?急に……」 カァァ 淡「えっ?」 淡「…………」ポクポクポクポク 淡「っ!////」チーン 京太郎「……////」 淡「……////」 尭深宅 尭深「…………」ペラ 尭深「……あ」 恋愛の鉄則!ボディータッチはNG 尭深「……どうしよう」シュン 完 『照にのろける淡』 淡「テルー!」ダキッ 照「っ!……なんだ、淡か」ホッ 淡「ねぇテルー、聞いて聞いて!」 照「どうかした?」 淡「うん! 昨日ね、きょーたろと遊園地いったんだぁ」 照「…………」 淡「それでね!ーーーー」 ーーーー ーー 京太郎「遊園地なんて久々だな」 淡「そうなの?私は初めてかも」 京太郎「え?そうなのか?」 淡「うん。小さい頃に行ってるかも知れないけど、物心ついてからは初めてかな」 京太郎「そっか。なら、今日はめいいっぱい楽しもうぜ!」 淡「うん! エスコートよろしくー」 京太郎「まかせろ!じゃあ最初は……」 数分後。 淡「……ありえない」ジト 京太郎「ごめん……」 淡「遊園地の定番とはいうけどさぁ、いきなりお化け屋敷ってどうなの?」ジー 京太郎「いや、その……恐がってる淡がみたくてだな?」アセアセ 淡「だからその彼女を置き去りにして隠れたんだ?」ジト 京太郎「……すみませんでした」 淡「……許してあげない」プイッ 京太郎「え……ど、どうしたら許してくれる?」アセアセ 淡「……それを聞いたら意味ないでしょ?自分で考えて」プイッ 京太郎(困った……) ーーーー ーー 淡「ーーってことがあったの。あの時のきょーたろの顔が可愛くて」キャー 照「……そうなんだ」 淡「うん! それで、きょーたろ何したと思う?」 照「ーーさぁ?」 淡「……テルー、考えてる?」ジー 照「…………もちろん」 淡「ほんとに?」ジー 照「…………」メソラス 淡「まぁ、いいや。それできょーたろがねーー」 ーーーー ーー 京太郎(よし、決めた! これなら絶対に喜ぶ!) 京太郎「淡!」 淡「却下」 京太郎「まだ何も言ってないのに!?」 淡「どうせ美味しいものでも食べようっていうんでしょ?」ジト 京太郎「……そ、そんなことないぞ?」アセアセ 京太郎(なんで分かるんだ!?) 淡「そう?ならなに?」 京太郎(えっ……やばい……) 淡「きょーたろ、何してくれるの?」ニヤニヤ 京太郎(……仕方がない、こうなれはやけだ!) 京太郎「…………」アゴニテヲヤル 淡「えっ?」 京太郎「んっ……」 淡「っ!? ちょ……んっ」 京太郎「…………」 淡「きょ……す、すと……」ジタバタ 京太郎「……ぷはっ」 淡「はぁ……はぁ……」ゼーゼー 京太郎「これでどうだ?」ドヤッ 淡「……な、な、な」カァァ 淡「何すんのよ!しかも人前で!」カオマッカ 京太郎「喜びそうなことだ」←やけくそ 淡「な、なんでこれで喜ぶと思うのよ!」 京太郎「だって、淡は強引にされるの好きだろ?」 淡「っ!////」 京太郎「あれ?まじ?」 淡「!?」 京太郎「正直にいうと、図星をつかれてヤケクソでキスしました。反省はしていない」ドヤッ 淡「…………」プロプル 京太郎(あ、これはまずいな……) 淡「きょーたろのばk……!?」 京太郎「…………」ギュッ 淡「ちょ、だ、だから!さっきからなんなの!?////」 京太郎「…………」ギュッ 淡「……な、なんか言ってよ////」 京太郎「……淡が悪いんだぞ?」 淡「……な、なんでよ」 京太郎「淡が可愛い過ぎるから」 淡「っ!?////」 京太郎「だから、反省はしてない。またしたくなったらするから」ギュッ 淡「あ、え、そ、その////」プシュー 京太郎「強引なのが好きなんだろ?」ボソッ 淡「……そ、そんなこと……」プイッ 京太郎「……淡」 淡「…………」コクリ 京太郎「…………」ナデナデ ーーーー ーー 淡「ーーだったの!きょーたろって意外に大胆だよね」キャーキャー 照「……そうだね」 淡「それからそれから!」 菫「……淡、向こうの卓が空いたから入ってこい」 淡「えぇー!ここからが面白いのに!」ブーブー 菫「須賀がお前と打つの楽しみにしてるぞ?」 淡「いってきます!」ピュー 菫「現金なやつだな……。照、大丈夫か?」 照「……大丈夫」 菫「ならいいが……」 センパーイ、センセイガヨンデマース 菫「っと、じゃあ私は行くぞ? 照も卓が空いたから入って打つんだぞ?」 照「……わかった」 センパーイ! 菫「今いく!」タタタッ 照「…………」 照「…………」 照「……彼氏か……」ボソッ 完 『お昼を口移しで食べさせあってた』 淡「…………」カチカチ 京太郎「うん?メール?」カチカチ きょーたろ、お昼一緒にたべよー 京太郎「…………」チラッ 淡「…………」ニコッ 京太郎「…………」カチカチ 屋上で待ち合わせしよう ーーーー ーー 淡「きょーたろ、おそーい!」ブーブー 京太郎「悪い悪い、モブに捕まってて」アセアセ 淡「それでも遅い。きょーたろのせいで風邪引きそうだよ」ガクガク 京太郎「それは悪かった……」 淡「……それだけ?」ジー 京太郎「……これでいいか?」ギュッ 淡「……えへへ♪」テレテレ 京太郎「あ、でもこれだと飯食えないな」 淡「えっ?それなら大丈夫だよ?」 京太郎「?」 淡「きょーたろ、そこに胡座かいて座って」 京太郎「お、おう」スワル 淡「そして、私が膝の上に座る♪」スワル 淡「それじゃあ、いただきまーす!」 京太郎「…………おい」 淡「うん?」モグモグ 京太郎「これだと俺が食べられないだろ……」 淡「……あっ」 京太郎「まじか……」 淡「ち、違うよ?忘れてたんじゃなくて!」オロオロ 京太郎「……じゃなくて?」ジー 淡「……私が食べさせてあげるから大丈夫!」 京太郎「……へー」 淡「ほ、ほら、あーん」ウインナーダヨー 京太郎(絶対に忘れてたよな……。あっ、そうだ)ピコーン 京太郎「……これじゃあなんか、いつも通りじゃないか?」 淡「へ?」 京太郎「いや、だから、これだと普段と何も変わらないと思わないか?」 淡「もしかして……飽きちゃったの!?」ガーン 京太郎「いやいや、飽きたりは絶対にしないから」ナデナデ 淡「うにゅ……じゃあ、なんで?」 京太郎「いや、新しい刺激って大事だと思わないか?」 淡「まぁ、それは思うけど。でも、何するの?大抵のことはしちゃってない?」キョトン 京太郎「いや、まだあるぞ?」 淡「?」 京太郎「口移しとか」ニヤッ 淡「…………えっ?」 京太郎「だから、口移しとか」 淡「…………」 淡「…………っ!////」ボンッ 京太郎(この反応が見たかった)ガッツポーズ 淡「え、えと、その!////」アセアセ 京太郎「うん?」ニヤニヤ 淡「だから、えっと……!」アワアワ 京太郎(……そろそろいいか) 京太郎「悪い、淡。じょーー」 淡「きょ、きょーたろが!その、やりたいって言うなら私は……いいよ?////」 京太郎「」 淡「……」パク 淡「はい、きょーらろ」ウーン 京太郎(あっれー?)ボーゼン 京太郎「え、えーと……」 淡「きょーらろ、はふかひいから……はやふ////」カァァ 京太郎「んっ」パク 淡「んっ……」チュッ 京太郎「…………」モグモグ 淡「ど、どうだった?////」 京太郎「うん?もちろん、おいしいぞ?」 淡(いつもより甘かったような……気のせいだよな) 淡「あ、いや、そうじゃなくて////」 京太郎「?」 淡「じょ、上手にできてた?////」カァァ 京太郎「……ぶはっ!」ハタヂ 淡「えっ、きょーたろ!?大丈夫?」アセアセ 京太郎(いっけね……変なこと想像した……////) 淡「だ、大丈夫?顔赤いし……」 京太郎「だ、大丈夫だ。鼻血は男の健康の印だからな」 淡「?」キョトン 京太郎「ほら、続き食べようぜ?」 淡「うん……」チラッ 京太郎「…………」モグモグ 淡「…………」チラッチラッ 京太郎「えっと、なに?」 淡「っ!な、なんでもない!」アセアセ 京太郎「なんでもなくないだろ?そんなにチラチラみて」 淡「う、うぅ……」ナミダメ 京太郎「ほら、遠慮すんなって」ナデナデ 淡「……えっと」 淡「わ、私にも口移し……してほしいな////」 完 『男女合同体育のあと二人で体育倉庫へGoしてた』 体育中。 淡「…………」ムスー 淡(……最近、部活ばっかりできょーたろと遊べてない) モブ「…………」アセアセ 京太郎「♪」 淡「……」イライラ 淡(なのに、きょーたろはなんともなさそうだし!) モブ「……す、須賀!」アセダラダラ 京太郎「うん?」 モブ「ど、どうにかしろ!」ナミダメ 京太郎「……なにを?」 モブ「大星さんの機嫌をだよ!」 京太郎「……なんで俺に言うんだ?」アセアセ モブ「なんで?一つしかないだろ!」 京太郎「!」 京太郎(もしかして、バレてる?) モブ「二人とも体育委員だろ!?」 モブ他「……アホや」 京太郎「……」 京太郎(なんだ……)ホッ 京太郎「あぁ、努力してみるよ」 授業後。 先生「おーい、須賀、大星」 京太郎「はい」 淡「はい」ムスー 先生「……えっと、大星?どうかしたか?」アセアセ 淡「べつに……」 先生「そ、そうか?えっと、二人は体育委員だろ?だからこの道具を倉庫に片付けておいてほしいんだ」 淡(……これ、使える?) 京太郎「えっ、そのくらいなら俺一人でやりますよ?」 先生「そうか?まぁ、女の子に力仕事は駄目だもんな」アハハ 京太郎「ですね」アハハ 淡「……私も手伝う」ボソッ 先生・京太郎「え?」 淡「だから、私も手伝うって言ったの!」 先生「っ!」ビクッ 京太郎「あわ……大星さん?別に無理しなくてもいいんだぞ?」 淡「いいの!私がやりたいって言ってるんだから!ですよね、先生!」 先生「私も2人でやるべきだと思うぞ?」 京太郎(こいつ……) 体育倉庫 京太郎「なぁ、淡?」オドオド 淡「何?須賀くん」 京太郎「えっ……」 淡「……須賀くん、まだ片付け終わってないよ?」 京太郎「……あ、はい」 ーーーー ーー 京太郎「これで終わりか?」 淡「これで終わりだね」 京太郎(さぁ、早く着替えて飯にするか) ピシャッ 京太郎「へ?」 淡「…………」 京太郎「え、えーと、淡さん?なんで閉めたんですか?」 淡「…………」テクテク 京太郎「…………」アセダラダラ 淡「……」ギュッ 京太郎「……へ?」 淡「……やっと」 淡「やっと2人っきりになれた」ギュッ 京太郎「……淡」 淡「最近、部活ばっかりで2人っきりになれなかったから……」 京太郎「それでここに?」 淡「……2人っきりになりたかったんだもん。悪い?」ジト 京太郎「……いえ、まったく」 淡「なら問題ないね」ギュッ 京太郎「あ、でも汗かいてるのにいいのか?」アセアセ 淡「……っ!」バッ 淡「ご、ごめん……その////」 京太郎「悪い、臭かったよな」 淡「え?そんなことないよ?」 淡(むしろいい匂いだったし……) 京太郎「えっ?じゃあ何で離れたんだ?」 淡「……私も、その、いっぱい汗書いちゃったから////」 京太郎「……なるほど。俺は気にしないぞ?」 淡「私が気にするの!////」 京太郎「……」ギュッ 淡「!? ちょ、きょーたろ!ダメ!」アセアセ 京太郎「…………」スンスン 淡「ちょっ!や!ダメだって////」ジタバタ 京太郎「いい匂いだぞ?」 淡「そういう問題じゃないんだってば////」 京太郎「汗かいてても、土とかでドロドロでも俺は構わないよ」 淡「うぅ……////きょーたろ、変態過ぎる////」カァァ 京太郎「淡の彼氏だからな」 淡「……それ、私も変態みたいじゃない?」ジト 京太郎「淡も変態だろ?」 淡「違うわよ!」 京太郎「本当か?」ニヤッ 淡「……なによ」 京太郎「…………」チュッ 淡「!?な、ななな!////」 淡「んっ、や、やめ!首……弱いんだから……んっ」 京太郎「……少ししょっぱいな」 淡「た、体育の、後なんだから……んっ、だ、だめぇ……」 京太郎「…………」ペロ 淡「……っ」ビクッ 京太郎「……可愛いよ、淡」チュッ 淡「んっ!きょ、きょーた、ろ……や、やめ……」ペタン 京太郎「うん?どうした?」ニヤニヤ 淡「あ、足に力、入らなくなっちゃった……」 京太郎「そっか」ジリジリ 淡「……それ以上近付いたら怒るよ?」 京太郎「体育倉庫に連れ込んだのは淡だろ?」 淡「っ!」 京太郎「淡も少しは期待してたんだろ?」 淡「そ、そんなこと……////」 京太郎「んっ」チュッ 淡「んっ、きょーたろ……」チュッ 京太郎「……やっぱり淡も変態だな」 淡「……違うもん」プイ 京太郎「そういう割には抵抗しないんだな」 淡「…………」カァァ 京太郎「淡……」グッ 淡「きょーたろ……」ドサッ 京太郎「……いいか?」 淡「……聞かないでよ、ばか……////」 京太郎「淡……」 淡「きょーたろ……」 モブ「大星さん、須賀くん、います?」ガラッ 京太郎・淡「!?」 完 『二人きりで仲良くダーツしてた 』 淡「きょーたろ、どこにする?」ワクワク 京太郎「うーん……。候補が多すぎて困るなぁ」 淡「だよねー」グデー 京太郎「上は北海道から下は沖縄まで。行きたい所が多すぎて選べん」 淡「でも、早く予定立てないと泊まれる場所なくなっちゃうよ?」 京太郎「だよな……。高校生2人の旅行だと泊まれる場所は限られちゃうし」 京太郎・淡「うーん……」 数分後。 淡「ダーツで決めよう!」キリッ 京太郎「……どこの番組だよ……」 淡「えぇー……いいじゃんいいじゃん」ブーブー 京太郎「まぁ、いいけどさ……」 淡「じゃあ、早速やるよー」 世界地図 京太郎「……淡さん?」アセダラダラ 淡「うん?」キョトン 京太郎「……俺たちはどこに行くつもりですか?」アセダラダラ 淡「国境まで越えてみせようよ!」 京太郎「いやいや……海外は無理だろ……」 淡「まぁまぁ、とりあえずやってみよ!えいっ」 京太郎「……」 淡「どこになった?」 京太郎「えっと……アルジェバイジャン?」 淡「えっと、どこそれ……」 京太郎「さぁ?」 候補1 アルジェバイジャン 淡「あと二回くらいやるよー」 京太郎「頼むから次は日本地図にしてくれ……」 淡「分かってる♪えいっ」 京太郎「……」 淡「きょーたろ、今度はどこ?」 京太郎「……太平洋だな、それ以上説明できん」 淡「……島ですらないじゃん……」 京太郎「……次、決めるか」 候補2 太平洋(真ん中辺り) 淡「あんまり候補が多くてもあれだから、次が最後!」 京太郎「……だな」 京太郎(今の所、まともな旅行先ないけどいいのだろうか……) 淡「3度目の正直!えいっ」 京太郎「……あっ」 淡「ど、どこになった?」 京太郎「……信濃川だな」 淡「信濃川?」 京太郎「……あぁ」 候補3 信濃川 京太郎「さぁ、どこに行こうか」 淡「京太郎はどこがいい?」 京太郎「……いやいや、信濃川以外にまともな旅行先ないじゃん!」 淡「えぇー、少し冒険してみようよ!」 京太郎「頼むからこんな時に芸人魂もたないでくれ……」 淡「誰が芸人よ!」プンスカ 京太郎「せっかくの旅行だしさ、良い思いで作りたいだろ?」アセアセ 淡「まぁ、そうだけど」ブーブー 京太郎「……じゃあ、逆に淡はどこか行きたい所あるか?」 淡「そうだね……。海外とか行ってみたい……あっ」 京太郎「うん?どうかした?」 淡(たしか、きょーたろの実家って) 淡「ね、ねぇ」 京太郎「うん?」 淡「そ、そのきょーたろの実家って、信濃川ちかい?////」 京太郎「近くはないな。まぁ遠くもないけど」 淡「そ、そっか」ソワソワ 京太郎「?」 淡「……決めた。信濃川にする」 京太郎「まじか。まぁ淡がそれでいいなら構わないけど。俺もあそこなら案内できるし」 淡「……うん」 京太郎「じゃあ、次は宿決めないとな」 淡「あ、そ、そのこと、なんだけどさぁ……」オドオド 京太郎「うん?」 淡「……い、良い機会だし、きょーたろの実家に行きたいなぁ////」 完? 【番外編】長野旅行編! 『前日、そして待ち合わせ!』 淡宅 淡「……着替え持った、洗面道具持った、パジャマ持った、お金も……よし!」 淡「明日からきょーたろと旅行かぁー。楽しみ過ぎて寝れないかも」クスッ 淡「きょーたろも今頃同じこと考えてるのかな?」 淡「……そうだといいなぁ」 京太郎宅 京太郎「荷物は……これでいいか。あとは向こうにあるし」 京太郎「よし、明日も早いし寝るか!」 京太郎「……親に淡のこと聞かれるのが面倒だな……」 ーーーー ーーー ーー 当日。最寄り駅ホーム 淡「むぅー、おはよぉー」ウトウト 京太郎「おはよう……って淡?どうしたんだ?」 淡「……き、昨日あんまり寝れなくて」メゴシゴシ 京太郎「なんだ?もしかして、俺と2人っきりで旅行できるのが楽しみで興奮して寝れなかったのか?」ニヤニヤ 淡「……うん」 京太郎「えっ?」 淡「……なによ」 京太郎「あ、いや、なんでも?」アセアセ 淡「絶対子供とか思ったでしょ?」プクー 京太郎「ないない!」 淡「どーせ子供ですよーだ」プイッ 京太郎「ほ、ほんとに思ってないって」アセアセ 淡「ふん」ツーン 京太郎「……」 淡「……」チラッ 京太郎「……」 淡「……」チラッチラッ 京太郎「……淡?」 淡「……ふん」ツーン 京太郎「……ごめんな」ナデナデ 淡「……なにがごめんなの?」ジト 京太郎「子供扱いして」 淡「……ほんとだよ。私、子供じゃないもん!」プンプン 京太郎「ごめん」ナデナデ 淡「んっ……ど、どーしよっかな?」 京太郎「……どうしたら許してくれる?」 淡「うーん……。ぎゅってしてほしいな」 京太郎「え゛っ」 淡「……なに?」ジト 京太郎「……ここでか?」 淡「そうだよ?」 京太郎「人が多いっていうか……微妙に同級生とかいるだが……」 淡「……だ、だから?」 京太郎「か、隠すんじゃなかったのか?」 淡「……もう、モブ達にはバレてるし……今更じゃない?」 京太郎「そ、それはそうだけど……」 淡「私に許して貰うのと皆に隠すのとどっちが大切?」 京太郎「淡に許してもらうことだ」キリッ 淡「なら、はい!」 京太郎「……わかったよ」ギュッ 淡「……きょーたろ暖かいね」 アノフタリ、マタヤッテルヨー 京太郎「そ、そうか?」 淡「うん」ギュッ 京太郎「……そっか」 淡「♪」 京太郎「……」 淡「……」 京太郎「……なぁ?」 淡「うん?」 京太郎「……いつまで抱きしめてればいいんだ?」 淡「きょーたろの判断に任せようかな?私が許してくれたと思ったら離していいよ?」ギュッ 京太郎「……そうするといつまでも離せないんだが」 淡「ふーん。私ってそんなに根に持つタイプに見える?」 京太郎「いや、ただ俺がこうしていたいだけ。だから暫く許さなくていいや」 淡「……ばか」 京太郎「そうそう、俺は馬鹿だぞー」 淡「もう……」タメイキ 淡「お望み通り、しばらく許してあげないから♪」ギュッ 『電車内。そして到着』 淡「♪」 京太郎「本当に楽しそうだな」 淡「当たり前だよー。だって長野だよ?旅行だよ?楽しいに決まってるじゃん♪」 京太郎「でも、向こうは寒いぞ?」 淡「大丈夫大丈夫!私、こう見えても寒さに強いんだよ?狐さんだよ?」 京太郎(淡は狐っていうより猫だと思うが……) 淡「それに……」 京太郎「それに?」 淡「さっきも言ったけど、京太郎と行く初めての旅行だから////」 京太郎「恥ずかしいなら言わなきゃいいのに」 淡「いいでしょ!減るもんじゃないんだから」プンプン 京太郎「怒らない怒らない」ナデナデ 淡「……ナデナデすれば何でも許されるって思ってない?」ジト 京太郎「…………」ギクッ 淡「いつも私を怒らせたら頭撫でてるよね?」ジト 京太郎「そ、そんなことないぞ?」アセアセ 淡「……言っておくけど、私はそんなに単純じゃないよ?」ジト 淡「怒るときは怒るんだからね」 京太郎「…………」ジー 淡「……な、なによ」 京太郎「……淡って髪綺麗だよな」 淡「……へっ?」 京太郎「それに肌も綺麗だ。柔らかいし」 淡「ちょ、ちょ!いきなりなによ!?」カァァ 京太郎「いや、思ったことを口にしただけだが?」 淡「き、急にそんなこと言わないでよ////」 京太郎「淡、顔真っ赤だな」クスクス 淡「きょーたろのせいでしょ!」ムキー! 京太郎「ごめんごめん」ナデナデ 淡「もう!……うにゅ」フニャン 京太郎「…………本当、淡と付き合えてよかったよ」 淡「私もきょーたろと付き合えてよかった////」 京太郎「これからもよろしくな」 淡「うん♪」 京太郎「…………」 淡「……あれ?そういえば何でこんな話になったんだっけ?」キョトン 京太郎「……さぁ?」 淡「なんか言ってた気がするんだけどなー?」ウーン 京太郎「たぶん、忘れるくらいだから大したことじゃねぇよ」 淡「……だね♪あ、きょーたろ!お昼食べよーよ。私お腹すいちゃった」 京太郎「そうだな」 京太郎(ちょろいな……) ーーーーーー ーーーー ーー 長野到着。 淡「……さ」 京太郎「さ?」 淡「寒い!」ガクガク 京太郎「えぇー」 淡「なんでこんなに寒いの!?」 京太郎「な、長野だからかな?」 淡「うぅ……」ガクガク 京太郎「……狐じゃなかったのか?」 淡「っ!……そ、そうだよ?な、なんともないよ?」ガクガクブルブル 京太郎「……」 淡「……な、なによ」ナミダメ 京太郎「これでも着ろよ」 (コートを羽織らせる) 淡「あ、ありがとう……。でも、京太郎はいいの?」 京太郎「あぁ、俺は狐だからな」ニヤッ 淡「その話はもういいでしょ!」 京太郎「……さて、実家に荷物置きにいくか」スタスタ 淡「ちょっと!無視しないでよー!」ムキー 『実家と主』 京太郎宅前 淡「……すー、はぁー」 京太郎「……そんなに緊張しなくてもいいんだぞ?もっと気楽に」アセアセ 淡「そ、そそそ、そだね!よ、よし、いきょう!」 京太郎「…………」 淡「…………」 京太郎「……どうする?」 淡「……もう少し時間ください」ドゲザー 京太郎(麻雀で大将やったときですら緊張なんてしてなかったのになぁ……) 淡「……きょーたろぉ」ウルウル 京太郎(どうしてこうなるんだ……) 京太郎「……ほら、いくぞ?」テヲツカム 淡「えっ!まって、まだ心の準備がぁあああーー」 京太郎「そんなのいつまで経ってもできないだろ?ほら、いくぞ」グイグイ 淡「あーうぅーー……」ズルズル 京太郎「ただいまー」ガラガラ 母「あら、お帰りなさい。早かったわね」 京太郎「あぁ、なんかバスがすぐ来たから思ったより早くついた」 母「そうなの♪……それで?」 京太郎「うん?」 母「だから、京太郎の言ってた女の子よ♪」 京太郎「…………」チラッ 淡「……」コソコソ 母「あら?京太郎の後ろに隠れちゃって……どうかしたの?」 京太郎「……緊張してるんだよ」 母「そうなの?可愛いわねぇ♪」 京太郎「……ほら、淡?」マエニダス 母「あら、綺麗な子じゃない」 京太郎「ほら、淡」 淡「……は、はじめまして!きょーたろさんとお付き合いさせてもらってる大星淡といいまちゅ!」 京太郎「…………」 淡「……////」カァァ 母「……ぷっ」クスクス 京太郎・淡「?」 母「ごめんなさいね、あなた達を見てると昔の私達を思い出しちゃって」クスクス 京太郎(……嘘付け) 母「えっと、淡ちゃん?」ホホヲツネル 京太郎「いててて!」ジタバタ 淡「は、はい!」 母「京太郎の母の○○です。今日はわざわざ遠くからありがとうね」グググ 京太郎「ご、ごめんって!」 淡「い、いえ!こちらこそありがとうございます!」ペコッ 母「狭いところだけどゆっくりしていってくださいね?」テヲハナス 淡「あ、はい。ありがとうございます!じゃ、じゃあお邪魔します」 京太郎「……あぁ、ちぎれるかと思った……」ホホヲサスル 客間 母「今お茶持ってくるから炬燵でも入ってくつろいでてくださいね」 淡「ありがとうございます……暖かい♪」モゾモゾ 京太郎「ふぅ……」 淡「?きょーたろ、どうかした?」 京太郎「あ、いや。母さんに淡のこと聞かれるじゃないかって身構えてたからさ」 淡「そ、そっか」テレテレ 京太郎「なんで嬉しそうなんだよ……」 淡「♪」 京太郎「まぁいいや。とりま、親の前でノロケとか無理だからな。安心したよ」 母「そんなこと心配してたの?大丈夫よ?これから沢山聞くから♪」 京太郎「どわぁあ!」 淡「っ!」アワアワ 母「もう、落ち着きのない子ね」タメイキ 京太郎「母さんのせいだろ!」 母「それで?2人はいつからお付き合いしてるの?」ワクワク 京太郎「聞いてねぇし!」 淡「え、えっと、その……」 京太郎「淡はそういうの聞かれるとオーバーヒートするからーー」 淡「えっと、さ、3ヶ月前です////」 京太郎「答えるの!?」 母「あら、まだ最近なのね♪羨ましいわ」 淡「い、いえ」カァァ 母「あら、顔真っ赤にしちゃって可愛いわねー♪」 京太郎「……」 京太郎(この流れは……まずい) 母「京太郎、あなたどうやってこんな可愛い子を落としたの?」 京太郎「……成り行きだよ。もういいだろ?ほら、この話は終わり!」 淡「……」カァァ ウツムキ 母「成り行きであんたみたいな子にこんな可愛い子が付き合ってくれるわけないでしょ!?なにしたの!」 京太郎「ひどい言い草だな!なにもしてねぇよ!」 淡「え、えっと!」アワアワ 母「うん?どうかした?」 淡「その、きょーたろが、私を不良から守ってくれたのがきっかけです////」 京太郎「!?」 母「またベタな展開ね」 京太郎「あ、淡さん?」アセアセ 母「それでそれで?どっちから告白したの?」メキラキラ 淡「き、きょーたろから……うにゃ////」プシュー 京太郎「ちょ、やめ!」 母「あら意外。どんなシチュで告白されたの?」 淡「えーと、教室でーー////」 京太郎「いい歳してシチュとか言うな!そして淡も答えるな!」アセアセ 母「教室で?」ワクワク 淡「教室でいきなり抱きしめられて『オレのオンナになってくれ』って////」 母「あら素敵じゃない♪」 京太郎「」 母「それで、淡ちゃんはなんて返事を?」 淡「えっと、『私でよければ』って」カオマッカ 母「そしてそこでキス?」 淡「えっ!?き、キスはそこではしてないです!」アセアセ 母「もったいない……なかなかないシチュエーションよ?」 淡「あ、あの時は……その、告白だけでスッゴく嬉しかったので////」カァァ 母「じゃあキスはいつ?」 京太郎「!?」 淡「え、えっと」アセアセ 京太郎「ストープッ!」 (淡の口を手で覆う) 淡「先週ーーわっ!」グラッ 京太郎「ご、ごめん大丈夫か?」 淡「……いったーい」アタマサスル 京太郎「悪い……って?」 淡「……へ?」 母「あらあら、京太郎も一人前の男になってたのね♪」 京太郎「…………」 (淡を押し倒している構図) 淡「……」 (京太郎に押し倒されている構図) 淡「あ、ちょ、その!」アワアワ 京太郎「すまん、事故だ!」アセアセ 母「でも、時間にしては早いわよ?まぁ、止めないけど♪」 京太郎「違うからな?つか、どう見ても事故だろ!?」タチアガル 母「ごゆっくりー」 京太郎「だから違うっての!」 淡「……きょーたろに、お、おおお押し倒されて……きゅー////」ボフンッ 『母は出かけて……』 淡「うーん……」ゴロ 京太郎「おっ、起きたか?」 淡「……あれ、わたし……」ゴシゴシ 淡「……なんで京太郎に膝枕してもらってるの?てか、あれ?なんで寝てるの?」キョロキョロ 京太郎「……オーバーヒートして気失ってたんだよ」 淡「……あ、あぁー、京太郎に押し倒されて気失っちゃったんだ、私……」 京太郎「大変申し訳なかった」ハンセイ 淡「……別に怒ってないよー。事故だもん♪少し恥ずかしかったけど////」 京太郎「……俺もすっごい恥ずかしかったからお互い様だな」 淡「だね♪……ところで、お母さんは?」キョロキョロ 京太郎「あ、あぁ、母さんなら買い物に出かけたぞ?18時ちょうどに帰ってくるってよ……」 淡「?なんでそんなに時間を強調したの?」キョトン 京太郎「……さぁ?」 淡「まぁ、いっか。他に何か言ってなかった?」 京太郎「…………」 ーーーーーー ーーーー ーー 京太郎「おーい、淡?おきろー」ペシペシ 母「疲れもあるだろうし寝かせてあげなさいよ」 京太郎「まぁ、そうだけどさ……淡のことだから夜寝れなくなったりするかもだし」 母「夜寝るつもりなの?」 京太郎「おい……どういう意味だ」 母「……さーてと、可愛い淡ちゃんのために信州そばでも作ろうかしら♪」 京太郎「話を聞けよ……」 母「あら、材料足りないわね。京太郎、お母さん買い物行ってくるわね」 京太郎「……はぁ。おう、いってらっしゃい」 母「18時ちょうどに帰ってくるからそれまでに片づけておくのよ?」 京太郎「だからどういう意味だ!」 母「じゃあ行ってくるわねー」ガラガラ ピシャッ 京太郎「あ、待てって!」 ーーーーー ーーーー ーー 京太郎「…………」 淡「……きょーたろ?」 京太郎「な、何も言ってなかったぞ?」アセアセ 淡「そ、そう?ならいいんだけど」 京太郎「お、おう」アセアセ 淡「……」 京太郎「……」 京太郎(やっべ、母さんが変なこと言うから変に意識してるぞ俺……) 淡「……きょーたろ」 京太郎「な、なんだ!?」 淡「今何時かわかる?」 京太郎「……へっ?17時半過ぎだけど?」 淡「そ、そっか////」 京太郎「?」 淡「……ならあと30分は、その、2人っきりってことだよね?」カァァ 京太郎「!?」 京太郎(まさか、これって……) 淡「じゃあさ……」 京太郎「は、はい!」ドキドキ 淡「しばらくこのままでいいかな?////」 京太郎「……はい?」 淡「だから!その、膝枕しててくれない?////」 京太郎(……ですよねー。分かっていたさ。だいたい純情な淡に限ってそれはないよな) 京太郎「あ、あぁ、俺の膝でよけでばいくらでも」 淡「ありがと♪」 淡「きょーたろの膝枕、柔らかくて暖かい♪」 京太郎(かわいい……) 京太郎「…………」ナデナデ 淡「にゃ!?」ビクッ 京太郎「あ、ごめん」 淡「あ、こっちこそごめん。急だったから驚いちゃって」 京太郎「じゃあ、次からはちゃんと聞いてからにするな?」 淡「うん♪」ニパー 京太郎「じゃあ早速。淡、撫でていいか?」 淡「いいよー」 京太郎「……」ナデナデ 淡「うにゅ……きょーたろのナデナデ気持ちいい♪」 京太郎「それは良かった」ナデナデ 淡「♪」ニャーニャー 京太郎(あわいい……) 『信州そば』 母「淡ちゃん、味の方はどうかしら?」 淡「あ、はい!すっごく美味しいです!」 母「それはよかったわ♪まだ沢山あるから食べてね」 淡「ありがとうございます♪」 京太郎「…………」モクモグ 母「京太郎、どうかしたの?」 京太郎「いや……淡のこと気に入ってもらえてよかったなぁーって思って」 母「あら、そんなこと気にしてたの?」 京太郎「……一応な」プイッ 淡「きょーたろ……」ジーン 母「もう、文句あるわけないでしょ?こんな良い子なのよ?」 母「しかもこんなに可愛いのよ?やっこいのよ?気に入らない要因がないわよー」ダキッ 淡「にゃ!?」ビクッ 母「私って昔から娘がほしかったのよー。だから娘ができたみたいで嬉しいわ♪」ナデナデ 淡「んっ……ちょ……」ジタバタ 京太郎「淡……遠慮はいらん。しっかりした人間関係を築くには拒絶も大事だぞ?」 母「……あら、ごめんなさいね。可愛いからつい」パッ 淡「あ、いえ。ただ急だったので」アセアセ 京太郎「まだその癖治ってないのか?」 母「そうなのよー♪」テレテレ 京太郎「……」イラッ 淡「……癖?」 京太郎「あぁ、昔から気に入った可愛いものに抱きつくんだ。執拗にな」 淡「そ、そうなんだ……」 京太郎「だから我が家で唯一、カピに好かれてないんだ」 淡「へ、へー……」 母「もう、そんな言い方しなくてもいいのに」プンスカ 京太郎「…………」イラッ 母「淡ちゃーん、沢山あるからどんどん食べてねー」 淡「へ?あ、はい。ありがとうございます」ペコッ 食後。 母「京太郎、淡ちゃん、お風呂沸いたから先にどうぞ?」 淡「え?お母さんが先に入ってください。私は最後でいいので」アセアセ 母「あら、お母さんだなんて♪もうその気なのね♪」 淡「っ!」カァァ 母「もう、可愛いわね」ナデナデ 淡「あ、あうあう……」カオマッカ 母「淡ちゃん、今日は長旅で疲れてるでしょ?だから先に入って疲れをいやしてちょうだい♪」 京太郎「淡、母さんがこう言ってるだし」 淡「あ、うん。じゃあお言葉にあまえて」 母「はい。2人とも、ごゆっくり♪」 淡「はい。ありがとうございま……うん?」 京太郎「……なぁ、母さん」 母「なに?」 京太郎「その言い方だと、一緒に入るみたいに聞こえるんだが……」 母「えっ……入らないの?」キョトン 京太郎「はいらねぇよ!」 淡「……」カァァ 母「……2人は付き合ってるよね?」 京太郎「……あぁ」 母「3ヶ月目よね?」 京太郎「……そうだよ」 母「……」 京太郎「……なんだよ」 母「……なんで入らないの!?」 京太郎「文脈おかしいだろ!3ヶ月目と風呂がつながらねぇよ!」 母「……あはっ♪」 京太郎「」 淡「き、きょーたろと……お、おおお、お風呂って……////」プシュー 京太郎「あ、淡、落ち着け!母さんの達の悪い冗談だ!」 母「まぁ、それは2人にまかせるわ!私は部屋にいるから終わったら呼びにきて」ジャーネー 京太郎(散々言っていなくなりやがった……) 京太郎「……」 淡「……」ウツムキ 京太郎「……」チラッ 淡「……」チラッ 京太郎「っ!」メソラシ 淡「っ!////」メソラシ 京太郎・淡(き、気まずい!) 『須賀家の伝統』 京太郎「ふぅー、なんか疲れたな」 京太郎「……成り行きで先に風呂入ったけど、よくよく考えたら淡を先に入れるべきだったな……」 京太郎「早くあがって淡に変わってやろう」ザパー コンコン 京太郎「うん?」 淡「き、きょーたろ?」 京太郎「あ、淡!?どうかしたか?」アセアセ 京太郎(まさか、入ってくる訳じゃなよな?) 京太郎(……いやいや。淡に限ってそんなことするわけないか。あの純情の淡に限ってそんなこと……) 京太郎(いやまて、逆にか!?逆にくるのか!?) 妄想タイム。 淡「し、失礼しまーす////」 京太郎「……どうした?」 淡「そ、その……きょーたろの背中を流そうかなって……」カァァ 京太郎「……なんでだ?」ニヤニヤ 淡「なんでって……分かってるくせに……////」 京太郎「淡の口で言ってもらいたいんだ」 淡「う、うぅ……////きょーたろのばか……」カオマッカ 京太郎「……ごめん、冗談だ」 淡「むぅー」 京太郎「ごめんって」クルッ 淡「ッ!?だ、駄目!こっち向いちゃ駄目!」グイッ 京太郎「なんでだ?」 淡「今、タオル一枚だから……恥ずかしいよ……////」 京太郎「……淡は俺の裸を見ているのに俺はタオル一枚の姿すら見ちゃいけないのか?」 淡「っ!……駄目!今見られたら恥ずかしくてきょーたろの顔見れなくなっちゃうよ……////」 京太郎「大丈夫だって」クルッ 淡「だ、駄目!」グイッ 淡「見られたらもうきょーたろの顔見れなくなっちゃうよ?それでもいいの?」アセアセ 京太郎「それは困るな」 淡「でしょ?だからこっち見ちゃ駄目だよ?」 京太郎「りょーかい」 淡「……じゃあ、早速背中流すね?」 京太郎「おう、頼むよ」 淡「じゃあ、失礼します」ゴシゴシ 京太郎「もう少し強く擦ってもいいぞ?」 淡「え、そう?こう?」ゴシゴシ 京太郎「……もうちょい早く」 淡「こ、こう?」ゴシゴシ 京太郎「そんな感じ」 淡「ど、どう?気持ちいい?」ゴシゴシ 京太郎「あぁ、気持ちいいよ」 淡「よかった。初めてだったからさぁ」 京太郎「俺も初めてだから」 淡「だ、だよね」ゴシゴシ 淡「……え、えーと、痒いところまりますか?」ゴシゴシ 京太郎「それ、髪の毛洗うときじゃね?」 淡「べ、別にいいでしょ?////ほら、ないの?」 京太郎「とくにないかな?」 淡「はーい」ゴシゴシ 淡「はい、おしまい♪」 京太郎「サンキュー。じゃあ次は前を頼もうかな?」 淡「!?」 京太郎「え?」ニヤニヤ 淡「ま、まままま前!?」カァァ 京太郎「前だ」ニヤニヤ 淡「ま、前はその!洗おうとするときょーたろに見られちゃうっていうか!」アセアセ 京太郎「やってくれないのか?」 淡「うぅー」ナミダメ 妄想終了。 京太郎「淡、どうしたんだ?」 淡「えっと、タオルと着替え持ってきたの」 京太郎「……あぁ」 京太郎(そういえば忘れてた……) 淡「こ、ここに置いておくね?」 京太郎「おう、サンキュー」 京太郎(やっぱり妄想通りにはならないか) 淡「……じゃあ、失礼しますね?」ガラガラ 京太郎「おう…………えっ」 淡「し、失礼しまーす////」 京太郎「な、ななな、なにやっとんじゃー!」アセアセ 淡「そ、そんなに取り乱さないでよ。これも必要なことなんだから!」アセアセ 京太郎「意味が分からん!」アセアセ 淡「いいから!きょーたろは大人しく私に背中を流させて!」グイッ 京太郎「…………」ボーゼン 淡「じゃあ、始めるね?」ゴシゴシ 京太郎「…………」 淡「ど、どうかな?」 京太郎「……」 淡「な、なにか言ってよ……」 京太郎「……い、いい感じです」 淡「よかった♪」ゴシゴシ 京太郎(な、なんだこの状況……妄想した通りになってるぞ!?……いや、微妙に違うけどさ) 淡「はい、おしまい」 京太郎「……おう、サンキュー」 京太郎(実際にされると緊張するんだな……。妄想中の俺すげー……) 淡「じゃあ、次は……前」ボソッ 京太郎「……は?」アセダラダラ 淡「だ、だから、前!洗うの!」カァァ 京太郎「落ち着け。前はいい。自分でやる」 淡「だ、駄目!前もやるの!」 京太郎「なんでだ!」オロオロ 淡「わ、私達のためにだよ////私も恥ずかしいんだから我慢!」カオマッカ 京太郎「いやいや!」 淡「ほ、ほら!」 (京太郎の脇の下から手を伸ばす) 京太郎「あ、ちょ!」 コツン 淡「……へっ?」キョトン 京太郎「」 淡「……今、なにか硬いものにぶつかったような……」 京太郎「あ、淡!背中が痒くなってきたからもっかい流してくれないか!」アセアセ 淡「え?あ、うん。いいよ」ゴシゴシ 京太郎「…………」 京太郎(煩悩退散煩悩退散煩悩退散……) ーーーーーー ーーーー ーー 淡「は、はい、これでおしまい」カオマッカ 京太郎「お、おう」カオマッカ 京太郎「……」 淡「……」 京太郎(この沈黙がつらい……) 京太郎「……さ、さーて、もう一回使ったら上がろうかな?」 淡「そ、そうだね!ほら、早く入って入って」アセアセ 京太郎「お、おう!」チャポン 淡「失礼します」チャポン 京太郎「…………」 淡「…………」 京太郎「…………」アセダラダラ 淡「な、なにか言ってよ……////」 京太郎「……なんで入ってるんだ?」 淡「わ、私達のためだよ!」 京太郎「そ、そっかー」 京太郎(煩悩退散煩悩退散煩悩退散!ってできるかー!!!) 京太郎(背中に感じる柔らかい淡の肌!淡に背を向けているから分からないがたぶん背中!しかも裸!) 京太郎(つまり俺たちは裸同士で背中をくっつけているってわけでーー) 淡「き、きょーたろ?」オロオロ 京太郎「私は紳士です!」 淡「っ!」ビクッ 京太郎「あ、ごめん」 淡「う、ううん!大丈夫だよ!」 京太郎「そ、そっかー」 淡「……」 京太郎「……」 淡「……」 京太郎(この沈黙が耐えらんねー!!) 京太郎「な、なぁ!」 淡「は、はい!」 京太郎「その、なんで入ってきたんだ?」 京太郎(って!この質問しただろー!) 淡「え、えっと!私達のためだよ!」 京太郎「そ、そっかー。でもなんでこれが俺たちのためになるんだ?」アセアセ 淡「えっ?だって伝統なんでしょ?」 京太郎「……は?」 淡「え?」 京太郎「なんの伝統だ?」 淡「え?須賀家の伝統なんでしょ?」 京太郎「……なにが?」 淡「背中流したり、一緒に風呂に入るのが」 京太郎「…………」ポクポクポクポク 京太郎「…………」チーン 京太郎「あのクソばばぁ!」 『俺の母はこんな人です』 淡「…………」 淡(ど、どうしよう……) 淡(お母さんの冗談を真に受けちゃった私がいけないんだけど……だからって……////) 淡(き、きょーたろとお風呂……入っちゃって……) 淡「……////」カァァ 淡(きょーたろの顔、恥ずかしくてみれないよー!!)カオマッカ 客間。 京太郎「……なにか言いたいことは?」 母「そうね……。そろそろ、お風呂入りたいかな?」 京太郎「……」イラッ 淡「……////」ウツムキ 母「もぉ、お風呂くらいで顔真っ赤にしちゃう淡ちゃんかわいいわ!」ダキッ 淡「っ!」 京太郎「やめい」チョップ 母「あだ!」 京太郎「少しは反省しろ」 母「京太郎は細かいなぁー」ナデナデ 京太郎「細かくない!だいたい、年頃の男女を一緒に風呂に入れる親がどこにいるだ!」 京太郎「つか、なにさり気なく淡のこと撫でてんだよ!」 母「なに?やきもち?」 京太郎「ちがう!」 母「淡ちゃん、良かったわねー」ナデナデ 淡「……」プシュー 母「またショートしちゃった?本当に可愛いわね♪あわいいわ!」 京太郎「……はぁ」 母「ため息つくと幸せ逃げるわよ?」 京太郎「誰のせいだよ!」 母「もぉ、怒ってばかりだとシワできちゃうよ?」 京太郎「……」ボーゼン 京太郎(もう、いいや……) 母「さて、淡ちゃんがショートしちゃったから部屋に運ばないとね。京太郎、お姫様だっこで連れて行ってあげなさい」 京太郎「……」ダキカカエル 京太郎「……どこの部屋に運ぶんだ?」 母「元あんたの部屋」 京太郎「はいよ」 ーーーーーー ーーーー ーー 母「さて、淡ちゃんは寝ちゃったし、久々に親子みずみらずね!」 京太郎「……」 母「もう、ツンケンしちゃって♪可愛いのは淡ちゃんだけでいいのよ?」 京太郎「……」 母「……冗談が通じないわね」タメイキ 母「いつ以来かしらね。こうやって話すのは」 京太郎「そういうのはいい。本題は?」 母「あら、流石は私の子ね♪」 京太郎「……」 母「……京太郎」 京太郎「……なんだよ」 母「淡ちゃんとは真面目にお付き合いしてるの?」 京太郎「……あぁ」 母「そう。それを聞いて安心したわ。あの子、あんたには勿体無いくらい良い子だから大切にしてあげなさいよ?」 京太郎「分かってる」 母「ならいいわ」ニコッ 京太郎「……」 母「……」 京太郎「……えっ?」 母「?」 京太郎「それだけ?」 母「そうよ?」 京太郎「……」 母「さてと、私はお風呂入ってくるわね」 京太郎「……」 母「……京太郎」 京太郎「……なんだよ」 母「あなたなら分かってると思うけど、あなたはまだ子供よ?」 京太郎「……」 母「でも、体はもう立派な大人。働く事もできるし、子供だってその気になれば作れるわ」 京太郎「……」 母「京太郎、子供を産むってことはとても大変なの。子供に子供の親はできないの。だからーー」 京太郎「……」 母「作っちゃったらすぐに言いなさい?」 京太郎「……」 京太郎「…………は?」 母「だから、セックスして子供作っちゃったら言いなさいよ?」 京太郎「そういうことじゃなくて!普通、そうなる前にとめないか!?」 母「……あなた、16歳になって童貞なんて駄目よ?男失格よ?」 京太郎「あんたは親失格だよ!」 母「こんなにあなたの事を考えてるのに」ナミダホロリ 京太郎「」 母「さーて、お風呂入ってくるわねー」タタタッ 京太郎「…………」 京太郎「言いたいことだけ言って逃げやがった……」 京太郎「……まぁとりあえず寝るか。疲れたし。部屋行くか」 京太郎「……」 京太郎「あれ?俺、なんか忘れているような……」 『夜は長いわけで……』 自室。 京太郎「……忘れてた」 淡「んにゃ……」zzz 京太郎「どうしたものか……」 淡「ふにゅ……」zzz 京太郎「……仕方がない、ベッド占拠されちゃったしリビングでーー」 ガチャ。 京太郎「……あれ?」ガタガタ 京太郎「……なんで扉開かないんだ?」 母声「私が反対側からつっかえ棒をとりつけたからよ!」タタタッ 京太郎「」 京太郎「……母さん?悪ふざけもそこまでいくと……って、もういない……」orz 京太郎「……床に布団しいて寝れば問題ないよな?うん、問題ない」 淡「もぉ、たべられないよー……にゅふふ」zzz ーーーーーー ーーーー ーー 淡「……う、うーん」メゴシゴシ 淡「あれ、私ねちゃってた?」 淡「……そうだ、お母さんにからかわれてヒートしちゃったんだ……。またきょーたろに迷惑かけちゃった」ショボーン 淡「……てか、あれ?ここどこ?」キョロキョロ 淡「きょーたろの部屋かな?ポスターとか貼ってあるし」 淡「ってことはこのベッドもきょーたろの?」 淡「…………」 淡「……っ!////」ボフンッ 淡(な、何考えてるの私!////) 淡(だ、だいたい、きょーたろのだとしても、使ってたのは数ヶ月前だし!に、匂いとかするわけないじゃん!)カオマッカ 淡「…………」 淡「……」スンスン 淡「……や、やっぱりないかぁ!」ハハハ 京太郎「うーん……」ゴロン 淡「あ、ごめんね、きょーたろ。うるさくて」 淡「…………」 京太郎「……」zzz 淡「……へっ?」 京太郎「……」zzz 淡「……」 淡(なんで同じ部屋で寝てるの!?) 淡(え?え?どゆこと?)アセアセ 淡(先に寝たのは私だから、きょーたろが自らここにきた?) 淡「…………」 淡「……え、えっと」カァァ 淡(お、落ち着くのよ私!べ、別に何かあったわけじゃないんだから!と、ととととり乱すことはないよ!) 京太郎「……」zzz 淡「あ、あうあう////」キュー 淡「と、とりあえず、服に乱れた所とかないし!何もないよね!うん!」 淡「……」 淡「…………」 淡(……無防備に寝てたのに何もされないなんて……)ガーン 淡「……きょーたろのバカ」ボソッ 淡「……」 京太郎「……」zzz 淡「……バカ」ペシッ 淡「何で何もしないのよ」ペシペシ 淡「べ、別に私は……その、きょーたろがしたい、なら////」 京太郎「そうなのか?」 淡「っ!?」ビクッ 淡「き、きょーたろ!?お、おおおおきてたの!?」 京太郎「……」 淡「な、何か言ってよ……」ドキドキ 京太郎「……」zzz 淡「……へ?」 京太郎「……」zzz 淡「も、もしかして、寝言?」 淡「……」 淡「……本当は起きてるじゃないの?」ツンツン 京太郎「……う、うーん」zzz 淡「……今起きたら寝たふりしたこと許してあげるよ?」ツンツン 京太郎「……」zzz 淡「……ほ、本当に寝てる?」 京太郎「……」zzz 淡「……」 淡「よ、よかったー」 淡「もし、あ、あんなこと言ってるのきょーたろに聞かれたら恥ずかしくて死んじゃうよぉ」カオマッカ 淡「……」 淡「……なんで起きてないのよ」ペシペシペシペシ 淡「もぉ……」プンスカ 淡「……そういえば、きょーたろの寝顔見るのって初めてかも」 淡「授業中に寝てるのは見るけど、顔伏せてるからなぁー。……意外に可愛いかも♪」 淡「……」ジー 京太郎「……」zzz 淡「……寝てるんだよね?」 淡「なら、少しくらい……いいよね?」ゴロン (京太郎の横に寝転がる) 淡「……」 淡(きょーたろの顔、可愛いなぁ。普段はかっこいいけど♪) 淡(私、そんなきょーたろと付き合ってるんだよね) 淡「……にゅふふ」ニヤニヤ 淡「きょーたろ、大好きだよ」 チュッ 淡「……えへへ。きょーたろのセカンドキス勝手にもらっちゃった♪」 京太郎「うーん」ダキッ 淡「っ!」 淡「き、きょーたろ!?」オロオロ 京太郎「……」zzz 淡「ね、寝相悪いんだぁ、きょーたろ」 淡「……じゃなくて!きょーたろ、放してくれないとベッドに戻れないよ」 淡「……っ!ち、ちょ、きょーたろ、どこさわって、るの?」カァァ 淡「そんなとこ、やん、さ、触っちゃ、やぁ」 京太郎「……」zzz 淡「きょーたろ、や、やめ、んっ」 淡「っ!き、きょーたろ、首!首に息が、んっ」モゾモゾ 淡「だ、だめだって!そ、そんなに揉んだら……あん、だめだってばぁ」 淡「首、弱いんだからぁ////」 淡(ど、どうしよ……なんか変な気分になってきちゃった////) 京太郎「……」zzz 淡「はぁ、はぁ、き、きょーたろぉ……」 チュッ 淡「きょーたろぉ、んっ」チュッ 淡「……きょーたろぉ」ギュッ チュッ 淡「……ぜんぶ、き、きょーたろのせいなんだからね」チュッ 『まぁ、そうなるよね』 京太郎「……うーん、朝か」メゴシゴシ 京太郎「今何時……って、まだ6時か……これならもう少し寝られるな」ギュッ 京太郎「あぁ、やっぱり抱き枕っていいなぁー。暖かいし、柔らかいし……それに、なんかいい匂いがする」ギュッ 京太郎「…………」 京太郎「あれ?俺って抱き枕なんか持ってたけ?」チラッ 淡「……」zzz 京太郎「」 淡「……うにゅ」zzz 京太郎「……はっ!いかんいかんショートしてた」 京太郎「じゃなくて、なんで淡と同じ布団で寝てんだ!?」 京太郎「たしか、淡はベッドで寝てたはずだ……」 京太郎(……淡が布団に潜り込んできたってことか!?) 京太郎(つまり、それは……いやいや!まてまて!淡の事だからベッドから落ちて、みたいな落ちかもしれん!) 京太郎(あ、いやでも……万が一……そういう意図があったとしたら……) 京太郎「今からでもやるべき?」 京太郎「って!うなわけあるかー!!」 京太郎「仮にそうだったとして寝てる相手にとかありえねーよ!」 京太郎(煩悩退散煩悩退散煩悩退散煩悩退散……) 淡「……きょーたろぉ」ギュッ 京太郎「っ!?」 淡「……」zzz 京太郎「……な、なんだ、寝言か」ドキドキ 京太郎(しかし、淡に抱きつかれたせいで布団からでられなくなったな……) 京太郎「あ、淡さーん、手、放そうねー」ソー 淡「うーん、や……」ギュッ 京太郎「おうふ……」 京太郎(困った……) 京太郎「……どうするべきか」 京太郎「……」チラッ 淡「……にゅふ」zzz 京太郎「……」 京太郎(……かわいい) 京太郎「……」ナデナデ 淡「……♪」zzz 京太郎「……」ドキッ 京太郎「…………」キョロキョロ 京太郎「……べ、別に平気だよ……な?」 京太郎「は、初めてってわけじゃないしな!」 チュッ 京太郎「……寝てる彼女にキスするとか……」 京太郎「……もう一回してもいいよな?」 京太郎「……んっ」チュッ 淡「……んっ、うーん?」 京太郎「……あ」 淡「……きょーたろ?」ボー 京太郎「あ、淡、お、おおおはよう……」ドキドキ 京太郎(……もしかして、バレたか?) 淡「……おはよ」ニコッ 京太郎「っ……お、おう」 淡「もう……起きる時間?」メゴシゴシ 京太郎「え?あ、いや、まだ平気だぞ?」 淡「……そっかー、なら、もう……一眠り……」zzz 京太郎「……」 京太郎「俺って幸せだな」ボソッ 『長野観光!』 京太郎「…………」ダラダラ 淡「……」ツーン 京太郎「……えっと、淡さん?」 淡「ふんっ」プイッ 母「京太郎、あんた何したのよ……」 京太郎「え?別に何もしてないぞ?」 母「……」ジー 京太郎「な、なんだよ」 母「……」チラッ 淡「……」ツーン 母「……なるほどね」 京太郎「え?理由わかるのか!?」 母「大方の予想はつくわね」 京太郎「お、教えてくれないか?」 母「自分で考えなさい。……淡ちゃん?朝ご飯まで少し時間あるからそれまでこの辺見てきてら?」 淡「?」キョトン 母「京太郎の育った町よ?少し興味あるでしょ?」コゴエ 淡「っ!は、はい♪」 京太郎「?」 母「じゃあ、京太郎、案内してあげて。私はご飯つくるから」 京太郎「あ、あぁ……」チラッ 淡「♪……っ!ふ、ふんっ!」プイッ 京太郎(意味分からん……) ーーーーーー ーーーー ーー 京太郎「…………」テクテク 淡「…………」テクテク 京太郎(気まずい……) 京太郎「あ、淡?」 淡「……なに?」ムスー 京太郎「え、ええっと……ここが俺の通ってた小学校だ」 淡「っ!……へ、へぇー」 京太郎「家から近い所にあったからよく友達呼んで遊んだりしたんだよ」 淡「そ、そうなんだ」キョロキョロ 京太郎「校庭も広いし、よく野球とかサッカーとかやってたんだ」 淡「……きょーたろって運動とかやるんだ?」 京太郎「うん?まぁな。つか、俺ってスポーツとかやらない風に見えるか?」 淡「見えなくはないけど……文学部のイメージがあるかな?麻雀部だし」 京太郎「あぁ……でも、麻雀覚えたのって中3の後半だぞ?」 淡「知ってるよー。きょーたろは麻雀まだまだだもん♪」 京太郎「淡に言われたら言い返せない……。でも、俺だって少しずつだけど上手くなってるんだぞ?」 淡「ほんとかなー?」ニヤニヤ 京太郎「本当だって!そのうち淡にも追いついてやる!」 淡「ふーん♪ならあとで私と打たない?私千点スタートでいいからさ」 京太郎「……そこからひっくり返される自信あるわ……」 淡「きょーたろだもんね♪」 京太郎(良かった……機嫌よくなってくれたみたい) 淡「?どうかしたの?」 京太郎「うん?なんでもないぞ」 淡「そう?……あ、ここはなに?」 京太郎「あぁ、ここは俺の通ってた中学だな」 淡「へー。って、ここ小学校よりボロくない?フェンスとか穴あいてるじゃん」 京太郎「穴?……あぁ!これか。これ、俺が一年の時からあいてるんだよ。懐かしいなぁ。よく、ここから学校潜り込んだっけ」 淡「きょーたろ、悪ガキだったの?」 京太郎「いや、違うけどさ。夜の学校って楽しそうじゃん?」 淡「ざ、青春って感じだよね。夜の学校って」 京太郎「そうそう!よく警備の人に追いかけ回されてたっけ」 淡「見つかるなんてきょーたろもまだまだだね。私は見つかったことないよ?」 京太郎「淡もやってたのかよ。あと、見つかったのは俺のせいじゃないんだぞ?咲がどんくさくて毎回見つかるんだよ」 淡「っ!」ピクッ 京太郎「見つかるたびに次は大丈夫っていうから行くんだけどやっぱり捕まるんだよなぁー。あ、そういえば咲元気にしてんのか?」 淡「……」 京太郎「あとで挨拶だけでも行こうかな?淡ーー、あとで少し寄り道……ってあれ?」 淡「……」ツーン 京太郎「……あれ?」 淡(きょーたろのバカ……) 京太郎「えっと……淡さん?」 淡「……ふんっ」プイッ 京太郎(ふりだしに戻った……) ?「あれ?京ちゃん?」 京太郎・淡「!?」 咲「あ、やっぱり京ちゃんだ。帰ってたなら連絡してくれてもいいのに」 京太郎「咲!?どうしてここに?」 咲「どうしてって言われると困るけど……。なんとなくかな?」 京太郎「そうか。えって久々だな、元気にしてたか?」 咲「京ちゃんいなくなって寂しかったかな?」ボソッ 淡「っ!」 京太郎「?」 咲「なんでもない!えっと、京ちゃんは元気にしてた?」 京太郎「俺か?俺もぼちぼち」 咲「京ちゃんは相変わらずね♪えっと……それで、となりの子は?」 京太郎「うん?あぁ、紹介してなかったな。こいつはーー」 淡「初めまして。きょーたろの『彼女』の大星淡です」 京太郎(うん?) 咲「……え?えぇぇ!?きょ、きょきょきょ京ちゃん、彼女いるの!?」アタフタ 京太郎「えっと、まぁ」 咲(だ、大丈夫!まだ彼女止まり。結婚してるわけじゃないんだから) 咲「そ、そうなんだ……。えっと、こちらこそ初めまして。『幼なじみ』の宮永咲です」 咲「京ちゃんとは『ご近所さん』で本当に『小さい時』からの付き合いです」 淡「……へー」イラッ 京太郎(あれ?) 咲「淡ちゃん……だっけ?京ちゃんの事で聞きたいことあったら『なんでも』聞いてね?『知らないことない』から!」ドヤッ 淡「」ブチッ 京太郎「え、えーと……」ダラダラ 淡「お、お気遣いどうも♪なら早速聞いてみようかな?きょーたろってどんな音楽が好きか知ってる?」 咲「そんなこと?バラードとか優しい感じの曲を好んで聴いてるよ」 淡「残念でしたー。今はロックにはまってるんだよー」ドヤッ 咲「」ブチッ 京太郎「」ガクガク 咲「……私、京ちゃんと一緒にお風呂入ったことあるんだー」 淡「っ!ふ、ふーん。でも、どうせ小さい時の話でしょ?」 咲「そうだけど、淡ちゃんはないでしょ?」ニヤニヤ 淡「あるよ」 咲「!?」 咲「悔しいからって嘘はよくないと思うよ?」 淡「嘘じゃないよ?昨日入ったもん」 咲「き、昨日!?」 淡「うん。背中流してあげて、一緒にお風呂はいったもん」ドヤッ 京太郎「」 咲「ふ、ふーん!で、でも、淡ちゃんは京ちゃんと一緒に寝たことはないでしょ?」 咲「私はあるよー。同じ布団で肩を並べて寝たことあるんだから!」 淡「……」ジロッ 京太郎「ち、小さい時の話です!」 淡「ふーん。咲さんだっけ?天狗になってるところ悪いけど、私もあるよ」ドヤッ 咲「!?」 淡「昨日、訳あって一緒に寝たの。ね?」 咲「……」ジロッ 京太郎「か、母さんの悪戯でね!?他意はないぞ!?」 咲「え、えーと……」アセアセ 淡「うん?」ニヤニヤ 咲「わ、私は京ちゃんに抱きしめて貰ったことあるもん!」カオマッカ 淡「……」 咲「ど、どう?」 淡「わ、私も!」カァァ 咲「……」ゴクリ 淡「昨夜、きょーたろに抱いて(ハグ)貰ったもん!」カオマッカ 咲「」 京太郎「!?」 淡「き、きょーたろの首とかに、その……私のキスマークとかあるもん!」プルプル 咲「」チラッ 京太郎「え!?え!?ないでしょ!?」 咲「……ほんとだ」ボソッ 京太郎「え!?あんの!?」 淡「だ、だからきょーたろは私のなの!」 咲「……」テクテク 京太郎「!?さ、咲!?どこ行くんだ!?おーい!……いっちゃった」 淡「……」 京太郎「……」チラッ 淡「……////」サッ 京太郎「え、えーと、どゆこと?」 淡「……だ、だから昨日の夜に……その、きょーたろが抱きついてきて触ったりするから////」 京太郎「から?」 淡「だから!その気になっちゃったの!」 京太郎「」 淡「だからきょーたろが全部悪いの!」 京太郎「だから朝機嫌悪かったのか?」 淡「それは別!」 京太郎「別なの!?」 淡「色々頑張ったのに寝てるし!」 淡「もっと言うと寝てる私に何もしてくれなくてイライラしてたの!悪い!?」 京太郎「あ、いえ、悪くないです」 淡「はぁ…はぁ……」 京太郎「…………」 淡「……」 京太郎「……」 淡「……何か言ってよ////」 京太郎「…ごめん」 淡「……なにがごめんなの?」 京太郎「え、えーと……ヘタレで?」 淡「……ほんとだよ」 京太郎「否定してほしかった」 淡「事実だもん」 京太郎「……」 淡「きょーたろは乙女心がわかってないよー。女の子は好きな子になら少しくらい強引にされたいとか思ってるんだよ?」 京太郎「え、そうなの?」 淡「そうなの!……たぶん」 京太郎「……じゃあ遠慮なく」グイッ 淡「へ?わぷっ」 チュッ 京太郎「……」 淡「んっ、きょーらろぉ……ここ、そと……」 京太郎「ぷはっ……大丈夫、ここ人気ないから」チュッ 淡「いや、でも……んっ」 京太郎「……」グイッ 淡「……」ドサッ 京太郎「淡……」 淡「きょーたろ……」 京太郎「ただいまー」 淡「ただいま」ムスー 母「あら、おかえ……京太郎、顔に大きな紅葉マークあるけどどうかしたの?」キョトン 京太郎「……聞かないでくれ」シクシク 淡「ふんっ!」プイッ 京太郎(言えない……押し倒して胸触ったら顔面ビンタされたなんて……) 母「……あら。とりあえずご飯できてるから手洗ってきなさい」 京太郎「……はい」 ーーーーーー ーーーー ーー 母「それで、今日はどこに行く予定なの?」モグモグ 京太郎「……とりあえず、善光寺とか中心に回ってくる予定だよ」 母「そうなの?てっきり温泉とか行ってくるのかと思ったのに」 京太郎「温泉?」 母「野沢温泉とか昼神温泉とかあるじゃない」 京太郎「いやいや、時間的に無理だし、行けたとしても一緒に入れないから別行動になるだろ」 母「混浴ってなかった?」 京太郎「あってもはいらねぇよ!」 淡「ふーん……あっても入らないんだ?」 京太郎「え!?」 淡「別にいいけど」プイッ 母「……京太郎、ほんと何したの?」 京太郎「…………」 淡「ふんっ」プクー 京太郎「それじゃあ行ってきます」 淡「行ってきます」 母「いってらっしゃい。気をつけてね」 京太郎「……」テクテク 淡「……」テクテク 京太郎「……淡」 淡「……なに?」 京太郎「朝は……その、ごめん」 淡「……ほんとだよ」 京太郎「もう、あんな馬鹿なことしないから許してほしい」 淡「……条件がある」 京太郎「条件?」 淡「今日1日普通にデートしよ?」 京太郎「へ?」 淡「人前だからキスとかは禁止。あとエッチなこと考えるのも禁止」 京太郎「え?え?」 淡「これが守れるなら許してあげる」ニパー 京太郎「え、えっと……」 淡「どうかした?」 京太郎「普通の定義が分からないだけど……」 淡「……手を繋ぐとか以外は禁止?」 京太郎「!?」 淡「あ、でも、あーんくらいはいいかな?」 京太郎「ちょ、ちょ」 淡「なに?」 京太郎「マジで?」 淡「まじ」 京太郎「ハグとかナデナデもなし?」 淡「1日くらい我慢できるでしょ?」 京太郎「」 淡「これが守れるなら許してあげる♪」 京太郎「…………」 淡「……?」 京太郎「…………………………………………分かった」シクシク 淡「今の間が凄い気になるんだけど……」 淡「じゃあ、いこっか♪」 京太郎「お、おう」 善光寺。 淡「ここが善光寺かぁ」キョロキョロ 京太郎「淡は初めてだったか」 淡「うん。というより関東から出たことないよ」 京太郎「…………」 淡「どうしたの?」 京太郎「いや、なんでも。……写真撮ろうぜ」 淡「?」 京太郎「あ、すみません。写真撮っていただけませんか?」 客「いいですよ」 京太郎「ほら、淡、撮るぞー」 淡「え、あ、うん」 客「はい、ちーず」パシャッ 京太郎「ありがとうございます」 淡「ねぇ」 京太郎「うん?」 淡「ここって何が有名なの?」 京太郎「そうだな。たとえばーーー 淡「き、きょーたろ……食べすぎ」プルプル 京太郎「いいだろ?美味しいだか……うぷっ」 淡「戻したら駄目だよ?」 京太郎「だったらそんなにホイホイ買わないでいただきたい」 淡「はーい」ケラケラ 京太郎「……これからどうする?もう時間的に行けるところあんまないけど」 淡「え?もうそんな時間?……あ、ほんとだ」 淡(なんかあっという間だったなぁ……) 京太郎「どこか行きたい所とかやりたいことあるか?」 淡「うーん……。あ、おみくじやりたい!」 京太郎「おみくじ?」 淡「うん」ニパー 京太郎「そんなんでいいのか?」 淡「いいの。沢山写真も撮ったし、美味しいものも沢山食べたからね」 京太郎「まぁ、淡がそれでいいなら」 ーーーー ーー 淡「きょーたろ!おみくじとった?」 京太郎「あぁ、とったぞ」 淡「じゃあ、同時に開けるよ?いい?」 京太郎「ほーい」 淡「じゃあいくよ?せーの」ピラッ 京太郎・淡「…………」 淡「凶……」 京太郎「末吉……」 淡「……冗談で相手を傷つける可能性があります。優しく接してあげましょう……」 京太郎「行動が裏目にでる……」 京太郎・淡「……………」 淡「き、きょーたろ!」ダキッ 京太郎「っ!?」 淡「え、えっと……ご、ご褒美!今日1日手も繋いでないから我慢できたご褒美!特別、腕に抱きついてあげる」アセアセ 京太郎「そ、そっか」 京太郎(今朝、胸は触ったけどな……) 淡「……きょーたろ」ジト 京太郎「なんでもありません」キリッ 淡「もう、まだエッチなことは考えたら駄目なんだよ?分かってる?」 京太郎「も、もちろん」 京太郎(腕胸押し付けておいてそれは酷い……)シクシク そのころ。 母「はい、須賀です。あ、主人がお世話に……え?今からですか?あ、はい。分かりました。すぐに向かいます」ガチャ 母「……夜は二人でなんとかして貰うしかないか……」 母「……メールしなくちゃ。あと、京太郎へと」コトッ コンドーム「お留守番?」 『二人きりの夜』 京太郎「…………」テクテク 淡「…………」テクテク 京太郎「……え?」 淡「?どうかしたの?」テクテク 京太郎「あ、いや、今夜母さんが急に出かける事になったから二人らしいんだ」 淡「へー、そうなん……だ?」 淡「…………」 京太郎「…………」ソワソワ 京太郎(今夜はせっかくだし、俺が飯作るか。普段は淡にばっかり作って貰ってるしたまにはいいよな) 京太郎(それに、おみくじの件もあるし……) 淡(きょーたろがすっごいソワソワしてる……。やっぱりしたいのかな?……男の子だししたいよね……) 淡(今朝は思わずひっぱたいちゃったけど、わ、私だってきょ、きょ、興味はあるし、その、してもいいんだけど……) 淡(やっぱり怖いなぁ……) 京太郎「淡?」 淡「は、はい!?」 京太郎「家、ついたぞ?」 淡「へ?あ、ほんとだ……」 リビング。 京太郎「」 淡「」 コンドーム「やぁ!」 京太郎「かあさん…」ガックリ 京太郎(今日はエロいこと禁止なんだから煽るなよ……) 淡「////」 京太郎「……と、とりあえず、飯作るか。淡、何か食べたいものあるか?」 淡「た、たべる!?」 京太郎「お、おう。なにか食べたいものないか?今夜は俺が作るからさ」 淡「あ、え?ご飯の話?」 京太郎「それ以外に食べるものあるか?」 淡「…………////」カァァ 京太郎「?」 淡「そ……そばがいいな!長野だし!」 京太郎「そば?昨日食べたのにいいのか?」 淡「き、昨日はお母さんのでしょ?きょーたろのが食べたいの!」 京太郎「そ、そっか」 淡(ど、どうしよう……さっきから変なことばっかり考えちゃってる……////) 淡(自分で禁止しておいて自分だけするなんてずるいよね……が、我慢しなきゃ) 京太郎「じゃあ、できるまでテレビでも見ててくれ」 淡「あ、うん」 淡(って言ったけど……) 淡(面白いのない……) 淡「むぅ……」チラッ 京太郎「♪」 淡(きょーたろって本当に家庭的だなぁー。一人暮らししてるからかもしれないけど) 淡(も、もし、きょーたろと結婚したらこんな感じなのかな?) 淡(毎日きょーたろのご飯食べて、休みの日はきょーたろにどこかに連れて行ってもらって……あれ?) 淡(私、してもらってるだけじゃん……) 淡(てか、よくよく考えたら料理とか掃除とかって女の子が率先してやる仕事じゃ?それをとられたら……) 淡(……私、いらない子!?)ガーン 淡(こ、これはまずいんじゃ?) テレビ「……ですよ!やっぱり、女の子には料理とかしてもらいたいですね」 淡「…………」ジー テレビ「干物女は……流石に……ね?」 淡「っ!」 淡「き、きょーたろ!」 京太郎「うん?どうかしたか?」 淡「な、なにか手伝うことない!?」 京太郎「へ?」 淡「私だけゆっくりできないし。なにか手伝うよ!」 京太郎「…………」スッ 淡「……なんで私のおでこに手を当てるの?」 京太郎「いや、熱でもあるのかなって思ってな」 淡「そんなに珍しい!?」ガーン 京太郎「…………珍しくないぞ?」 淡「否定するならせめて間をあけずに言ってよ……」シクシク 淡「と、とりあえず、なにか手伝えることない?」 京太郎「そうだなぁ……そば、茹でてみるか?」 淡「茹でるだけ?」 京太郎「簡単だろ?その間に天ぷらとか作っとくからさ」 淡「簡単だけど……それだけ?」 京太郎「……本当にどうした?」 淡「……きょーたろに任せっきりっていうのがやなの」 京太郎「?」 淡「わ、私女の子なんだよ?男の子に料理とか掃除とかで負けたくないし!それが自分の彼氏ならなおさら!」 京太郎「あー……じゃあ、天ぷら作ってくれるか?その間にそばやっとくからさ」 淡「っ!う、うん!」 京太郎(かわいい) ーーーーーー ーーーー ーー 京淡「ごちそうさま」 淡「き、きょーたろ、天ぷらどうだった?」 京太郎「てんぷら?美味しかったぞ」 淡「やっぱり?自分でいうのはあれだけど、自信作だったんだー」 京太郎「また作ってくれよ?」ナデナデ 淡「んっ……きょーたろが食べたいって言ったらいつでも作ってあげる♪」ニコッ 京太郎「っ……そ、そろそろ風呂わかすか!」アセアセ 淡「もうそんな時間?あ、もうこんな時間かぁーー」 京太郎「お風呂わいたら先に入っていいぞ?」 淡「ありがと。でも京太郎も疲れてでしょ?だから今日は先に入って」 京太郎「いやいや!淡はお客さんだからさ!それに昨日は俺が先だったし……あっ」 淡「……あ、あはは、じ、じゃあ、今日は先に入ろうかな?」アセアセ 京太郎「お、おう!」アセアセ お風呂にて。 淡「……」ソワソワ 淡「……」チラッ 淡「……きょーたろ……こないのかな?」 淡(あ、そういえば今日は1日エッチなこと禁止にしてたんだ……) 淡(失敗だったなぁ……) 淡「男ならそのくらいしてよ……」プクー リビングにて。 京太郎「…………」 京太郎「これって……突撃するべき?」 京太郎「……いや、今日はエロいこと全て禁止だし駄目だよな!」 京太郎(でも、少しくらい強引な方がいいのか?淡も言ってたし!いやでも万が一突撃して嫌われたりしたらーー) 京太郎「ああああ!!!」 噛み合っているようで噛み合わない2人。 ーーーーーー ーーーー ーー 淡「きょーたろ、あがったよ」プクー 京太郎「?ど、どうかしたのか?」アセアセ 淡「別に?とりあえず、きょーたろも早く入ったら?」 京太郎「お、おう。行ってくる!」タタタッ 淡(本当に来なかったし……。きょーたろのバカ……) 淡「…………」チラッ 淡「……11時かぁ。もう寝ようかな」 淡「……あれ?」 淡(どこで寝ればいいんだろ?) 淡(昨日はきょーたろの部屋だったけど、今日もそこでいいのかな?) 淡(きょーたろの部屋で寝るってことは、きょーたろと同じ部屋ってことかぁ……) 淡「うーん……。よし、きょーたろの部屋でねよっと」 京太郎の部屋 淡「おじゃましまーす……ってあれ?」 淡「……敷き布団どこだろ?」 淡「押入かな?」ガラガラ……ポロッ 淡「うん?なんだろ?」 淡「……っ!」 淡「こ、これって!////」カァァ 淡(え、エロ本だよね?で、でも何で押し入れに?普通ベッドの下じゃないの?)アセアセ 淡(と、とりあえず、戻しておかなきゃ) 淡「……」 淡「少しだけ…」ペラッ 淡「っ!…………も、もう少しだけ」ペラッ 淡「……」ペラッ 淡「……」ペラペラッ 淡「……胸の大きな子ばっかり……」 淡「……きょーたろって胸大きい子が好きなのかな?」 淡「で、でも、私はそんなに……」ペタペタ 淡「……」 数分後 京太郎「なんで俺正座させられてるの?」 淡「いいから、質問に答える!」 淡「きょーたろはおっぱいが大きい子が好きなの?」 京太郎「え?え?何の話?」 淡「これ」ペラッ 京太郎「!?」 京太郎(あいぼおぉおおおおおお!!) 京太郎(ど、どうしてあれを!?) 京太郎「そ、それは?」アセアセ 淡「押し入れでつけたの。それで?」 京太郎「それでとは?」アセアセ 淡「だから、胸の大きな子が好きなの?」 京太郎「……淡、よく聞いてくれ」 京太郎「俺は巨乳好きだ」 淡「…………」 京太郎「……まて、続きがあるからそんなに引かないでくれ……」 淡「……つづけて」 京太郎「お、おう。でな、これは俺の持論だけど、巨乳っていうのは富士山みたいなものなんだ」 淡「………………」 京太郎「……富士山って眺めてるぶんには綺麗だよな?それな一回くらい行ってみたいって思うだろ?」 淡「……まぁ」 京太郎「でも、住んでみたいとは思わないだろ?」 淡「そりゃあね……不便だし」 京太郎「だろ?巨乳もそれと一緒なんだ」 淡「?」 京太郎「巨乳は眺めてるぶんにはいいし、一度くらい触ったり揉んだりしてみたいけど、巨乳の子と付き合いたくないってこと」 淡「………………………………」 京太郎「………」 淡「……じゃあ、あれだ。私の胸じゃあ、そういう欲求を解消できないってことだね」 京太郎「っ!それは違う!」 淡「!?」 京太郎「俺は淡が好きなんだ!」 淡「っ////」 京太郎「俺は淡の胸を見たいとも思うし、触ったり揉んだり舐めたりしたい!淡がいいんだ!」 淡「え、あ、ちょ……あぅ////」 京太郎「変なこと言ってる自覚あるけど、これが俺の本音だ」 淡「う、うん。その……ありがとう////」 京太郎「おう」 淡「…………」 京太郎「…………」 淡「ねぇ」 京太郎「うん?」 淡「その、昼間のことなんだけど……叩いたりしてごめんね」 京太郎「昼間?……あぁ、いや、あれは俺が悪かったし」 淡「本当はね、嬉しかったんだぁ。でも外っていうのに抵抗あって……」 京太郎「…………」 淡「だから、その……きょーたろぉ」チラッ 京太郎「えっと……いいのか?」 淡「……」コクリ 京太郎「俺、初めてだから上手くないからな?」 淡「初めてじゃなかったら逆に嫌だよ」 京太郎「あ、でも今日はエロいこと禁止だけどいいのか?」 淡「……もう、0時回ってる」 京太郎「淡……」チュッ 淡「んっ」 『帰宅』 電車。 淡「……」ボー 京太郎「淡?どうかしたか?」 淡「え?いや、別に」 京太郎「……っ!も、もしかして体調悪いのか!?」アセアセ 淡「え!?あ、いや!違うよ?」アセアセ 京太郎「ほ、ほんとか?」 淡「う、うん。まだ、ずきずきするっていうか……その違和感あるけど……////」 京太郎「そ、そうか。でも、だったらどうして?」 淡「うん?あぁ、それはね。なんかあっという間だったなーって思って」 京太郎「そうだな」 淡「初日から一緒にお風呂入ったり、一緒に寝たりーー」 京太郎「ぜんぶ、母さんのせいだけどな」 淡「あ、そういえば、初日のそばも美味しかったなぁ」 京太郎「また、一緒にいこうぜ?そうすれば食べられるし」 淡「うん♪」 京太郎「2日目の観光はどうだった?」 淡「あぁ、外だっていうのにいきなり押し倒したこと?」ニヤニヤ 京太郎「……あれは本当にすみませんでした」orz 淡「別にいいよ。嫌だったわけじゃないし」 京太郎「それに昨日しちゃったしな」 淡「っ!ば、ばか!」カァァ 京太郎「ごめんごめん」 淡「もう……」 京太郎「……」 淡「……きょーたろ?」 京太郎「うん?」 淡「昨日は、その……ありがとうね」カァァ 京太郎「いやいや、こちらこそ?ありがとう。その、よかったぞ?」 淡「そ、そう?自分だとよく分からなくて」 京太郎「大丈夫だって。俺が保証する。むしろ、俺が上手くできてたか?」 淡「大丈夫だと思うよ?」 京太郎「思う?」 淡「あ、だからね、初めてだから比較する情報が本……じゃなくて!聞いた話だけだから!」 京太郎「なるほど」 淡「……初めて同士だし、その辺は曖昧でいいんじゃない?」 京太郎「それもそうだな」 淡「あ、そういえば、避妊具って消費期限あったよね?保健体育でそんなこと習った」 京太郎「そうだったか?」 淡「習ったでしょ……あと保存方法とか」 京太郎「ああ!あの財布に入れると上がるのは金運じゃなくて、妊娠率だぞってやつか」 淡「そうそう。その昨日のやつ大丈夫だったのかな?」 京太郎「…………」 淡「…………」 その頃。 母「そういえば、これ、消費期限いつだったかしら」 コンドーム「だいぶ前だよ?」 母「あら……」 完。 『二人でロッカーに入ってた』 更衣室。 淡「きょ、きょーたろ!?」 京太郎「あ、淡!?」 淡「な、なんできょーたろがここに!?」 京太郎「そ、そのだな!これには訳が!」 淡「っ!きょーたろ!」ガッ 京太郎「え?」 バタン。 女生徒「あぁ、なんでマラソンなんて体育であるんだろー」 女生徒「だよねー。もう汗びっしょり」 ロッカー内。 京太郎「…………」 淡「…………」 京太郎「え、えっと……淡さん?」 淡「……きょーたろ、なんで女子更衣室にいるの?」ジトッ 京太郎「え、えっとだな…」 淡「……覗き?」 京太郎「ち、違っふが」モゴモゴ 淡「ば、バカ。今大声出したら見つかっちゃうでしょ」 京太郎「ご、ごめん……」 淡「で?」 京太郎「あ、あぁ、その……男子同士で賭けてたんだ」 淡「なにを?」 京太郎「罰ゲーム」 淡「……それで?」 京太郎「……頼むからそんな可哀想な人を見るような顔をしないでくれ……」 淡「それで?罰ゲームと更衣室に何の関係があるの?」 京太郎「その、罰ゲーム内容がだな……ゴキの玩具を着替えの中に入れるっていうやつで……」 淡「…………」ボーゼン 京太郎「……他の女の子にやったらアウトだけどさ……淡ならなんとかなるかなって……」 淡「………」 京太郎「…………すみませんでした」 淡「きょーたろの馬鹿さ加減には呆れてものが言えないよ」 京太郎「返す言葉もございません……」 淡「……それで?罰ゲームは実行できたの?」 京太郎「え?あ、あぁ」 淡「ってことは……。あとは女子にバレないようここを出れば全て丸く収まるってことだよね?」 京太郎「え?まぁ、そういうことになる……のかな?」 淡「はぁ……。きょーたろ、次はないからね?」 京太郎「ゆ、許してくれるのか?」 淡「許すわけないじゃん。あとでちゃんと埋め合わせしてもらうから」 京太郎「は、はい……」 淡「きょーたろのバカ」 京太郎「すみませんでした」 淡「…………」 京太郎「…………」 淡「……でも安心した」 京太郎「え?」 淡「きょーたろが覗き目的で来たわけじゃなくて」 京太郎「あ、当たり前だろ。それじゃただの変態だ」 淡「でも私の着替えを漁ったんでしょ?」 京太郎「…………」 淡「変態じゃん」 京太郎「……すみませんでした」 淡「まったく……きょーたろのせいで着替えるの遅れちゃうよ」ジトッ 京太郎「ごめん」 淡「ホントだよ……今日はすっごい汗かいた……か…ら……」 京太郎「うん?どうかしたか?」 淡「……きょーたろ、少し離れて」 京太郎「え?」 淡「……お願い」 京太郎「お、おう……って、ロッカーの中だから無理だ」 淡「え……」アセアセ 淡「……」クンクン 淡(く、臭くないかな?) 京太郎「淡?どうかしたか?」 淡「っ!な、なんでない」 京太郎「そうか?なんかソワソワしてるけど」 淡「だ、大丈夫」 京太郎「?」 京太郎(……あ、そういうことか)ピコーン! 京太郎「……淡」ギュッ 淡「!?」 京太郎「素直じゃないなぁ」ナデナデ 淡「な、な、な!」カァァ 淡「何してるのよ!離れてっば!」ジタバタ 京太郎「え?こうして欲しかったんじゃないのか?」 淡「な!?ち、違うわよ!汗沢山かいてるから離れてほしかったの!」 京太郎「なんだ……。でも、俺は気にしないぞ?」 淡「私が気にするんだってば!」 京太郎「それにいい匂いだぞ?」クンクン 淡「!?」 淡「ちょ、や!駄目だって!」ジタバタ 京太郎「……」ギュッ 淡「ちょ、きょーたろ……お願いだから」ウルウル 京太郎「……かわいいなぁ」ギュッ 淡「え、あ、ちょ……あぅ」 ーーーー ーー 淡「きょーたろのばかあぁ!!!!」 京太郎「ご、ごめんって!ついな? 」 淡「ついな?じゃないよ!駄目だって言ったのに!」ナミダメ 京太郎「いや、だってさ……」 淡「……なに?」グスッ 京太郎「……涙目の淡、凄く可愛いから」 淡「……」 京太郎「淡?」 淡「そ、そういうことなら……その、今日は許してあげる」プイッ 京太郎(かわいい) モブA(あわいい!) おわり! 『二人で買い物してた』 京太郎「なぁ、今日はどこいくんだ?」 淡「いいからきょーたろは黙ってついて来て」ニパー 京太郎「お、おう」 ーーーーーー ーーーー ーー 淡「ついたよー」 京太郎「え……ここ?」 淡「うん♪」 京太郎「」 淡「……やっぱり驚く?」 京太郎「驚くのもあるけど、それ以上に困惑してる……」 淡「だ、だよね……」 ランジェリーショップ。 京太郎「まさかと思うけど……ここで買い物を?」 淡「……うん」 京太郎「俺も一緒に?」 淡「……うん」 京太郎「」 淡「やっぱり……だめ?」 京太郎「……理由によってはなんとか……」 淡「え、えっと……これ」 京太郎「これは……女性誌?」 『男性から下着をプレゼントされているカップルの結婚率90%以上!』 京太郎「…………」 淡「……」チラッ 京太郎「えっと、これが理由か?」 淡「う、うん……////」カオマッカ 京太郎「うーん……」 京太郎(こういうのって当てにならないって淡知ってるのか?) 京太郎(……流石に分かってるよな。でも、それならなんで……) 淡「その……やっぱり付き合ってるならけ、けけけ結婚のことも考えたいじゃん?」アセアセ 京太郎「…………」 京太郎(……可愛いからいっか) 淡「その、む、無理なら無理っていってくれれば!」アセアセ 京太郎「この雑誌通りなら下着をプレゼントすれば結婚する確率があがるんだろ?なら上げとこうぜ」 淡「え?い、いいの?」 京太郎「俺も確率あげておきたいからな」 淡「っ!」パァー 店内。 京太郎(まずい!これ、思った以上に恥ずかしい!) 京太郎(他のお客様から店員までこっちみてる……) 京太郎(は、早く終わらせよう。淡のためにも俺のためにも!) 京太郎「そ、それで淡はどんなのがいいんだ?」 淡「え?」 京太郎「えって……、淡にプレゼントするなら好み聞いておかないと」 淡「男性が下着をプレゼントするときって男性が彼女にはいてもらいたい下着を送るんじゃないの?」 京太郎「え?」 淡「…………」ジー 京太郎「…………」アセダラダラ 淡「………きょーたろぉ」 京太郎「……わかった。選ぶよ」 淡「やった♪」 京太郎「……それで、淡」 淡「うん?」 京太郎「その……サイズを教えて貰えるか?」 淡「えっ……サイズって……胸の?」 京太郎「お、おう」 淡「あー、え、えっと……」カァァ 淡「……」キョロキョロ 淡「耳貸して」 京太郎「おう」チュウゴシ 淡「ーーーーだよ」 京太郎「え?そんなにある?」 淡「どういう意味?」ジトッ 京太郎「……深い意味はありません」 ーーーーーー ーーーー ーー 京太郎「これとかは?」 淡「……これ、なんか面積っていうか……隠せてる部分少なくない?////」 京太郎「まぁな……」 淡「きょーたろってこういう……あだると?な下着が好きなの?」 京太郎「……黙秘権を行使させていただきます」 淡「…………」 淡(今度からこういうのも用意しておこうかな……) 淡「じゃあこれにしようかな」 京太郎「っ!そ、そっか!じゃあレジ行こう!全力で!」 淡(顔真っ赤にしちゃって……かわいいなぁ)キャーキャー モブ「あれ、あの2人……須賀くんと大星さん?」 おわり 『手を繋いで淡家訪問してた』 京太郎「…………」 淡「きょーたろ?もっとリラックスして平気だよ?」 京太郎「そ、そうはいうけどさ……淡の両親いるんだろろ?」 淡「まぁ……私実家だし」 京太郎「だよなぁー……」 淡「…………」 淡「……えい」ギュッ 京太郎「え?」 淡「手、繋いであげるから元気だして。ね?」 京太郎「……淡」 淡「ね?」 京太郎「……」ナデナデ 淡「んっ……元気でた?」 京太郎「あぁ、不安なのは変わらないけどな」ナデナデ 淡「よかった♪」 京太郎「……ところで、淡の両親はどんな感じなんだ?」 淡「うん?うーん……普通、かな?」 京太郎「まったく参考にならないな」ニガワライ 淡「そんなこと言われたってぇ。ま……お母さんはおっとりしてるかな?」 京太郎「淡の親なのにか?」 淡「それ、どういう意味?私がおっとりしてないってこと?」プクー 京太郎「おっとりはしてないだろ?どちらかっていうとリスみたいに走り回ってるタイプだな」 淡「ええー。私、自分のこと結構ま…お母さん似だと思ってるのにー」 京太郎「……無理にお母さんって呼ばなくていいぞ?」 淡「……なんのこと?////」プイッ 京太郎「……淡のパパはどんな人なんだ?」 淡「えっと、パパは……って……////」カァァ 京太郎「…………」ニヤニヤ 淡「……そんな意地悪するきょーたろにはもう教えてあげない!」プイッ 京太郎「ごめんごめん」ナデナデ 淡「ふーんだ」ツーン 京太郎「淡」ナデナデ 淡「……」プイッ 京太郎「……淡」 (耳元で) 淡「っ……な、なに?」チラッ 京太郎「ごめん」 (耳元で) 淡「んっ……きょーたろ、耳元で言うのやめ、て」ビクッ 京太郎「………淡、かわいいぞ」 (もちろん耳元で) 淡「っ!……だ、だからぁ、み、耳元はーー」 京太郎「ふぅー」 淡「うにゃ!?」ビクッ 淡「にゃ、にゃにするの!?」 京太郎「いやー、感じてる淡が可愛くてつい」 淡「ついじゃないよー!」 京太郎「こうやって淡と戯れてると落ち着くんだよ」ナデナデ 淡「そんなことされたら私が落ち着かなくなるでしょー!」フガー 京太郎「ごめんごめん。それにしても淡は首に耳にと弱点多いな」 淡「そ、そんなこと……ないもん」 淡「少しビクッてしただけだもん……」 京太郎(かわいい) 淡「……あ、ついた」 京太郎「え?」 淡「ここ、私の家」 京太郎「お、おう」アセダラダラ 淡「……さっき、私と戯れておちついたんじゃないの?」ジトッ 京太郎「そうだけどさ……」 淡「もう……きょーたろ」 京太郎「うん?」 淡「しゃがんで」 京太郎「?お、おう」 淡「……大丈夫だよ」 (耳元で) 京太郎「っ!」 淡「相手の両親に挨拶するんだから不安なのは分かるよ」 淡「でも、大丈夫。きょーたろだもん」 淡「私が選んだ彼氏だもん。パパもママも認めてくれるよ、きっと」 京太郎「淡……」 淡「だから、ね?」 京太郎「……だな」 淡「最後に元気の出るおまじない」 チュッ 京太郎「っ!」 淡「はい、元気でた?」 京太郎「……でた」 淡「うん。じゃあ、いこ?」 京太郎「おう!」 おわり! 『風邪で寝込んだ京太郎の看病してた』 京太郎「……これくらい大丈夫だっ……ゴホッ」 淡「全然大丈夫じゃないじゃん……。顔も赤いし」 京太郎「そんなことねーよ……」 淡「こういう時に強がりとかいらないから。ほら、寝て寝て」 京太郎「……ゴホゴホッ」 淡「きょーたろ、ちょっとおでこさわるよ?」ピト 京太郎「っ」 淡「うわー……すっごい熱い。熱はかった方がいいよこれ」 京太郎「……淡」 淡「うん?」 京太郎「……おでこ、もっかい触ってくれないか?」 淡「うん?いいけど…なんで?」 京太郎「淡の手、冷たくて気持ちいい」 淡「それなら濡れタオルとかの方がーー」 京太郎「淡の手がいいんだ」 淡「しょうがないなぁ。はい」ピト 京太郎「……サンキュー」 淡「きょーたろ、今日は私にいっぱい甘えていいからね?」 京太郎「……いいのか?」 淡「もちろん♪病人の特権だよ」 淡(いつもなら絶対に嫌がるのに) 淡(やっぱり病気の時って心細くなるのかな?) 京太郎「じゃあ……お言葉に甘えようかな」 淡「うん♪とりあえず、熱はかろっか」 京太郎「おう」 淡「その間にお粥とか作っておくね?」 ーーーーーー ーーーー ーー 淡「お粥できたよー」 京太郎「サンキュー……」 淡「熱どのくらいあった?」 京太郎「39度あった……」 淡「そんなに!?薬早くご飯食べて薬のんで寝なきゃ」アセアセ 京太郎「……お、大げさだって」 淡「そんな状態で言われても説得力ないよ。ほら、お粥だよ」 京太郎「……作ってもらって悪いんだけど、やっぱり食欲ない」 淡「駄目だよ?食べないと治らないんだから。ほら、食べさせてあげるから、ね?」 京太郎「……それなら、少しだけ」 淡「ふぅーふぅー、はい、あーん」 京太郎「あ、あーん……」モグモグ 淡「おいし?」 京太郎「うん……おいしい」 淡「よかった♪はい、もう一口」 京太郎「あーん……」 淡「もぉ、口元、汚れちゃってるよ?」フキフキ 京太郎「……サンキュー」 淡「…………」 淡(普段のきょーたろは凛々しくて格好いいけど……) 淡(病気のきょーたろはなんか可愛い♪) 淡「きょーたろ、はやくよくなってね?」ナデナデ 京太郎「あ、あぁ」 淡「治ったら一緒に遊ぼうね♪」 京太郎「おう。お粥ご馳走さま」 淡「お粗末さま」 ーーーー ーー 京太郎「……」zzz 淡「寝たかな?」 京太郎「……」zzz 淡「……寝顔もかわいい♪」ナデナデ 京太郎「ん……」 淡「きょーたろ、はやく良くなってね」 おわり 『京太郎の胸で泣いてた』 これは京太郎と淡が付き合う前の話である。 淡「だから!こうでしょ!?」 京太郎「ちがうって!こうだから! モブa「またやってるよ……」 モブb「相変わらず仲悪いよね」 数ヶ月後。 淡「それでさぁ、また須賀がーー」 モブa(さっきから須賀くんの話ばっかり……) モブb(これは絶対に気があるよね) モブa(……っ!いいこと思いついた) モブb(あ、なんか悪いこと思いついた顔だ) モブa「そういえば聞いた?須賀くん、モブ子に告られたらしいよ」 モブb「聞いた聞いた!どうなるんだろうね!」 淡「え……?」 モブa「二人とも意外に話し合うしもしかしたら付き合うかもね」 淡「え?え!?ちょ…」 モブb「うん?淡ちゃん、どうかした?」 淡「そ、その話ほんと!?」 モブa「え?しらない?」 モブa(嘘だから知らないよね) 淡「う、うん……初耳」 モブb「まぁモブ子のことだからあんまり言ってないのかもね。あ、でもさぁ、これで淡ちゃんも落ち着けるね」 モブa「あ、そうだね!」 淡「……え?」 モブa「だってさぁ、モブ子と須賀くんが付き合ったら須賀くんも淡ちゃんにちょっかいだしたりしなくなるでしょ?」 モブb「だよねー。良かったじゃん」 淡「う……うん。あぁーあのうるさいのが来なくなるって聞いて安心したよ」 モブa(わかりやすい) モブb(次は須賀くんだね) 淡(須賀、モブ子と付き合うんだぁ……) ーーーーーー ーーーー ーー 京太郎「え?」 モブa「だからーモブ男が淡ちゃんに告ったらしいよー」 京太郎「へ、へー……」 モブa「もしかしたら付き合うかもしれないね!あの2人、中学の時から仲いいみたいだし」 京太郎「……べつにいいんじゃないか?大星がそれでいいなら。俺には関係ないし」 モブa「そう?まぁそういうことだから!じゃあね!」 京太郎「…………」 京太郎(大星がモブ男とね……) ーーーー ーー 放課後の教室。 淡「…………」 淡(須賀がモブ子と付き合う……かぁ)ズキッ 淡「べ、別に私には関係ないもん」 淡「須賀が誰と付き合ったって私には関係ないもん。……関係ないもん」 ガラガラ 淡「え?」 京太郎「うん?」 淡「須賀……」 京太郎「……なにしてんだ?」 淡「……別に私の勝手でしょ?」 京太郎「っ!あ、あぁ、そうだな」 淡「……須賀こそなにしてんのよ」 京太郎「別に……暇つぶしだよ」 淡「モブ子ほったらかしで?」 京太郎「なんでモブ子がでてくるんだよ」 淡「なんでって、好きなんでしょ?ほったらかしでいいの?」 京太郎「は、はぁ!?モブ子とはそんな関係じゃないって」 淡「別に隠さなくたっていいよ。分かってるから」 京太郎「何言ってんだよ……。つか、それを言うなら大星だってモブ男はいいのかよ」 淡「……モブ男がなに?」 京太郎「何って、付き合うんだろ?」 淡「……なにそれ」 淡「誰から聞いたか知らないけどデマだから、それ」 京太郎「デマなのか?じゃあ付き合うって話はなんだよ」 淡「それこそ何の話?まぁ、仮に本当だとして、私が誰と付き合おうが須賀には関係ないじゃん」 京太郎「っ!」 淡「あんたはモブ子と付き合うでしょ?だったら私に構わないでよ!どっか行ってよ!」 京太郎「……なんだよ、その言い方」 淡「……なによ」 京太郎「……何イライラしてんだよ」 淡「してないもん……」 京太郎「してんだろ」 淡「……しつこいなぁ、してないってば……」 京太郎「してるじゃんか」 淡「してないって!」 京太郎「っ」 淡「あーもう!なんなのよさっきから!私のことは、放っておいてよ!!」ポロポロ 京太郎「……大星、なんで泣いてるんだよ……」 淡「……なんで?決まってじゃん!須賀のせいでしょ!」ポロポロ 京太郎「……え?」 淡「須賀が全部いけないの!す、須賀が!ヒッグ……す、すがが……」 淡「私聞いたもん!須賀がモブ子と付き合うって話!」 淡「それが嫌なの!須賀が誰かと付き合うって話聞いてからイライラするの!」 京太郎「…………」 淡「それだけじゃない!胸が締めつけられるみたいで苦しいのよ!」ポロポロ 淡「なんであんたのせいで私がこんな気分にならなきゃいけないのよ!」 京太郎「……大星」 淡「なんであんたなのよ……。毎日喧嘩ばかりしてるのに……」 淡「なんで?……なんでよ……」ポロポロ 京太郎「大星……」 淡「やめて!」 京太郎「っ!」ビクッ 淡「それ以上近づかないで……。私のこと好きじゃないくせに優しくなんかしないで!」 京太郎「……」スタスタ 淡「……」 京太郎「……」ガバッ 淡「……なにしてのよ」 京太郎「……抱き締めてる」 淡「……離して」 京太郎「……やだ」 淡「離してって!私のこと好きでもないのに抱きしめたりしないで!」 京太郎「……やだ」ギュッ 淡「はな…してよ…おねがい、だから……」 京太郎「……大星」 淡「……なに」 京太郎「好きだ」ギュッ 淡「……そんな慰めいらない」 京太郎「慰めなんかじゃない」 淡「嘘!あんたはモブ子が好きなんでしょ?分かってるだから!」 京太郎「さっきからモブ子モブ子って、あいつはそんなんじゃないっていってるだろ」 淡「仮にそうでも!私のこと好きなんて嘘だよ!何で好きなんて嘘つくのよ……最低だよ……」ポロポロ 京太郎「嘘なんかじゃない」 淡「嘘だよ……喧嘩しかしてないのに好きなわけないじゃん……」 京太郎「……大星は俺のこと嫌いか?」 淡「そんなわけないじゃん!!好きだから困ってるの!好きで好きでしょうがないから苦しいの!」 京太郎「……じゃあ、なんで喧嘩しかしてこなかった相手がそんなに好きなんだ?」 淡「っ!それは……」 京太郎「たしかに俺たちは喧嘩ばかりしてたかもしれない。でもな?俺は楽しかった」 淡「っ!」 京太郎「変かもしれないけどさ、大星と喧嘩してる時がすっごく楽しいんだ」 淡「……」 京太郎「だからかもな。喧嘩しかしてないけど、好きになったのは」 淡「……」 京太郎「もう一回言うぞ?大星、俺はお前が好きだ。これは嘘じゃない」 淡「……ほ、ほんとに?」 京太郎「あぁ。大好きだ、淡」 淡「……あり、がと」 京太郎「淡、返事してくれるか?」 淡「わ、私も……大、好きです……き、きょーたろのことが大好き」ダキッ ーーーーーー ーーーー ーー 京太郎「落ち着いたか?」ナデナデ 淡「う、うん////」 京太郎「まさか、こんな形で付き合うことになるとはな……」 淡「きょーたろがモブ子の告白をしっかり断っていたらこんな事にはならなかったよ……」ムスッ 京太郎「……俺、告られてないぞ?」 淡「……え?」 京太郎「だいたい、あいつが好きなのってモブ男だぞ?」 淡「え、えぇ!?」 京太郎「いったい何をどう聞き間違えたんだよ……」 淡「だって……モブaがそう言ってたんだもん」 京太郎「……モブaが?」 淡「うん」 京太郎「………」ポクポクポクポク 京太郎「なるほどね」チーン 淡「え、何がなるほどなの?」 京太郎「あぁ、いや、別に対したことじゃないさ」 淡「?」 翌日。 京太郎「淡、ちがうって!こうだろ?」 淡「もう!きょーたろは一々細かいよ!」 モブa「また喧嘩してる……」 モブb「懲りないね……」 終わり。 『淡がほっぺたムニムニされてた』 中庭 淡「きょーたろ♪」ダキッ 京太郎「っと……どうした?」 淡「なんとなくー」スリスリ 京太郎「淡は猫かなにかか?」ナデナデ 淡「人間だけど……きょーたろと一緒にいられるなら猫でもいいかな?」 京太郎「淡が猫なら、毎日あそんでやるのに」 淡「そうなの?なら今日から猫になろうかにゃ?」 京太郎「俺のペットだけどいいのか?」 淡「ペットって……なんかいけない関係みたいだね」スリスリ 京太郎「……だな。よし、今度首輪でもーー」 淡「きょーたろ?」ジトッ 京太郎「……ネックレスでも買ってやるよ」アセダラダラ 淡「そういう風にすぐ調子にのる所もすぐ謝るところもきょーたろの好きなのところだよ」ニパー 京太郎「サンキュー」ナデナデ 淡「んっ……」 京太郎「……」ナデナデ 淡「……ねぇ、きょーたろ」 京太郎「うん?」 淡「いっつも頭ナデナデしてよね?」 京太郎「まぁな。嫌だったか?」 淡「ううん。むしろ嬉しいんだけどさぁ」 京太郎「?」 淡「たまには他のところも……」 京太郎「……胸とかか?」 淡「……」ポカーン 淡「……っ!////」カァァ 淡「ち、違うよ!そういうことじゃなくて!」カオマッカ 京太郎「なんだ、嫌だったのか?」 淡「え?あ、いや、それは……今は駄目って言うか……今度きょーたろの家で………じゃなくて!」 淡「私、今日は猫なんだよ?」 京太郎「……あぁ!」 淡「分かってくれた?」 京太郎「これだろ?」ゴロゴロ 淡「うにゃ!?」ビクッ 京太郎「……どうした?」 淡「よ、予想以上にくすぐったい……」 淡「これはもうやめよう」キリッ 京太郎「ゴロゴロを嫌がる猫初めてみたわ」 淡「だ、だって……くすぐったいんだもん」プクー 京太郎「……」 淡「……?」 京太郎「ちょっと失礼」ムニムニ 淡「……どうしたの?」 京太郎「淡のほっぺたが柔らかそうだったからさ。触ってる」ムニムニ 淡「ふーん……どう?」 京太郎「柔らかくて……なんだろうな、楽しい」ムニムニ 淡「どうせなら両頬触ってほしいなぁ」 京太郎「こうか?」ムニムニ (芝の上に向かい合って座っています) 淡「そんな感じ」ニパー 京太郎「……」ムニムニ 淡「……♪」 京太郎「どうした?」 淡「うん?きょーたろの顔が近くにあるから♪」 京太郎「淡……」 淡「え、ちょ、ま……」 京太郎「……」 淡「……」 京太郎「……ふう」 淡「……きょーたろ」 京太郎「うん?」 淡「私の言いたいこと、わかる?」 京太郎「もちろん。もう一回だろ?」チュッ 淡「違うけど……きょーたろ大好き♪」チュッ モブ「……青春してんなぁー」 終わり 『他人が京太郎の悪口を言ったら、必要以上に否定する』 モブ「どっかにいい男いないかな?」 淡「……発情期?」 モブ「あんたじゃないんだから」 淡「私だって発情期はないよ!」 モブ「……冗談はさておき、私はねリサーチをしてきたのよ」 淡「り、りさーち?」 モブ「つまり、調べてきたってことよ」 淡「なるほど」 モブ「クラスの女子全員に聞きました!同級生のイケてる男子!」 淡「あれ?私聞かれてない……」 モブ「はい、拍手」 淡「……い、いえーい」パチパチ モブ「それで結果なのですが、私以外の女子が全員同じ男子を指名しました」 淡「え?全員?それはすごいね」 モブ「私以外!ね?でさ、誰だと思う?」 淡「意外な人?」 モブ「超意外!」 淡「うーん……モブ男とか?」 モブ「たしかにモブ男だったら超意外だね。でも違う」 淡「違うのかー。うーん、分かんない」 モブ「だよねー。驚かないでね?なんと須賀くんだったの!」 淡「全然意外じゃないよ!!」バンッ モブ「!?」ビクッ 淡「あ……。い、意外だね?」アセアセ モブ「お、おう……。でね?なんで須賀くんなのか聞いてみたのよ」 淡「うん」 モブ「これもアンケートをとってベスト3にしてみました」 淡「モブ……なんか楽しそうだね」 モブ「第3位!何気にイケメン!」 淡「普通にイケメン!!」バンッ モブ「!?」ビクッ 淡「あ……」 モブ「……私もこれには同意かな?」 淡「……私も」 モブ「気を取り直して、第2位!さり気ない気遣いができる!」 淡「……なるほどね」 モブ「私は、これは納得出来ないんだよね。須賀ってそんな気遣いできるような男?」 淡「できるよ!歩いて帰るとき、さり気なく道路側歩いてくれるし!重いものもってると半分持ってくれるし!」 モブ「…………」 淡「………って聞いたことある」 モブ「そ、そう……」 淡「……」 モブ「……じゃあ第1位いってみようか……」 淡「うん」 モブ「1位はなんと、優しいから!」 淡「わかる!」 モブ「……」 淡「私が知ってる限り、きょーたろほど気がきいて優しい人はいないね」 淡「あ、この間ね?電車乗ってたら混んできたの」 淡「そしたらきょーたろが私のこと隅っこに押すからどうしたのかな?って思ったらーーはっ!」 モブ「……いいよ?つづけて」 淡「……きょーたろがね?『男が多いから……』とか言うの!もう胸きゅんだよ!」キャーキャー 淡「痴漢対策なのかな?もうそんなことまで考えてくれるなんてきょーたろくらいだよ♪」 モブ「……だね」 終わり 『二人でツイスターゲームしてた』 部室。 淡「…………」 京太郎「…………」 照「これ、やろう」っツイスター 淡「あ、あのーテルー?」 照「なに?」 淡「なんでツイスターなの?」 照「くるってやりたいから」 京太郎「でもマズくないですか?ここ部室ですよ?」アセアセ 照「大丈夫、菫は会議でいない」 京太郎・淡(駄目だこれ……) 淡「あ、でも、くるってやりたいだけなら私たちがやらなくてもいいんだよね?」 照「だめ」 京太郎「なぜ!?」 照「このくるくるはツイスターで使うもの。つまり、ツイスター以外の使い方はいけない」 京太郎・淡(なにその理論) 照「それに、ひとりでくるくるやっても楽しくない」シュン 京太郎「やりましょう!」クワッ 淡「てい!」ドスッ 京太郎「ぐえ……」 ーーーーーー ーーーー ーー 照「右手、赤」 京太郎「とりあえず、早く終わらせよう」 淡「だね」 照「次、左手、青」 京太郎「てか、そもそも誰がツイスター持ってきたんだ?」 淡「たしか、亦野先輩……」 京太郎「あの人かー」 淡「今日の対局、東一で飛ばす……」 京太郎「……」 ーーーー ーー 京太郎「あ、淡?もう少し腰下げてくれないか?」 淡「えー……このままじゃ無理?」 京太郎「淡に覆い被さるようになら……」 淡「……無理かな?」 京太郎「……淡?」 淡「……」サッ 京太郎「」 照「次ー」 ーーーー ーー 淡「ちょ、きょーたろ、動かな……んっ」 京太郎「頼むから変な声出さないでくれ……」 京太郎(腕に胸が……) 淡「だ、だって、あんっ」 京太郎(煩悩退散煩悩退散煩悩退散) 照「これ、楽しい」クルッ ーーーー ーー (淡が簡易ブリッジ状態。その上に覆い被さるように京太郎) 京太郎「…………」アセアセ 淡「……////」 照「……」ワクワク 京太郎「淡、次のでなるべく楽な姿勢とれるようにするからな?」 淡「え、あ、うん////」 淡(きょーたろ……顔近い)カァァ 京太郎「あの、宮永先輩?次は?」 照「……」ジー 京太郎「えっと、なにか?」 照「キスするの?」 京太郎「はぁ!?」 照「それとも……押し倒す?」 京太郎「なんの話だ!」 照「だって、須賀くん、淡に覆い被さるようにしてるし。顔も近い。漫画と一緒」 京太郎「先輩のせいでしょ!?つか、誰だ、そんな漫画を宮永先輩に渡した輩は!」 モブ「……」( -^*)ok 京太郎(おまえか……) モブ「あ、足が滑っちゃった(棒)」 (京太郎の手を払う) 京太郎「あっ!」 淡「え?」 ドンガラガッシャーン 照「……」 モブ「……」 照「……////」 モブ「……////」 ガラガラ 菫「みんな、集まってるか?実はーー」 みんな「」Σ(゚□゚;) 終わり
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1342928340/ 久「ええっ!誰に!?」 京太郎「…く、暗かったので顔も見てないんです」グスグス まこ「げ、元気をだすんじゃ」 和「須賀君…」 優希「た、タコス食うか…?」 京太郎「…皆、ありがとう」グスグス 咲「…なきゃ」 久「?」 咲「消毒しなきゃ!何処の誰かも分からない人に犯されて放って置けないよ!」ガタン 優希「!!」 京太郎「え?」 久「…」スタスタ カチャリ 京太郎「ぶ、部長?」ガタッ 優希「…座ってるんだじぇ、京太郎」ガシッ 京太郎「…ひっ」ガクガク 咲「ちゅっ…れろ…」 京太郎「うっ…」ブルブル 咲「えへへ、京ちゃん気持ちいい?」 京太郎「も、もうやめてくれ咲…」 咲「そっかぁ…もっと頑張るね」 京太郎「さ、咲…」 久「あら、なかなか上手じゃない」 咲「そ、そうですか?えへへ」レロレロ 京太郎「ううっ」 京太郎「のどかっ…これをほどいてくれ…!」ハッ 和「…」ポー 京太郎「発熱してる…むぐっ(息がっ…)」ムググ 和「須賀君…」ギュゥゥ 京太郎(誰か…)ムググ 京太郎「もう誰も信用できない…」ヨロヨロ 京太郎「あんなところ、やめてやる…」 京太郎「…」ヨロヨロ 京太郎「うう…腰が痛い…」 京太郎「もうだめだ…歩けない」ガクッ ハギー「おや?どうなさいました?」 京太郎「…?」 ハギー「歩けないようですね、どうぞこちらへ」ガシッ 京太郎「す、すみません…」ヨロヨロ ハギー「…」 京太郎「…もうだめだ」 京太郎「車で何か飲まされた上に知らないところにつれてこられた…」ズルッズルッ 京太郎「あと、お尻が痛い…」ズルッズルッ 京太郎「這ってでも逃げないと」ズルッズルッ 透華「あら?」 京太郎「!」ビクン 一「き、君!どうしたのそんなところで!」 純「行き倒れか…?ほれ、手を貸してやるよ」グッ 京太郎「す、すみま…」ボッキーン 純「なっ…お前!」 京太郎「!!こ、これは違うんです…へんな薬を飲まされて…」 智紀「こんな男を野放しにしておいては衣が危ない、出せるだけ出しておくべき」 京太郎「誤解なんです!違うんです」 透華「往生際が悪いですわ!」ガシッ 一「ごめんねー、でも衣に万が一があっても嫌だしね」ズルズル 京太郎「うっ…」ローン 透華「またですの?ほんとに一の指使いは一流ですわね」 一「これでも手品師だからね」 智紀「いまので6回目」 純「結構出したな」 京太郎「…じゃ、じゃあこれで…」ズリッズリッ 純「まあ待てよ」ガシッズルズル 京太郎(力強っ!)ズルズル 純「羽交い絞めにしとけばいいのか?」ガシッ 透華「抑えててくださいまし…んあっ」リーチ 透華「じっくりたっぷりねぶるように味わわせていただきますわ」グイグイ 京太郎「も、もう許して…下さっ…ううっ」ローン 透華「あら?もう何も出ませんわね」 純「おいおい俺たちまで回ってくるのか?」 京太郎「この辺は危ない…」ヨタヨタ 京太郎「出来るだけ遠くへ行かないと…」 智美「おーい、そこのー」ブロロロ 京太郎「…?」 佳織(眼が虚ろです…) ゆみ「何処へ行くか知らないがそんな状態では満足に歩けないだろう」 ブロロロ 智美「で…なんであんな事になってたんだー?」ワハハ 京太郎「その…かくかくしかじかで…」 智美「…そ、そうなのかー」ムラムラ もも「た、大変だったっすね…」ムラッ 睦月「う、うむ…」 ブロロロ キキッ 京太郎「…?…ここ、どこですか?」 智美「山」ワハハ ゆみ「…ふぅっ、なかなかよかったぞ」 モモ「こ、これが加治木先輩の中に…」ゴクリ モモ「つ、次私がやるっす!」 京太郎「む、無理です!」ガララ 京太郎「だれか助けてください!」ダダッ モモ「ああっ、だめっすよ」ガシッ 京太郎「だ、だれk…ムゥ」 佳織「す、すみません静かにしてください…」マタガリ 智美「まあこんな山奥だ、誰もこないだろうけどなー」ワハハ モモ「ああっ、先輩に入ったのが私にも入ってるっす!」ヘコヘコ 京太郎「ンー…ンー…」ローン 佳織(息が…当たって…)グリグリビクビク 智美「なかなか回ってこないなー」ワハハ 睦月「うむ」 智美「じゃあ学生証と携帯も控えたし、"またなー"」ブロロ 京太郎「」ピクピク 美穂子「…あら?」 京太郎「…!」 美穂子「よかった…眼が覚めて…」 未春「半日は寝てましたもんね」 華菜「なにがあったか話すし!」 京太郎(この人たちはいい人そうだ…) 京太郎「じ、実は…」 美穂子「…///」モジモジ 華菜「キャプテン照れてるし」 未春「し、しかたないよ女子高なんだし…///」 京太郎「す、すみません…こんな話を…」 華菜「いいし!話すことで楽になることもあるし!」 未春「そういった話に疎いからなんとも言えないけどね…」 華菜「初心だし!」 美穂子「そ、そんなことないわ!私もう高三よ!」 華菜「にゃっ!?キャプテンは経験があるし!?」 美穂子「そ、それは…知識だけなら…多少…」モジモジ 華菜「じゃあ試してみるし!」ガシッ 京太郎「…え?」ビクッ 未春「…」ガシッ 美穂子「…ご、ごめんね?」 京太郎「ひっ」ブルブル 華菜「脱ぐし!」バッ 美穂子「きゃっ…」 未春「これが…男の人の…」 京太郎「も、もういいでしょう?帰してください…」 美穂子「…」サワサワ 京太郎「っ…福路さん…」ピクク 美穂子「…(かわいい)」サワサワ 京太郎「ううっ…」 美穂子「…(確かこうすれば)」コスコス 京太郎「うあっ」ローン 美穂子「きゃっ」ベトッ 華菜「キャプテン!」 美穂子「…(不思議な味)」ドキドキ 美穂子「…」トローン 京太郎「じゃ、じゃあ俺はコレで…」 美穂子「まって」ギュッ 美穂子「もっと、くれるわよね」ハムッレロレロ 京太郎「うあっ…」 華菜「キャプテンばっかりずるいし!華菜ちゃんも舐めるし!」チュゥ 京太郎「ちょっ、離してくださ…」 未春「わ、私も…」レロォ 京太郎「うああっ…」ローン 美穂子「!」ピチャピチャ 華菜「かわった味だし!」 未春「も、もう一回お願い(あんまり飲めなかったや)」 京太郎「そ、そんな…」 ピチャピチャ 京太郎「長野は…だめだ…」 京太郎「あらゆる意味でダメだ…魔界だ…」 京太郎「むこう3年は帰りたくない…ところでここは…」 穏乃「どうかしましたかー?」 京太郎「ひっ…いえ…」 穏乃「もしかして道に迷いましたか?」 京太郎「ま、まあそんなところです」 穏乃「じゃあついてきてください!」 京太郎「は、はあ…」 京太郎(どうしてこんな山奥に人が…) 穏乃「~というわけで迷ってたんだ」 玄「ふぅーむなるほどなるほど」 宥「…」ブルブル 灼「なんにせよよろしく」 レジェ(…この匂い)クンクン レジェ「ねえ君、もしかして~~」 京太郎「え、ま…まあそうですね…それで逃げてきたところです…」 憧「何それ犯罪じゃない!」 レジェ「それは違うわ、須賀君だっけ?あなた気付かなかったの?」 京太郎「…?」 レジェ「ただでさえ女だらけのこの作品で数少ない男キャラ」 レジェ「しかも他の男は完璧超人執事とおじいさん(あとモブ)」 レジェ「貴方は知らず知らずの内に、作品内での男女比率が均等になるようなフェロモンを発していたのよ!」 京太郎「そ、そんな!?じゃあ出来るだけ人から離れないと…」 京太郎「…」ハッ 京太郎「し、失礼しま…ひぃっ」グッ レジェ「まあまあ、その前にやってくことがあるでしょ?」 宥「あったかーい」ギュッ スリスリ 京太郎「や、やめてくださ…」 玄「ふぅーむなるほどこれは見事な…」ヌガシヌガシ 玄「…んっ…れろっ」ジュルジュル 宥「…暖かい」ギュー 穏乃「サンドイッチだね」 憧「なーんか手出しづらいわね」 灼「…」スタスタ 京太郎「ちょっ…離してくださっ…」チュゥー 灼「ん…」チュゥー 憧「…やるじゃん」 穏乃「…」ウズウズ 憧「じゃー空いてる手でも借りよっかな」パシッ 憧「ほら揉んだもんだー」 穏乃「わ、私も!」パシッ ワサワサチュパレロヌルスバラッ レジェ「彼が見えなくなってしまったわ…」ヤレヤレ 照「…ツモ」 照「…ツモ」 淡「最近トルネードツモしなくなりましたね」 照「ああ、出せなくなった」 淡「ええ!?」 照「…」 照(あの日から何故かトルネードが出せない) 照(あれをきっかけに能力が京ちゃんに移ってしまったのだろうか) 照(幸い照魔境は残っているが・・・) 照(京ちゃんから発するなんかいい匂いが風で撒き散らされると大変なことになる) 照(止めないと…でもまずはあと4回ほど咲ニーしておこう) 照(いや…) 照(あと5…6回だな…)キリッ 淡(かっこいい…) 宥「あったかいのもっときてぇー」グリグリ 玄「お、おねえちゃんばっかりずるいよー」フニフニ 京太郎「ウッ…も、もうムリデス…ムググ」 憧「ちょっと手が動いてないわよー」ギュムギュム 京太郎(俺は死ぬんだ…) バターム 「待ちや!!」 阿知賀「!?」 「そのままやったらソイツ死んでまうで…」 レジェ「あ、貴方は…」 穏乃「どうしてここに…」 「きまっとるやろ…うちは未来が見えるねん!」ドーン 京太郎「…た、助けが…きたのか」 怜「そや、辛かったな何回も出さされて、もう安心しい」 京太郎「や、やっと解放される…」 怜「何言うてんねん」 京太郎「…え?」 怜「要は出さんかったらええだけの話や」 怜「うちの力を使えば延々寸止めも可能やで」(マジキチスマイル) 京太郎「…」ダッ 怜「逃げたで!」 穏乃「…」バッ 京太郎「…うわぁっ」ドターン 怜「なかなかタフやな…でもこのすばら印の筋肉弛緩剤(錠剤)を飲ませとけば」スッ 京太郎「ひぃぃ」ガクガク 怜「皆口開けさせえ!」 京太郎「うわあああやめろおお」ドッタンバッタン 京太郎「うあっ…」ローン 怜「まーた放銃かい」 怜「ほな8本場いきましょか」グリグリ 京太郎「待っ…ああっ…」ビックンビックン 怜「ははは、流石に5人がかりで押さえつけられたら何もできへんな」 玄「お任せあれ」 怜「こっちは竜華に毎晩鍛えられとるからな」グリグリ 京太郎「うああ」ローン 怜「早いとこうちをイかせへんとミイラになってまうで」グリグリグリ 京太郎「」ローン 怜「お?」 京太郎「」 怜「…誰か水もってきてー」 レジェ(ほんとに病弱なのかしら) 咲「ここに京ちゃんが…」 久「信用できるのね?」 智美「おー、須賀君の携帯はここを示しているぞー」ワハハ もも「一応GPSアプリ勝手に入れておいてよかったっすね」 ゆみ「さすがモモだ」 透華「まったく、リムジンではなくヘリを手配するべきでしたわ」 池田「でもまあ無事についたし!」 純「ほれ行くぞー」ガチャッ 美穂子「だ、ダメよ勝手に開けちゃあ…」 ゾロゾロゾロ わらわらわら まこ「…」 睦月「…」 まこ「見えんな」 睦月「うむ」 怜「またハコった(気絶)」 煌「このすばら印の気付け薬を使うのですばらっ」 まこ「…」 睦月「…」 まこ「まるで女体の海じゃの」 睦月「うむァ」 咲「カン、カン」グリグリ 咲「もいっこカン」 京太郎「」リンシャンカイホー 京太郎「な、何とか逃げてこれた…」フラフラ 京太郎「痛い…体中べとべとだし…」フラフラ 照「…あれは」 京太郎「…」フラフラ 照(丁度よかった…能力を返してもらおう)ゴスッ 京太郎「…がっ」バタン 京太郎「…うっ」 照「これが…咲の中に…っ!」ズッズッ 京太郎(誰だ…暗くて…見えない…) 京太郎(ダメだ…また意識が…) ~~~ 京太郎「…はっ」ムクッ 京太郎「ここは…旧校舎前…」 京太郎(…何も思い出せない) 京太郎「と、とにかく部室に行かないと」 久「昨日までの記憶がない?」 咲「…」 京太郎「はい…なにがなんやら…」 優希「…」 まこ「その頭のコブはどうしたんじゃ」 京太郎「え…あ…」ズキン 京太郎「そうだ…昨日俺は誰かに殴られて…」 京太郎「…あ」 和「そ、それで…」 京太郎「レイプされた…」 カン
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377983742/ ガラス製の丸テーブルの上にはアップルパイにチョコレートケーキ、エクルズケーキ、シュークリーム、マカロン、クッキー、 スコーンとその添え物の生クリームとストロベリージャムが所狭しと並び、それから人数分のミルクティーが置かれている。 咲「わぁすごいね」 京太郎「まぁな。ちょっといろいろ奮発してみた」 半分は買ってきたものだが、もう半分は俺の手作りだ。 京太郎「照さんも遠慮せずにたくさん食べてくださ、……」 照「……」サクサクサクサクサクサクサク 言う前から、すでにマカロンやクッキーを頬張っていた。はえぇよ。 ちょっと用意しすぎたかとも思ったが杞憂だったようだ。 咲「お姉ちゃん……」 京太郎「あ、はは……まぁ咲も遠慮せずに食べてくれよ」 咲「えっと、京ちゃんが作ったのはどれかな?」 京太郎「ん~っと、アップルパイとシュークリームとクッキーかな。後そのイチゴジャムは俺の自作」 咲「じゃあシュークリームを」 そういって咲がシュークリームに手を伸ばそうとした瞬間、まるで小動物を強襲する猛禽類のような速度で照さんの手が翻る。 一瞬早く、照さんが菓子を掻っ攫っていく。 双眸には猛獣の眼光。 咲「……」 京太郎「てい」 指先で照さんの額を弾く。 照「あう」 京太郎「まったく。大人気ないことしおって」 京太郎「ほら、咲」 咲「あ、うん。ありがと京ちゃん」 照「京ちゃん。酷い……」サスサス 京太郎「あんたが悪い」 用意したお菓子の半分が照さんの手によって消費された頃、ようやく一息つく。 咲「美味しかったよありがと京ちゃん」 京太郎「どっちが?」 咲「どっちも、と言いたいところだけど、身内贔屓で京ちゃんかな」 京太郎「花を持たせてもらったって感じがするけどまぁ良いか。俺も久々に思いっきり料理が出来て楽しかった、ありがとな」 咲「うん」 照「……」サクサク 京太郎「照さんは……うん、まぁ作り甲斐があってよかったです。うん」 照「?」 照「ふぅ……」 ようやく照さんも一息。 咲「なんだか久し振りだね。この雰囲気」 京太郎「3人で集まったのはインハイの決勝の後だったっけ?」 咲「そうだけど、なんかそれよりももっと長く感じる」 京太郎「まぁ実際そうだしな」 照「……」ジー 京太郎「? どうかしました? 照さん」 こちらをジッと見ている照さんを疑問に思いつつミルクティーの注がれたカップに口をつける。 照「京ちゃんは、今好きな人っているの?」 京太郎「ぶふぅっ!?」 吹いた。盛大に。 咲「ちょ! おおおお、お姉ちゃん、いきなりなに聞いてるの!?」 京太郎「ゴホッ、ゴホッ!」 いかん、気管支に入った。苦しくて涙が滲む。 咲「京ちゃん、大丈夫?」サスサス 京太郎「ゴホッ、ああ、うん。すまん咲、ありがとう。ゴホッ」 咲に背中をなでてもらってなんとか持ち直す。 京太郎「あ、えー照さん?」 照「なに?」 京太郎「なんでいきなりそんな話に?」 照「京ちゃんは清澄の人たちはもちろん、うちや阿知賀のみんなと仲が良い。だからどうなのかなって」 もしかしてこの人この間ずっとそのこと考えてたのか? 京太郎「それ答えないとダメなの?」 照「ダメ」 京太郎「言い切ったな」 京太郎「大体なんでこんな話を、咲からもなんか言ってやってく、」 咲「……」モジモジ わーお。君もそっち側なの? 咲は俺と目を合わせないように、けどチラチラこちらを伺いながら早く話せと無言で続きを催促してくる。 京太郎「好きな人ねぇ。好きな人……いません」 照「京ちゃんは私たちのこと嫌いなんだって咲」メソメソ 咲「ええ!? そうなの京ちゃん!」 京太郎「なんでそうなった!? どんな飛躍だよ!」 照「じゃあ好き?」 咲「///」 京太郎「はぁ……究極の二択ですね。もちろん好きですよ」 照「だって、やったね咲」 咲「わ、私は別に……///」 京太郎「あの、ゆっときますけどそんな深刻な意味じゃないですよ?」 照「にやり」 京太郎「おい、その『してやったり』みたいな顔やめろ」 照「でも今好きって言った」 京太郎「いいよそういう言葉のマジック!」 照「京ちゃん、うちの淡や阿知賀の玄ちゃんとも仲いいよね」 咲「!」ピク 京太郎「あの、もうちょっと会話の前後の繋がり重視してもらっていいですか?」 京太郎「そりゃまぁいいですけど、別にそんな、そういうアレじゃないですよ」 照「付き合いたいとか、そういった考えはないの?」 京太郎「俺だって別にそういった願望がないわけじゃないですよ。たとえばその2人に限らずに」 京太郎「ただ、俺のポンコツ許容量は君ら2人で本体、予備、緊急用、来世の前借分までいっぱいなんでそういった隙がないだけです」 ポンコツの姉とポンコツの妹、両方面倒を見なくちゃいけないのが中間管理職の辛いところだ。 咲「ホッ」 照「よかった」 照「好きな人がいないなら、じゃあ好きなタイプとかは?」 京太郎「好きなタイプ~?」 照「たとえば年上と年下ならどっち?」 京太郎「俺、どっちかって言うと同い年か年下がいいんだけど」 咲「ホント!?」ガタッ 京太郎「お、おう?」タジ 照「ちなみにどうして?」 京太郎「俺が主導権を握りたいから……」 京太郎「っと最近まで思っていたんだけどどうも俺は年齢に関わらず女性に頭が上がらない気質らしく、正直これはどっちでも良くなった」 照「じゃあ次の質問」 京太郎「あ、これ続くのね」 照「家事は出来るほうがいい?」 京太郎「家事ねぇ、別にどっちでも。最初は出来なくてもやってくうちに上手くなるだろうし」 京太郎「最悪、俺が自分でやるし」 咲「京ちゃん……」ホロリ 照「では最後の質問です」 京太郎「へぇ」 照「胸は小さいほうがいいよね?」 京太郎「なにその質問」 京太郎「おも、胸は大きいほうが……いや待て今のは無しだ。なんで幼馴染の女の子2人に俺の性癖暴露せにゃならんのだ」 照「そもそも京ちゃんのその趣向はおかしい」ズビシ 京太郎「ほう、言ったな。一席打つか?」 照「たとえば人の価値観って育ってきた環境に影響さえたりするよね」 照「たとえば、お金持ちの人から見たら価値のないものでも、貧しい人から見たら価値があるとか」 京太郎「はぁ」 照「京ちゃんは、私たちの一緒に育ってきたんだから、私や咲みたいなポンコツで胸の無い娘を好きになるはず」 京太郎「いやむしろその環境にあったが故のというか。後、自分で言ってて悲しくありません?」 照「少し」 咲「私! 私はまだこれから大きくなるよね! 牛乳だって飲んでるし」 照「……」 京太郎「……」 咲「お姉ちゃん!? 京ちゃん!?」 京太郎「なぁ咲、遺伝学的に考えてこの先そんなことが起こりうると本気で思ってるのか?」 咲「それは……」チラッ 照「」テルーン 咲「ふえぇぇぇぇぇぇ、京ちゃぁぁぁぁん!」 こうまで科学的な証拠を提示されてはさしもの咲も納得せざるを得ない。 咲は止め処もなく、失意の涙を滂沱と流した。 照「2人とも失礼」ムゥー 咲「やっぱり京ちゃんは胸が大きいほうがいいんだ!」 咲「だから和ちゃんとか渋谷さんとか松実さんのお姉さんとかには対応が妙に優しいんだ!」 京太郎「ん? ん、まぁそうだけど」 けどそれ宗教上の理由であって、いやまあ可愛いと思うしぶっちゃけ結婚するならああいった人たちがいいけど。 京太郎「それがすべてじゃないから、な? なんで泣いてるかわかんないけど泣き止めよ。お前が泣いてると俺も悲しい」 照「咲を泣かせるなんてダメだぞ。京ちゃん。お姉ちゃんは憤慨します」 京太郎「あの、ちょっと黙っててもらっていいですか?」 照「胸なんて飾りです! 京ちゃんにはそれがわからんのです!」 咲「そうだ! そうだ! 胸はなくても人権はあるぞ!」 京太郎「ちょっと落ち着け! っていうかなんか会話の方向性おかしくない? 後、俺ばっか質問されてて釈然としない」 京太郎「逆に聞きたいんだけど、2人はどうなの? 好きな人とかいるの?」 照「黙秘権を行使します」 咲「お、同じく……」 京太郎「まぁ絶対そういうと思ってたけどね!」 この俺ルールっぷり。これについては我々はもう熟知してるのでね、最早なんの感慨もないですが。 京太郎「淡はいるかあああああああっ!!!」バーン! 白糸台の面々が泊まっている部屋の戸を盛大にブチ開ける。 何故俺がこんなに怒り心頭なのか。昼飯の後サロンのソファーで昼寝をしていた俺は、 目を覚ましてから洗面所で顔を洗おうとして鏡を覗き込んで驚愕した。 それはもうなんか、なんかすごいとんでもなく面白い顔になっていた。噴飯ものである。 根拠はないがこんなことをするのはきっと淡だ。俺の本能がそう言っている! 菫「!?」 部屋にいたのは弘世先輩だけ。突然の不躾な訪問に驚いているようだ。そういえばノックするのを忘れていた。 普段、礼節を重んじる俺だがそんな精神的余裕は存在しなかった。 菫「す、おま、……!?//////」 京太郎「?」 真っ赤になりながら口をパクパク開閉させる。弘世先輩。 よく見れば服の胸元が肌蹴ている。微かな違和感。 一瞬で状況把握。 はっはっはっ。な~んだ、今日は俺の命日だったのか。…………っておいぃぃ!? 京太郎「すんませんっした!? さーせんっした!!」 即座に土下座した。有史以来最も美しい形だったと自分でも思う。 菫「いいからさっさと出ていってくれ!」 曰く至言。 俺は速攻で回れ右をし、部屋を出て行こうとする。 パタパタパタ 響いたのは足音、しかも複数。おそらくこの部屋に向かってきているらしい。 京太郎「」 ちょっと待て、この状況はすごくまずいんじゃないか? 菫「くっ! 来い!」 弘世先輩に襟首を掴まれ、次の瞬間世界が回転。 暗闇の中に放り込まれる。背中には柔らかな感触を感じ、 次いで身体の前面にも背中に感じるものとは違う柔らかくまた仄かに温かななにか。 ガラッ 淡「あれー? スミレいないねー」 誠子「どこかに出かけたのかな」 尭深「別の場所も探してみよう?」 パタパタパタ 声と足音が遠ざかっていく。っていうかちょっと待て! そこにいるのは世界の根源悪である淡か! ちくしょう! そこを動くな! 菫「おい須賀! モゾモゾ動くな!」ボソボソ かなり近い位置から弘世先輩のこれが聞こえる。 まさかこのあったかくて柔らかいものは……。 京太郎「弘世、先輩……だと」モゾリ 菫「こらだから動くなと、あ、ん……」 なにか手のひらに一際やわっこいものが掠めた。 一瞬だが弘世先輩の声に色が混じった。 これはもしや……おもち!? 玄さん、俺やりましたよ。初めておもちに触れました。今晩は赤飯だな。 ようやく理解できた。 ここはどうやら備え付けの押入れの中で、布団やその他の雑多なものに紛れて俺と、 俺に抱えられるようにして弘世先輩が押し込まれているようだ。 菫「くっ、いいか須賀。とりあえずいったんここから出るぞ。貴様を尋問するのはその後だ」 そういって身を捩るが完全にはまり込んでしまっており俺達は抜け出せない。 菫「どういうことだ? 無理矢理とは言え入れたなら出れるはずだろう!?」 京太郎「……」 菫「そんな短時間で人間の体積が大きくなるわけ……」 暗闇に慣れてきた目に弘世先輩の顔が薄ぼんやりと映る。その顔には極大の嫌悪感。 菫「おい、この腰の辺りに当たる硬いものはなんだ?」 京太郎「えっと、その……リー棒とか、じゃないでしょうか?」 菫「こんな大きなリー棒があるか!?」 京太郎「いやいや、わかりませんよ? 大判トランプとかありますし、それにほら悪魔の証明ってあるでしょう?」 京太郎「まずは存在しないことを証明しないと」 京太郎「案外、大きなリー棒とかジョークで作られたりとかも痛たたたったたたっい!?」 弘世先輩が遮二無二にでも出ていこうとして俺の下半身に凄まじい荷重が加わる。 菫「うるさい! こんな不愉快な状況1秒たりとも我慢できるか」 京太郎「ちょっ! ホント、ホントに痛いんですって! 悪魔? 悪魔は実在したの!? 弘世先輩自身が悪魔なの!?」 俺は這い出そうとする弘世先輩の身体をガッチリ抱きしめる。 菫「あ、こら! なにを抱きついている! 離さないか!」 京太郎「いや、もうホント勘弁してください。ホント、マジで」 菫「じゃあこの状況をどうしてくれるんだ?」 京太郎「少しだけ時間をくれませんか? 時間が、そう優しい時の流れだけが僕らを癒してくれるんです」 菫「よし、わかった。君を気絶させよう。そうすればその超局部的体積膨張も解消され、ここから抜け出せる。そこから改めて君を処刑しようか」 京太郎「ひぃ!? なんでそんな実力行使なんですか!?」 菫「心配するな、これでも私は武道の心得があるし人体急所もきちんと把握している。顎を出せ、一瞬で昇天させてやろう」 京太郎「死にますよね!? それ死んでますよね!?」 菫「いいから早くしろ。私はあまり気が長いほうではない」 京太郎「あの、えっと……そうだ! そもそも弘世先まで一緒にここ入る必要なかったですよね!? 必死に捻り出した俺の疑問をぶつけると、押し入れ内に充満していた凄まじいまでの怒気が収まっていく。逸らせたか!? 菫「須賀。貴様、私の胸に触れたな。どう思った?」 京太郎「すみませんだした! お願い殺さないで! 俺まだ命が惜しい……」 菫「いいから答えろ」 京太郎「えっと、なんていうか。やんごとなき手触りで。いやすいません、正直思ってたより小さいというか」 菫「そうか……」 先輩の声には落胆。 京太郎「弘世先輩?」 菫「実は普段のあれはパットだ」 京太郎「」 最初に感じた違和感の正体はこれか。 ってかマジかよ。世界は嘘と欺瞞に満ちていた。もう、もう俺は誰も信じない。世界なんて信じない。 菫「……」 京太郎「あの……じゃあここに一緒に入ったのはそれを他に人にバレないようにってことですか?」 菫「……」コクン 京太郎「隠すくらいならなんでそんなこと……」 菫「元からこうだったわけではないんだ。ある日突然、朝目が覚めたら小さくなっていて……」 京太郎「」 どゆこったい。 アレか? 世界の修正力か? いや知らんけど。 玄さんがいっていたのはこれか。さすがおもちソムリエ、その審美眼に一点の曇りなし。 京太郎「だからってそんな隠さなくても」 菫「だって……」 京太郎「だって?」 菫「恥ずかしいじゃないか///」 京太郎「」キュン 可愛いなぁもう! 菫「だから須賀、できればこのことは他言無用で」 京太郎「わかりました。誰にも言いません」ナデナデ 菫「お、おい//////」 気付けば俺は弘世先輩の頭を撫でていた。 京太郎「は!? すみませんつい」 菫「いや、いい……ちょっとビックリしただけだ」 京太郎「そ、そうですか……」 菫「その、続けてもいぞ……?」 京太郎「え?」 菫「だから、頭、撫でてもいいぞ///」 京太郎「クスッ、はい」 なんだか腕の中に納まる弘世先輩の身体が一回りだけ小さく感じられた。 おおよそ四半刻が経ったころ。ようやく俺達は狭苦しい押入れから抜け出した。 菫「い、いいぞ」 背中越しに声。肌蹴ていたブラウスを正した弘世先輩に向き直る。 京太郎「あの、いろいろすみませんでした」 そしてありがとうございました。 菫「いや、いい。もう……///」 いつもハキハキとした弘世先輩にしては歯切れが悪い。 京太郎「そうですか? けどそれじゃあ俺の気が済みません。いずれこのお詫びは必ず」 菫「君の気が済むのなら、じゃあそれで」 京太郎「はい!」 菫「いいか、念を押しておくがこの件は絶対に他言無用だぞ」 京太郎「はい! 2人だけの秘密ですね」 菫「2人だけ、そうか2人だけの秘密か。ふふ」 京太郎「?」 なにやら嬉しそうだ。ぶっちゃけ玄さんにもバレてたし、案外知ってる人いそうだけども。 菫「頼むぞ京太郎」 京太郎「!? はい! 菫先輩」 いろいろあったが少しだけ弘世、いや菫先輩と仲良くなれた気がした。 ――――― ――― ― 淡「そういえばスミレって胸小さくなったよねー」アハハハ 照「知ってた」テルーン 菫「貴様らあああああああああ!!!」 それはそれは凄まじい折檻だったという。 京太郎「ってなんで俺まで!?」 菫「連帯責任だ!」 京太郎「理不尽だ!?」 みんな忘れてると思うけど、この合宿はインターハイ後の8月中旬から下旬にかけての期間に行われている。 8月といえば我々学生は夏休みの真っ最中なわけだが、っとくれば日本全国の学生諸君の大敵である、 そう夏休みの宿題も当然あるわけである。 優希「うあ~なんでこんな遠出してまで宿題なんてやらないといけないんだじぇ~」 京太郎「そら、お前がぜんぜんやってないからだろ」 優希「こちとらインハイ優勝チームなのに!」 和「たとえそうでも学生の本分は勉学ですよゆーき」 京太郎「事実そうなんだけど、ちょっとその意見には同意しかねる」 京太郎「そっちも悪いね。付き合わせちゃって」 玄「あはは、いいよ。ぜんぜん」 憧「まぁこっちも同じようなのがいるからね」 穏乃「あ~なんでこんなことしなきゃいけないの~」 どこも苦労するな。 そしてもう1人……。 淡「む~ん」 こいつ……。 京太郎「ペンくらい持てよ。やる気ゼロだな」 淡「だって~つーまんないー」アワーン 優希「大体京太郎! なんでお前はそんな呑気にしてるんだじぇ!」ガタッ 穏乃「そうだそうだ! 京太郎はどう考えてもこっち側の人間だ!」ガタタッ ぎゃーぎゃー騒ぎ出す。いいから口じゃなくて手を動かせ絶頂バカ2人! 京太郎「は? そりゃお前俺は時間だけはあったからな。コツコツやってたんだよ」 京太郎「まぁ大半テキトーに埋めただけだけど」 和「それもどうなんでしょうか」 優希「くっ、のどちゃんや咲ちゃんはともかく京太郎はこっち側だと思って高を括っていたのに」 穏乃「酷い裏切りだよ! こんなのってないよ!」 京太郎「ちょっとその俺も同じタイプ認定やめてくれる? お前らが仲良いのわかったからさぁ。俺そっちのグループ入りたくないんだけど」 優希「春は曙、曙って?」 京太郎「明け方ってことだ」 優希「やうやう白く、やうやうって?」 京太郎「徐々にとか、だんだんととかってことだ」 優希「なりゆく山際、山際って?」 京太郎「山と空の境界線の、っていうかあのさぁ」 優希「なんだじぇ?」 京太郎「一節ごとに聞いてくるのやめてくれない。なんかそういう規約でもあるの?」 優希「そんなのこの文章に言ってほしいじぇ! なんでこんな読みにくいんだ、そういいたいなら最初っからそう書けばいいのに!」 京太郎「いや、うん、まぁ、そうだけどさ、これ古典だし。言い回しってのも覚えると結構便利なんだぞ?」 優希「知らないんだじぇ! 私には関係ないんだじぇ!」 京太郎「だじぇだじぇ言いやがってこいっつぅ~」 穏乃「なんで英語なんて勉強しなくちゃいけないの~」ムーン 憧「なんでって」 穏乃「大体私達は日本人なんだから! 日本語だけで十分じゃん!」 京太郎「地球人だろ地球語勉強しろ」 京太郎「それに日本語の勉強って、それはそれでアレだぞ」 俺はうんうん唸っている優希の方を指差す。 優希「のどちゃ~ん、これ教えて~」 和「この『たなびきたる』の『たる』は、助動詞『たり』の連体形止めで、これは体言止めと同じ働きを」 穏乃「日本語って難しい……」 京太郎「英語といえばさ。俺、以前部長の指令で姫松に遠征に行った事があるんだけど」 憧「ふぅん、それで」 京太郎「そこの主将の洋榎先輩が英語の授業で『I can fly』のlがrになってたらしく」 憧「ぷふっ」 察した憧が小さく噴出す。 京太郎「これって直訳すると『私はからあげになるぞ!』って意味なんだよな」 京太郎「主将これは痛恨のミス! 末原先輩達にしばらくネタにされてたんだわな」 玄「それは、なかなかのなかなかだね……」アハハ 玄さんのリアクションに困ったかのようなぎこちない笑い。わかります。 京太郎「今どうしてんだろな、からあげ先輩」 ――――― ――― ― 洋榎「はっ! 今ガースーがうちのこと考えてるような気ィする」 絹恵「おねーちゃん頭大丈夫?」 恭子「あかんやろなぁ」 淡「クロー、これはー?」 玄「あ、えっとね。これは3ページ前の……これ。この公式に数字を当て嵌めて」 京太郎「あなたそれ20分くらい前にも聞いてなかった?」 淡「だって忘れちゃったんだもーん」 博士の愛した数式かよ……4分の1しか保ててないけど。 京太郎「淡って得意な科目とかあんの?」 淡「ありまへん」 京太郎「え、じゃあ苦手な科目は?」 淡「恋?」アワ? ぶ、ぶん殴ってしまいたい……。 優希「淡ちゃんがんばるんだじぇ! 私も痛みに耐えてがんばるから!」 淡「ユッキーがそこまで言うならがんばる!」ムン 和「痛みに耐えて?」 京太郎「なんか政治みたいな話になってきたな」 玄「け、けど。京太郎くんって意外と真面目なんでね」 間を取り持とうと話題を振ってくる玄さん。 京太郎「俺って基本どんな風に見られてんだろうな?」 憧「見た目通りでしょうよ」 京太郎「左様で」 和「そういえば咲さんが、須賀君は赤点の補習でインターハイ一緒に行けるか、なんて話を以前してましたよ」 優希「ほら見ろ! ほーら見ろ! やっぱり犬は所詮犬だじぇ!」 京太郎「うっせ! 俺だって真面目にやれば赤点なんて取らねぇんだよ!」 憧「じゃあ不真面目にやったらどうなるのよ」 京太郎「実は中2の一学期にな、クラスの奴と赤点チキンレースなるものをやってな」 憧「なにその聞くからに頭の悪そうなレース」 京太郎「まぁその名の通り、いかに赤点ギリギリを多くの科目で取れるかという過酷な競技でな」 和「あ、大体察しました」 京太郎「まぁ予想の通り盛大にオーバーランしたんだわ俺、その数なんと7つ。で、補習で夏休みの大半を消費しちまってな」 京太郎「咲と約束していたプールだとか夏祭りだとかをほとんどぶっちぎってしまい」 京太郎「これには普段温厚で通ってる咲さんもぶち切れてね」 京太郎「機嫌を直すまでしばらくかかってな、二学期になっても1週間くらい口利いてくれなった」 優希「アホだじぇ」 穏乃「アホだ」 憧「アホね」 和「アホですかあなたは」 淡「アーホー!」 ぼろくそ言うなこいつら。 玄「でもほら、今年は大丈夫だったみたいだし合宿もこうして一緒に参加出来てるから良かったよね!」アセアセ 京太郎「さすが玄さん! 俺のことをわかってくれる高徳の聖者はあなただけだ!」ニギ 俺は身を乗り出し、対面に座る玄さんの手を握る。 玄「はわわわわわ!?///」 急に顔を赤らめる玄さん。熱かったのだろうか。冷房の設定いくつだったっけ? 京太郎「玄さん……」ジッ 玄「京太郎くん……///」ポォ しばし見詰め合う俺達。 淡「むぅ~いつまで見詰め合ってんの!」ピシッピシッ! 小さく刻んだ消しゴムの欠片を指先で弾いて跳ばしてくる淡。 京太郎「くっ、地味な攻撃ながら心にズンとく来る!?」 玄「……」ニギニギ ガチャ 晴絵「ん……お! 雁首揃えて何してるかと思ったら」 扉が開き、そこから顔を覗かせたのは赤土先生。 晴絵「ほぉ、宿題とは関心関心」 憧「やだハルエ、そんな教師みたいなこと言って」アハハ 晴絵「教師ですが」 穏乃「センセー! なんで学校ってこんな勉強しなくちゃいけないんですか!?」 晴絵「なんでってそりゃ、将来のためとかいろいろあるでしょ」 穏乃「学校の勉強なんて将来役に立つわけないじゃないですか!」 晴絵「先生もそう思ってた時期があったんだけどね」 晴絵「社会に出てから、これが案外使うから困り物なのよ」 京太郎「先生も苦労してるんですね」 晴絵「ありがとよ」 心底嫌そうにお礼を言われた。 京太郎「どういたしまして」 憧「ハルエはこれから?」 晴絵「灼とちょっとドライブ」 和「そういえば、小学校の頃から気になっていたんですが憧は何故先生に対して呼び捨てなんですか?」 晴絵「私が許可してんの。気安いほうが私も楽だし、年功序列は年寄りに悪しき風習だからね」 穏乃「私は先生は先生って感じだな~」 晴絵「穏乃は良い子だね!」グリグリ 穏乃「あはは、やーめーてーよー!」 口では拒否しつつも決して振り解こうとはしない穏乃。師弟、微笑ましい光景である。 京太郎「ふむ……気安い感じか」 優希「どうしたんだじぇ?」 京太郎「よっしゃ、ハルエちょっと焼きそばパン買って来い!」ピッ! 晴絵「調子に乗るなよ青二才」 先生が去って再びここ。 京太郎「なぁ、俺、今どんな顔してる?」 穏乃「んとね、ストⅡの負けたキャラの顔グラみたいな顔」 京太郎「マジか。ちょっと写メ撮っとこうかな」パシャ 憧「はいはい。横槍入ったけどほら、宿題の続き」パンパン 手を叩いてその場を仕切り直す憧。 優希「ちぇ~このまま煙に巻けるかと思ったのに」 穏乃「憧は容赦ないな~」 憧「このまま見限ってもいいのよ?」 穏乃「やるよ! ゆーき!」 優希「合点だじぇ! しずちゃん!」 淡「スピー……」Zzzz 全員「え?」 玄「寝ちゃってるね」 憧「やけに静かだと思ったら」 京太郎「あの、もうホント俺こいつもう見放したいんだけど」 和「大星さんは寝てしまったようですし、どうしましょうか?」 京太郎「起こす? 起こす!? 鉄拳で!」 俺は右の拳を硬く握り締める。淡を叩き起こせと轟き叫ぶ。 玄「可哀想だよ~こんな気持ち良さそうに寝ちゃってるのに」ナデナデ 淡「ふにゃ……」Zzz 京太郎「じょうがねぇなぁ」ガタ 悪態をつきながら俺は席を立つ。 穏乃「どかしたの?」 京太郎「そのまま寝てて風邪でも引かれても寝覚めが悪いからな」 京太郎「なんかかけるもん取ってくる」 ガチャ、バタン 穏乃「なんだかんだいって優しいよね、京太郎って」 玄「だね~、気配り上手だよね」 和「そうですね。須賀君自身はなんでもないことのように振舞ってますけど」 優希「それがあいつの良いところだじぇ」フンス 和「特にゆーきは日頃からお世話になりっぱなしですよね」 和の声に僅かにからかいの要素が含有されていた。普段の彼女からは珍しい行為である。 優希「ちょ、違うじょ! 私は犬の飼い主として普段から躾を」 憧「とかなんとか言って~ホントは構ってもらいたいだけのくせに~」ニヤニヤ その空気に便乗し、ここぞとばかりに優希を弄りだす。 玄「あはは、仲良しさんだ~」ニコニコ 一緒になって笑う玄。この人に関しては本気でそう思っているんだろう。 ガチャ 穏乃「お、帰ってきた」 京太郎「ただい、……なにこの雰囲気?」 帰ってきてみると、女性陣はなんともいえない雰囲気に包まれていた。 和と玄さんは楽しそうにニコニコと微笑み、憧は訳知り顔で朗笑している。穏乃だけは平常運転。 優希だけがなにやら納得いかないといった顔で俺を睨んでくる。心なしか顔も赤い。何故だ? 京太郎「なに怒ってんのお前?」 優希「なんでもないじぇ!」 怒鳴られた。不合理だ。 憧「それよりかけるもの取ってきたんじゃないの?」 京太郎「おっとそうだった」 憧の指摘で本来の目的を思い出す。 京太郎「タオルケットみたいな手頃なものが無かったからダンボール持ってきた」 憧「何故そうなる」 俺は畳んであったダンボールを広げ、底辺だけをガムテープで止めると即席で箱を組み上げる。 京太郎「そうだ、名前も書いといてやろう大、星、淡っと」 油性マジックで側面に超前衛的な字で署名をしておいてやった。 京太郎「どうだこの特別仕様感。きっと喜ぶぞこの天然記念物バカは!」 ダンボールといえば咲のアイデンティティーだが今回は同い年のよしみで見逃してもらおう。 俺は机に突っ伏して寝ている淡の上にそっとダンボールを被せる。 うん、完璧。 和「あれは絶対根に持ってますね」 憧「淡が起きた後がさぞ見ものね」 不穏当な会話が聞こえるが華麗にスルー。 ___________ .... -‐'''¨´ .... -‐''''¨^| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | | | |__ | | 大星淡. | / <Zzz… | | .. ''´ |________|_.. -‐'''¨´ / / '――――――――' 京太郎「『だよー』、『なのよー』、『ですよー』……『三よー』!!」 和「なにを言ってるんでしょうか彼は」 憧「あたしに聞かないでよ」 穏乃「わかった! つまり『よー』の部分がかかってるんだ」 京太郎「さすが穏乃! よくわかってくれた、俺のこの難解なギャグをよくわかってくれた」 玄「わかる?」 優希「さすがに無理だじぇ」 穏乃「understand、う、うんだー……?」 京太郎「アンダースタンドな」 穏乃「意味は?」 京太郎「理解する」 穏乃「ほうほう。り、か、い、す、る……っと」 京太郎「ちなみにアンダー(下)がスタンド(勃つ)するって意味じゃないぜ! アンダスタン?」 憧「ちょっと、京太郎ちょっと」 京太郎「なんじゃらほい」 憧「黙れ」 京太郎「はい」 穏乃「さぁいい具合に場が白けてきたところでなんかして遊ぼう!」 憧「いやシズは宿題やりなさいよ」 優希「今日はもう十分やったよ! もうそろお開きでいいと思うじぇ」 京太郎「そんんだからお前らは、今この結果があるんだろうが」 厳然たる事実がそこには横たわってますよ? 京太郎「そんなんで休み明けのテストとか大丈夫なんか?」 穏乃「大丈夫! 私、本番に強いタイプだから」 優希「私も私も!」 京太郎「ホントか~」 自信満々で言ってのける穏乃に怪訝な視線を向ける。 穏乃「ホントだよ!」 京太郎「じゃあ得意な科目は?」 穏乃「ずがこーさく!」 『折り紙』とは、 正方形の色紙を決まった手順で折り動植物や生活用品などを形作る日本伝統かつ、日本起源の遊び。 古くは千代紙と呼ばれる和紙を使用した。 もっとも一般的な正方形の紙を使用する不切正方形一枚折り。 いくつかの部分に分けてそれを組み合わせる複合折り。 紙に切り込みを入れて角の数を増やしたり一部を切り取ったりする切り込み折り。 形作ったものを動かせる玩具として作られた仕掛け折りなのどがある。 憧「ってなんであたしたち折り紙なんてやってるのよ」 京太郎「そらお前、穏乃が工作得意だって言うから」 完成した風船を机に置く。 京太郎「まぁいった本人はアレだが」 穏乃「うにゃ!? またズレた!」 和「…………」バババババババババ 玄「和ちゃんは折り紙を見た瞬間、折鶴職人みたいになってるね」 和の周りには出来上がった折鶴が群舞となって散乱する。 京太郎「ああ……いるいる、クラス1人はこういう女子」 和「ふぅ……」 一段落したからか洗脳が解けたのか、和は忙しなく動かしていた手を止め額を拭う真似をする。 京太郎「和はなんていうか、……すごいね」 俺が賛辞を送ると、和は今で見たこともないような朗らかな顔で笑う。 和「そうですか!? 私、折鶴には少し自信があるんです!」 やや興奮気味に詰め寄ってくる。こんな和かつてないな。 和「実は『秘伝千羽鶴折形』も愛読してまして」 なにそれ? 魔導書? 和「これは原本はもう手に入らないんですが、改訂版が出版されてて」 なんだこいつの目。目が離せねぇ、キラキラ輝いてまるで星みたいな……。 玄「そういえば和ちゃんがまだ吉野にいたころ」 玄「赤土先生のお誕生日会をやろうってなった時もこんな風に折り紙で飾り付けとかしたよね」 憧「やったやった。色紙切って連環にして飾ったりね」 穏乃「花とかも作ったよね。紙だけど」 和「懐かしいですね」 言葉の通り、昔を懐かしむように和が目を細める。 玄「またこうやってみんなで集まれたらなってずっと思ってたから、とっても嬉しいよ」 憧「ま、それもシズの行動力のおかげかしら」 穏乃「憧は最初、断ったくせに~」 憧「もう! そのときの話はもういいでしょ!」 玄「あははは」 幼馴染組が仲良く談笑しているのをよそに俺は何かに没頭している優希を観察する。 京太郎「それ、さっきからなにやってんの?」 優希「これか? ふふふ、見ろ! 折り紙で作ったタコスだじぇ!」 優希はドヤねん顔でその白と緑と赤と橙の色紙を重ねて折っただけの物を俺に突き出してくる。 眼前の物体を反芻するがやっぱり白と緑と赤と橙の色紙を重ねて折っただけの物にしか見えない。 京太郎「いやどう見ても色紙を重ねて折っただけの物にしか見えんのだが?」 優希「犬の目は節穴か! よく見るんだじぇ!」 そういって優希は同じ物を大量に作り出す。 なんだこの不毛な生産光景……。 京太郎「よし! お前のそのタコスに対する飽くなき執着心はわかった。ちょっと待ってろ!」 それだけ言い残すと俺は再び部屋を出て行った。 穏乃「またどっか行ったね」 和「ゆーき。まさかまたなにか無茶を言ったんですか?」 優希「言い掛かりだじぇのどちゃん! 私はなにも言ってないじょ」 憧「どうせいつもの発作でしょ? 放っておけばその内戻ってくるわよ」 玄「て、手厳しいね……」アハハ トン 憧「あ、玄それ……バラ?」 玄「うん!」 穏乃「へぇーよく出来てますね」 憧「これ難しい? 簡単?」 玄「簡単だよ。慣れれば2分もかからないくらい。良かったら教えようか?」 玄「他にもアサガオ、アジサイ、コスモスとかもあるよ」 穏乃「教えて教えてー!」 憧「玄先生教えてくださーい!」 和「この感じ……」 園児『のどか先生ー!』ワーワーキャッキャッ 和「~~~///」ポワァー 玄「和ちゃん?」 憧「なんか咲いてる」 ガチャ 京太郎「待たせたな!」 穏乃「遅かった じゃないか」 俺は開いた片手で後ろ手に扉を閉めつつ、もう片方で持っていたトレイをテーブルの上に置……こうとしてその異常性に気付く。 京太郎「って、うお!? なにこの薔薇園? ちょっと退けて退けて」 俺が手で横に退けるようにジェスチャーを送ると、女性陣によってテーブルにスペースが作られそこに持ってきたトレイを今度こそ置く。 穏乃「なにして来たの?」 京太郎「これよ!」 トレイの上の皿に山積みにされいていたのは、 優希「タコスだじぇ!」 言うが早いか、優希の手がサッと翻り我先にとタコスを頬張る。 後、ついでにみんな喉渇いたんじゃないかと思ってお茶淹れてきた。 京太郎「どうよ優希、これが本物のタコスだ」 優希「ん、ん~?」 咀嚼しながら、自身が先ほど作っていた良くわからない紙の集合体に目をやる優希。 優希「んぐ、なんだぁ!? この紙切れはぁ!!」 そういって紙切れをテーブルに叩きつける。 京太郎「いや、それお前が作ったんだろ」 穏乃「これ私たちも貰っていいの?」 京太郎「おう! たくさん作ったからいっぱい食ってくれよ」 和「ありがとうございます♪」 玄「いただきます!」 憧「それにしても見事な手際ね」 京太郎「慣れりゃ簡単なもんよ」 憧「高1の男子が料理に慣れって……」 京太郎「いや~、実は1学期の家庭科の調理実習と裁縫の実技でA評価を貰ってしまってな」 京太郎「これは喜んでいいのかどうか……」 和「ま、まぁ成績が上がるのは良い事ですよね?」タジ 京太郎「そういうそっちはどうなんだよ。一応、女子高だろ?」 憧「あたしはそれなりには出来るわよ」 玄「旅館のまかないは私の担当ですのだ」 優希「タコスうまー!」バクバク 穏乃「これなら毎日でも食べたいよー!」バクバク こいつらはダメそうだ。 優希「やはり犬のタコスは絶品だじぇ、まぁそこにこそ価値があるからな!」 京太郎「お前は俺を全自動タコス製造機かなんかと勘違いしてないか?」 憧「前脚の使い方がお上手だものね」 そう言いながら憧が俺の右手の甲を摘んでくる。それを振り払いつつ、俺も負けじと言い返す。 京太郎「お前もさり気無さを装うことなく俺を犬扱いするんじゃねぇ」 憧「そうね、犬の方が賢い物ね」プクク 京太郎「玄さん! あいつが、あいつがー!」 悪びれる素振りを見せない憧を指差しつつ、玄さんに泣き付く俺。 この上なく情けない光景だが、そんなん知るか! 俺は味方がほしい。 玄「もう! そんな言い方ダメだよ憧ちゃん」ナデナデ 京太郎「そうだよ! 憧ちゃん!」 憧「ちゃっとなにいきなりちゃん付けで呼んでんのよ!」 京太郎「だって~」 玄「女の子だも~ん」 京玄「「ね~♪」」 そういって笑い合う俺と玄さん。うん、見事なコンビネーション。 憧「しゃぁぁ~~らくっせぇぇぇぇ~~……(巻き舌気味)」 穏乃「ぶふぅ!? ちょ、憧! 顔、顔!? すごいことになってる!」 放送コードに引っ掛かりそうな凄まじい、筆舌し難い憤怒の形相を浮かべる憧。 マジで怖いんだけど。 京太郎「よっと、これで完成」 玄さんに教えてもらった通りにバラを折る。 顔に真っ赤な紅葉を浮かべながら赤いバラを折る俺。う~ん、マンダム。 京太郎「ちょっとよれてるかな?」 玄「そんなことないと思うよ?」 和「須賀君は本当に器用ですね」 京太郎「こういうチマチマした作業は昔から得意なんだよ」 京太郎「なんか俺の人生そのものみたいで」 和「嫌な表現ですね」 京太郎「しかし、これはちょっと作り過ぎじゃないか?」 穏乃「調子に乗って遊びすぎたね」 俺と穏乃は今やすっかり忘れ去られた眠れる淡、 その淡が被るダンボール箱に作った花や鶴、連環や切り紙のレリーフを糊で飾り付けている。 なんか邪教の祭壇みたいになってきたな。 淡「ふにゅ……」Zzz 俺は細く切った紙に花やレリーフをくっ付け即席の花冠を作る。 それをソッと、穏乃の頭に載せる。 京太郎「結構似合うじゃん」 穏乃「任しといて」フフン 京太郎「うん?」 溢れかえる折りバラの中に1つ珍しい物を見付ける。 京太郎「なんか青いバラが混じってるぞ」 玄「ホントだね」 玄「そういえばブルーローズは自然界には存在しない花という事で、花言葉には『不可能』や『奇跡』って意味があるらしいよ」 玄「後、『神の祝福』とか」 玄「もっとも今は品種改良が進んで実在するそうなんだけどね」 和「なんだかロマンチックですね」 京太郎「玄さん詳しいですね」 玄「おねーちゃんがお花とか好きで、一緒に見てたら自然とね」 あー、なんか納得。 憧「へぇ。で、誰がこれ作ったの?」 穏乃「あ、それ私」 なんでもない事のように普通に穏乃が手を挙げる。 京太郎「え”」 憧「しししし、シズがバラを創造した!?」 和「しかしこれはなんとも見事の川崎ローズ!」 京太郎「まさに奇跡!」 穏乃「いや、それアサガオのつもりだったんだけど」 京太郎「え、なに? お前んち実は錬金術師の家系なの? とうとう摂理超えちゃったの?」 穏乃「いえ家は代々和菓子屋ですが?」 穏乃「だって私、山登りばっかりしててこういうのあんまりやったことないんだもん」ブーブー お前さっき得意科目は図画工作って言ってたですやん。 京太郎「なに、じゃあそんな小さい頃から山に登ってたのか?」 穏乃「そうだよ! 吉野の街の子は5歳も過ぎればみんな山で修行して育つんだよ!」 京太郎「……」チラッ 俺はさり気無く穏乃の同郷の友に視線を送る。 憧玄「「」」ブンブンブンブンブンブン!! すげー勢いで首を左右に振る阿知賀メンバー。 さすがにそのレベルはお前だけらしいぞ。 穏乃「いやー、うち、おかーさんがさぁ『穏乃はもっと女らしくしなさい! 山は危ないから無闇に入っちゃダメ!』って」 穏乃「その抑圧された感情が、ね? だから私、日頃からいかにして山に行こうかってそればっかり考えてたよー!」タハー 京太郎「猛獣かお前は」 和「花言葉って面白いですよね」 憧「いろいろあるわよね。しかも大体2つ通りで、意味が反転してたりするの」 京太郎「タロットに通じる物があるな」 玄「たとえばこの黄色いバラだと、『友情』または『誠意がない』とかかな」 京太郎「なんか今日の玄さん格調高いね」 憧「友情、誠意がない……」 憧「京太郎は後者かしらね~」 したり顔でそんなことを言う憧。 京太郎「どーゆー意味かなそれ?」 憧「言葉通りの意味だけど」 京太郎「おいおい俺は誠実さと爽やかさと透明感でここまでやってきたんだ」 憧「ああ、モテない男が大事にしてそうな語群ね」 京太郎「言ったなこの野郎っ!! ちょっと澄ましたキャラ気取りやがって実はこっそり絵日記つけてるくせに!」 憧「ななな、なんであんただそんなこと知ってるのよ!? 見たの!? 読んだの!?//////」カァァァ 京太郎「穏乃に教えてもらった」ケロ 憧「シィィィィィズゥゥゥゥアァァァァァァ!!」 穏乃「うわぁぁこっちに振るなぁ!?」 和「もう! どうしてあなたあなた達は仲良く出来ないんですか」バン 机を勢いよく叩きさすがに和が仲裁に入る。 京太郎「い、いや待て和。これは俺と憧なりのスキンシップなんだよ!」アセアセ 憧「そうそう、仲の良さって別にベタベタするだけじゃないと思うのよね!」ワタワタ 和「本当ですか~?」ジトッ うろんげな表情でこちらを伺う和。 あ、これぜってー信じてねぇ。 京太郎「憧もほら、嘘でもいいからいっぺん俺のこと好きって言ってみ?」 憧「え~しょうがないな~」 まさに不承不承を絵に描いたような表情である。 憧「コホン」 _. .-. . . . ̄. .゙. . . 、 , '´ . . . . /. . . . . . . . . .ヽ / ;ィ´ / . . . .ヽ. .\ _,-─tァヽゝL _/_ ,' | . . .゙ . . ヽ ,〃,r‐'7ハ レ!__,'_ ;イ | /!! ヽ. l . . .、 / 〃 l ト、| .| ハ Tハ! | { || .| | ゙. .!_l |ミヽ、 ,' ./ ! | | LL_ヽ| ! || ! |'T ‐ -|、 | ト、 !| \ ヽ ,' / .| . | | ハチ≧ト、|ハ !土_ヽ | | ! .|. .ヽ!! ヾ.、 ,'/ λ .r=| |.{ ;; Cヾ ヽ|チ不≧!/! | !. ./,'| ヾ 、 |l ハ | (! !`ー'' { {゚ ;; C | | .! .|, './|j ヽl 好きよ、京太郎。 || | |ヽト、! .!xxx ' ` ー'' ,イハ| | /. l || | !. |N l .ミト、! .| 、 xxx /ノノ ! .| _;| | ! | l r、 .N .ト {ヽ !、 ー ,イf.l´. . | .j//ハ l .| i! | \\ | ゙、| | ヽ | 、_ .... -≦| . . .| ! . . .|,.'/ . ∧ .| .|. 从! l\\ | | l ! | |ヽ| ! . . .| | / ,イ| ゙、 ヘ ! .| ハ ト l Lf~ヽ `_ヽ_ !|ヽ ||、-、ヽ _L`_r"∠! ! ∧ | . ! ,' | !ミ、 | 、ゝ.|´ヽ ヽヽ ヽ-、 ,.r! >‐'{ | |ノ|ノ7 | . .ヘ. ,' . |! |,' |!| ヾ,へ.ヽハノ、/ ̄`ヽヾ´ ̄`| \_ヽ_!__! .| /| .! . ∧ ./ . . !i! |i| ! | |\,ゝ | ヽ | /´ /` ̄ヽ | . .∧/ . . . ||i! 言わせておいてなんだけど凄まじく疑わしい。 京太郎「本当かよ」 憧「いや、嘘だけど」 京太郎「嘘とか言うなよ」 憧「いや、だって嘘でも言えっていったじゃない」 京太郎「憧ってもしかして俺のこと嫌いのか?」 憧「好かれてるとでも思ってるんなら京太郎の頭はおかしい」 京太郎「」 なんだこの一連のやり取り。 和「嘘をつきましたね。嘘をついた須賀君には罰を下します」 京太郎「え!? 嘘ついたの俺じゃなくね!?」 和「言い訳は聞きたくありません。罰として原稿用紙3枚分の反省文を書いてください」 和「もしくは『将来の夢』をテーマに作文を書いてください」 京太郎「うう、僕の将来の夢は~……」カリカリ 俺の将来の夢か。 やはりそれを語るに当たって欠かせないのが俺の中学生の頃の話だろう。 それは遡ること3年前……ブツブツブツブツ ガチャ 咲「こんにちわ~」 和「咲さん?」 優希「んぐ、いや~食べた食べた」 穏乃「まだ食べてたんだ……」 憧「あれ? 咲ってチャンピオンと出掛けてたんじゃなかったっけ?」 咲「うん、そうなんだけど。今帰ってきて聞いたらみんなここだって」 玄「おかえり、紅茶飲む?」 咲「あ、ありがとうございます」 玄「どういたしまして♪」 咲「ところでさっきから京ちゃんはなしてるの?」 京太郎「ん? おお、咲か。今ちょうどお前の自叙伝書いてたところだ」 咲「なにしてるの!?」 京太郎「タイトルはこう、単純に『咲』と」 京太郎「いや、これは過去話に当たるわけだからなんか副題つけるか『咲~過去編~』。いや、『咲~中学生編~』 京太郎「ん~『咲-Saki-中学生編 episode of Once Upon a Time 在りし日の二人』ちょっとくどいかな? いやいいか」 京太郎「これは面白い! これは売れる!」 京太郎「皆さんも是非、お茶の間の皆さんも是非これ買ってくださいこれ。全国の書店にて絶賛発売中!」 和「誰に向かってしゃべってるんですか?」 憧「壁のほう向いてることはだけは間違いないわね」 京太郎「あれ? 俺今なにしゃべってた? なんか一時のテンションに身を委ねてわけのわからないこと口走ってた?」 咲「うん。そこだけは間違ってないね」 京太郎「まぁいいや。どうせここ編集でカットするし」 憧「残念これはライブ中継」 和「人生に編集点なんてそんなオカルトありえません」 僕の将来の夢は本の印税で優雅に暮らすことです。 咲「なにこれ?」 咲が怪訝な表情を向けたのは邪神崇拝の祭壇。……ではなく淡が被るダンボール箱。 京太郎「バカ! 不用意に近付くなその下には世界によって封印された暴虐の邪神が眠ってるんだ」 京太郎「静かに、静かにこっちに来い」 咲「う、うん……」 頷くとゆっくりと戻ってくる。……と。 ガタッ 咲「あ……」 咲が淡の座っている椅子に脚を引っ掛けた。 京太郎「あ……」 淡「う、う~ん」 呻きを零しながら、ダンボールがモゾモゾと鳴動する。 淡「あわ!? なにこれ暗い!?」 淡「なにこれ? なにこれ!?」 ガタガタと動くダンボールもとい、淡。 優希「京太郎の仕業だじぇ」ボソ あこらバカ! 優希てめぇなに火ぃくべてんだよ!? 動きがピタリと止まる。 ダンボールの天面に貼られたガムテープが白磁のような10本の指で押し上げられ、 張力限界を超えて剥がれ落ち、蓋の部分がゆっくりと開かれる。 淡「キョォォォォォォタロォォォォォォォ…………」 地鳴りのような底冷えする声。現れたのは髪を大きく逆立て、口元は憎悪に痙攣し、眼球には毛細血管が浮かんでいる、 これでもかというほど装飾のあしらえられたダンボールを胴体とし、赫怒の炎を背景効果に纏った異形の邪神がそこにいた。 麻雀の対局中ですら、こんな激烈な殺気を放っている奴になどいまだかつて出逢ったことがない。 京太郎「なぁ、俺、今どんな状態になってる?」 穏乃「んとね、わかりやすくいうと小説版デビルメイクライのギルバ」 京太郎「つまり包帯でぐるぐる巻きってことだな?」 和「わかりにくいネタ持ってこないでください」 淡「ふんだ!」バクバク 京太郎「ちくしょう、愚かしいほどの真摯な善意でやったことなのになんでこうなるんだ」 淡「そりゃ寝たのは私だけどさ! ダンボールは無いでしょダンボールは!」 京太郎「だから手頃なもんがなかったんだって」 淡「じゃあ、……その、上着とかでもいいじゃん」ボソボソ 京太郎「え? なんだって?(難聴)」 淡「なんでもないもん!」 優希「すまんじぇ淡ちゃん、うちの僕用犬が」 淡「ううん。ユッキーは悪くないよ」フルフル 京太郎「わかるぞ、その『ぼくよう』って字が牧羊じゃなくて『しもべ』って意味の僕ってことが俺にはわかる」 優希「うっさじょ犬」 淡「そーだそーだ犬~」 京太郎「なにこの仕打ち。ちくしょう淡まで俺を犬扱いしてきやがる」 淡「犬~犬犬犬犬犬!」 京太郎「あ? 俺が犬ならじゃあお前は猫か?」 淡「私のどこが猫なのよ!」 京太郎「その自分勝手なところとか、気分屋なところとか、後エサやってるとき以外はまったく可愛げないところだろうが!」 淡「ふ~んだ、猫らしさっていうのは自分でルールを決める自由さ。飼い犬とは違うのよこの首輪ヤロー!」 京太郎「こっの……はぁ、なんか疲れた。これやるから機嫌直せよな」 俺は手元に残っていた折りバラの中から白いバラを1つ取り上げ淡の頭に載せる。 淡「ふん、こんなんで誤魔化されるわけ、」 玄「淡ちゃん、淡ちゃん」チョイチョイ 淡「なぁに? クロ」 玄「白いバラの花言葉はね、『私はあなたに相応しい』って意味なんだよ?」ボソボソ 淡の目が見開かれる。玄さんがなにやら耳打ちしているが俺の位置からでは聞き取れない。 淡「もうもう! しょうがないな~キョータローは~」アワアワ え?! なんか一瞬で機嫌が直ってるんだけど? 白いバラを手に握り360度どこからどう見てもニコニコ顔である。 視線を向けると、玄さんが指でOKの形を作りサインを送ってくる。 よくわからんがさすがベスト・オブ・マイフレンズ。 京太郎「そういえば、一番代表的な赤いバラの花言葉ってなんなんですか?」 玄「え?」 俺の質問に、玄さんは一瞬虚をつかれたような顔になる。 玄「え、え~とそれは……///」 口ごもる玄さん。 え? そんな言いにくいことなん? 映画や小説でもよく贈り物とかになってるし良い意味なものだとばかり思ってたけど実は不吉な意味があるとか。 和「あ、それなら私も聞いたことありますよ。確か……」 ___ ,. ' ´ . . ` ヽ___ ,.-、r/ ; ; . . , . . .;. ヽ `〈 i | / / / / . /i i ! i ハ 、 . ゙、 ..、゙、 { } i . i . i. i| . | .! | . | .|_!_゙、、 . i| . |. .! |、 ,! | || || ;!-‐!ハ ! !ハ-!`|iヽ!| . i .|‐'ヾゝ ∠/ i. | |.! .|リ!_」_!、_ヽ、!ゝィ=‐、リ! ノノ!_,、_〉 ーァ|、!、!、! /!、 i` ト; ! 〉i;イノ | | .`ヽ!゙、ヽゞ-' ,  ̄ |ノi | | . .| |ゝ、 '''''' __ ''"" / | ! ! 私を射止めてください! とか i / リ/i \_ ´ー ′ /| . | |. | r-、 // / .ハ!__!__/ノi ー--‐' |_ | ./ .! ヽヽ.// / ./ァ' ̄/ r' |; \/ i| | .,)┴'ヽ/ ./' . . / ト、 __/ |. || | ;' 、ヽノ|./ . . / ト--へ/ | || ト、 |ヽJ┘ノ/ . . /\ | / |... || | | /⌒ _>、/⌒ Y¨¨¨ 、 /´> ´ , } \ , ´ / 、 ヽ / / ' | | ∨ . ー‐イ' / / | | l } | | | . / ' ' / |{ | / /| } l | | // / { |-+-|、 | ,-}/-}/- / } { / ,..イ , 从,ィ=从{ l / ィ=tミ}イ/ /_ 从  ̄´ |∧ { Vリ ∨' Vり /' /- } / } / 从ム , ム,イ-、/l , . r ' /|/ 八 __ _ / / 、 イ Ⅵ \___ イ |ヽ 「 、 | r <///| |/}_」 |//(_)//|_ , <///〈 ,」////イ////> 、 r--- <////////∧ /////////////////> 、_ //////////////〈/ }---{///////////////////////ハ {//|////////////Ⅵ |////////////////////////} |//|//////////////| /////////////////////////l| |//|//////////////{__/////=====///イ///////| ,...-‐ ‐-.、 / `ヽ /. . . . . . . . . . . , . . . . . . . . . . . . . \ / . . . .. . i. . . i . . . | . . . . . . . . . . . .、 . . . ヽ / . . . . . .; . .| . . i| . . . | .i . ... | . i i ゙、 . . ゙、. / . . .i . i .| |_;. !.| . . . | .| .-‐ト-、|_ . .| . . i . . . .i / ||. . 、'´!、 |丶 . . i、!ヽ . !_\!.i` | . . . ! . .. . | i i .;ノ! .i . . .`、≠ヾ、\! '!_  ̄ヽイ . . / . . . . | レリ''"ト、!、 . .V.r' ! r' ;、 } '! . /ヘ . . .! | | . . . ヽi゙ 、;ン └-‐' レ'∫ } . /リ | .i、 . . .| " " ' " " _,..イ /. V \ .ト、 __ ,.ィ' .;. .ノレ′ ` ` 、_ ´ / И/ ` i' ´ !_,..、 / フi / \ ノ 〔 ′_/ ,,=≧ー-、 ,ィi" |_ / ;; '"/ `ヽ i i i、!i | / ;; " // ,; ===| |i !.\=、 ! /; = " / ./ / | |.i ヽ __ヽレ'― . ' " , .イ / ! |. |. V 「`T´ ̄ ̄ | / i | |. | /1'{ ======i、l!/ ヽ { /! i i . | . ゙、 、 、V `i / | i | . .! . . .゙、 \ / | ,........-――--....、 ,. ´ `ヽ、- 、 / , \ \ \ , ' , / / { ヽ ヽ、 ヽ 、 / / , // / / ∧ ヽ ', | | ヽ , ∧ . / / / // / / / マ |_ |__ | | l ∨ , | . | ' / //  ̄|`|' | ´} ∧ } , } | / } ', { { {l | {从_ {__{ }/イ__}/ イ/ / } / / . 从 八 {ム,イ _斧` イ _)斧ヽ} イ/_ / . \{从{ Vり Vzソ | / Y | | } ' | l 'ノ | |圦 _ , ,ィ| |イl | | / . イ_,/イ | | }' `__-r-=≦__」'/ } | | | _,/ 「 ̄ _/|__| | / / | `=={j====イ / `ヽ , ∧ \ l| イ ∧ / -r‐ /.. ../.. .. .. .. .. ./. .. .. .. .{.. .. .. .. 、.. ヽ.. .. .. ∀ニ=- 、 /... 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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377983742/ 京太郎「…………ん」 まどろみの中で寝返りをうつ。 ふにゃりと、なにか柔らかいものに触れた。 なんかいい匂いもする。クン、クンクン! 京太郎「んあ?」 その微かな違和感に、腑抜けた声を上げながら目蓋を開く。 玄「スー……スー…………」Zzz なんだぁ、玄さんか。なぜか俺の布団に潜り込む、ピッタリと引っ付いて眠る玄さんがそこにいた。 ドラゴンが あらわれた ドラゴンのむれはこちらにきづいていない。 どうしますか? 京太郎「どうするって、あーた。そりゃもちろんこうげき……ぐへへ、フヒヒwww」 むにゅっと、こう……。 京太郎「ちげーよ!」ガバッ 京太郎「え、ちょ、なに?」 急激に意識が覚醒。 現状把握。場所はマイハウス(仮)、時間は……ケータイの液晶を確認すると、うわぁまだ3時半じゃん。 なにがどうなってんだってばよ。 玄「ん~……」 京太郎「なんでこの人ここいんの?」 考えられる可能性として一番高いのはトイレかなにかに起きて、そのまま部屋を間違えたとかだよな。 京太郎「いや、間違えねぇだろ」 俺の部屋と阿知賀の人達の部屋どんだけ離れてると思ってんねんな? いや、でもなぁ~玄さんだしなぁ~。 そもそもつい最近こんなのことあったよな。夜中に誰か訪ねてきたことが。 京太郎「これもしかしてまた俺が都合の良い夢を見てるんじゃないだろうな」 もしそうだとさすがに恥ずかしいぞ。 検証実験に移ろうか。 俺は身を起こして胡座をかき、寝ている玄さんに向き直る。 右の人差し指を立てると、玄さんの頬に触れるか触れないか、産毛一本分くらいの間を開けて指先を添える。 ぷに。 玄「ふにゃ」 可愛い。 なるほど。 京太郎「ユメジャ、ナイヨー!」←すごくネイティブ 夢ではなく現だった。 ナンテコッタイ。 時間は遅く、部屋は密室。しかも狭い。 これってつまりそういうことだよな。 ちょっとこれからどう行動するか、オーディエンスを使ってアンケートを取りたい。 玄「ん~」ムニャムニャ 京太郎「……」ズリズリ 座ったままにじり寄る。 鼻梁、唇、顎、首筋、うなじ、浴衣の襟元ぉぉぉぉぉ!! 俺は伸びかけていた右手を左手で押さえる。 落ち着け俺。 誂えられたようなこの状況。 誰かに誘導されてるみたいでなんか嫌だろ。 再び人差し指で玄さんのほっぺをフニフニとつつく。 玄「ん、うにゃ」Zzz 気持ち良さそうに寝やがって。 なんかこいつと真剣に戦ってる俺がバカみたいじゃねぇか。 視線が自然と下へ。浴衣とシーツを押し上げる双丘。 これはこれは立派なものをおもちで。 憧とかがいたら「おい、どこ中心の視野よ。この変態」と謗られそうだ。 すんませんもうホント、こういう構造なんです男の子。 ちょ、ちょっとくらいなら触ってもいいかな? そもそも男が1人の部屋に間違って入ってきて、あまつさえ一緒の布団に潜り込んでくるとか自己責任っしょ? ………………いや、みんなは俺を信頼してこの合宿に呼んでくれたんだ。その信頼を裏切ることは出来ない。 鎮まれ俺の右腕! 力は制御出来る、何故なら、そう! 俺の力だからだ。 ぜんぜん別の事を考えよう。そうだ、イメージしろ! ふんどし一丁で大胸筋を躍動させながら、ビルドアップ状態で迫ってくる大沼プロの姿を。 ………………………。 うっわ、なんだこれくっそ萎えた。死にてぇ……。 俺の苦悩など知らぬ存ぜぬで、玄さんは俺から見て向こう側に寝返りをうつ。 もう一人の僕が機能不全になるかと思った。 けどおかげで冷静になれた。 玄「スピー……」 なんだこうやって見ればただの可愛い残念な手のかかるおねーさんじゃないか。HAHAHA! 風邪を引いてもいけないので、俺はシーツを掛けなおそうと手を伸ばす。 だが俺は松実玄という人間を甘く見過ぎていた。阿知賀の竜の王手はまさにこの瞬間だったっ!! 玄「んゆ」ゴロン 再び寝返りをうって真上に向いた玄さんの浴衣の胸元が大きく肌蹴て なんか白い柔らかそうなマシュマロみたいのが見えてるぅぅぅーーー!? 京太郎「」 なんかこれもう、いいんじゃないかな? ここでゴールしても、いいんじゃないかな? 見ろこれ! この白磁器みたいな綺麗な肌、血色のいい薄いピンクの唇。 こういう経験からはじまる関係もあるだろ。 夜這いから始める……プログラミング言語。 俺は上を向いて眠る玄さん顔の両側に手をつき、覆いかぶさるように身を乗り出す。 そっと顔を近づける。 玄「……」 規則的な呼吸。徐々に迫る安らかな寝顔。いや迫ってるのは俺だけど。 後、目算で10cmくらい。 8cm。 6cm。 玄「ん」パチ 4……。 目が合った。 玄「う~ん……」 大きく伸びをし、上体を起こす。 玄「ここ、あれ? 私たちの部屋じゃない?」 目を擦りながら周りをキョロキョロ見回す玄さん。 その視線が俺を見付ける。 玄「京太郎くん?」 京太郎「はい」 玄「なんで壁際で、決定的瞬間にゴールを逃したサッカー選手みたいな佇まいをしていますのだ?」 京太郎「気にしないでください」 久「ふっふっふっ」 京太郎「なんですか部長。気持ち悪い」 久「あら、そんな口を利いていいのかしら?」 京太郎「な、なんですか?」 久「明日は海水浴よ!」 京太郎「な、なんだってーっ!?」 久「もちろん嘘よ」 京太郎「なんだ嘘か」 久「というのは嘘で本当は本当よん♪」 京太郎「イヤッッホォォォオオォオウ!」ガタッ 京太郎「ウィー、ウェ、ウェイー! ヒュー!」 _, ,_ パーン 京太郎→ ( ‘д‘) ⊂彡☆))Д´) ←京太郎 久「はいはい。そう1人でハッスルしないの」 京太郎「あ、さーせん」 久「というわけで、明日の朝に荷物の積み込みやるから少し早めに起きてきてね」 京太郎「了解です」 京太郎「ところで、この近くに海なんてあったんですか?」 久「あったじゃない。来る時にあなたも見たでしょ?」 京太郎「え、どうだったかな? なんかその辺の描写カットされた気がするからな」 京太郎「なんか近くに山があったり海があったり、よくわからない地形ですね。瀬戸内?」 久「まぁ彼岸島みたいなのを想像してくれたらいいわ」 久「その内、砂漠とか雪山とかも出てくるかもね」 京太郎「やめてくれるそういうの? 往々にしてありえるから、この世界観だと」 久「とりあえず、伝えたから。それじゃあまた明日。おやすみなさい」 京太郎「はい、おやすみなさい」 その夜 京太郎「海水浴かぁ~」 京太郎「この走り出したくなる衝動をどうしようか」 京太郎「取り敢えず、電話するか」 prrrr 嫁田『はい、もしもし』 京太郎「おう、嫁田か? 俺だけど」 嫁田『おう、ちょっと振りだな。今、合宿って聞いてるけどどうした?』 京太郎「うちの麻雀部さ、インハイの決勝で戦ったじゃん?」 嫁田『おう! 学校でみんなで応援してたぜ』 京太郎「ありがとな。みんなを代表してお礼を言うぜ」 嫁田『そんなことの為にわざわざ電話してきたのか?』 京太郎「いや、ちょっとお前と話したくてた」 嫁田『なんだよ気持ち悪いな。まぁ俺でよかったら話くらい付き合ってやるよ』 京太郎「決勝でさ、うちが戦った3校のなかに白糸台と阿知賀っていたじゃん?」 嫁田「おお、いたな。麻雀強いだけじゃなくてみんなすげー可愛い娘ばっかのな」 京太郎「俺、明日その娘たちと海水浴に行くんだ」 嫁田『は? 死ね』 プツッ ツーツーツー 翌日 バタン 京太郎「ふう、こんなもんかな」 晴絵「悪いねー朝っぱらから」 京太郎「いやぁ、お互い様ですよ」 晴絵「あはは、まぁね」 京太郎「それに思ったほど荷物もなかったですし。パラソルとかは向こうで借りるんですよね?」 晴絵「そだよ。運ぶのはもっぱら人間だけ」 京太郎「なるほど。ところで17人も乗れるなんてこれもうちょっとしたバスですね」 晴絵「そうよぉ、この為にわざわざ借りてきたんだから」 京太郎「え、そうなんですか? そんな話聞いてないですけど、お金とか」 晴絵「♪」b グッ 京太郎「先生……」 晴絵「あの子たちには感謝してるんだ。まぁこれくらいは、ね?」 晴絵「それに宥や、他の3年の子たちも今年で卒業だし、進路のこととか考えたらホントに今しかないからさ思い出作りとか」 晴絵「ちょっとくらい、年上らしいことしてやりたいじゃん?」 晴絵「あ、これあの子らには内緒な」 京太郎「ふふ、はい。わかってますよ」クスッ 移動中 淡「東京♪」 優希「神田♪」 穏乃「秋葉原♪」 京太郎「御徒町♪」 玄「上野♪」 咲「う、鶯谷♪」 憧「日暮里♪」 淡「西日暮里♪」 優希「田端♪」 穏乃「駒込♪」 京太郎「巣鴨♪」 玄「大塚♪」 咲「池袋♪」 憧「目白♪」 淡「高田馬場♪」 優希「新大久保♪」 穏乃「新宿♪」 京太郎「代々木♪」 玄「原宿♪」 咲「渋谷♪」 尭深「!?」ピク 憧「恵比寿♪」 淡「目黒♪」 優希「五反田♪」 穏乃「大崎♪」 京太郎「品川♪」 玄「田町♪」 咲「浜松町♪」 憧「新橋♪」 淡「有楽町♪」 優希「東京♪」 晴絵「なにこの歌のチョイス」 晴絵「うえ、ちょっと込んできたな」 穏乃「えー! もうちょっとなのにー!」 優希「この車、マシンガンとかミサイルとかついてないのか!? 前の車蹴散らそうじぇ!」 憧「いや、そんなボンドカーじゃないんだから」 照「ダークジェイカーじゃないんだ」 京太郎「俺はそこで敢えてFAB-1を推すね」 まこ「お前さんなかなかやるな。ペネロープ号のが通りがいいはずじゃが」 京太郎「それほどでも」 淡「空とか飛べないの!? こう、ビューンッ! って」 菫「いやまだ車が空を飛ぶ時代ではないだろう」 京太郎「空飛ぶ車なら、龍門渕の技術班が開発したそうですよ」 全員「え?」 京太郎「なんでも今、特許と生産認可の承諾待ちだとか」 穏乃「龍門渕って龍門渕さんとか天江さんのいる龍門渕!?」 淡「空飛ぶ車とかすごーい! 私も乗ってみたい!、ね、ねキョータローそれホント!?」 京太郎「お、おう。こないだ透華さんがすげー自慢気に電話してきたからたぶん本当。あの人、見栄は張るけど嘘はつかないから」 和「本当に空を飛ぶんですか? オカルトとは言いませんがちょっと信じがたいですね」 京太郎「デジタルの和に説明するとだな」 京太郎「なんでも、酸化剤として過酸化水素、還元剤としてヒドラジンアミドとメタノールを混合液として」 京太郎「使用したロケットエンジンを内蔵してるらしい」 和「結構真面目に開発してるんですね」 京太郎「それで爆発的な加速力を生み出すらしいんだが、空気力学的形状上バランスを取るのが難しく」 京太郎「燃料が非常に発揮性が高くて飛行中に分解爆発する可能性があるらしい」 全員「うわぁ……」どん引き 京太郎「今度、地元の先輩が試運転させてもらうらしいんだが」 久「ねぇ、その先輩って……」ボソボソ まこ「十中八九そうじゃろう」ヒソヒソ 京太郎「そん時は是非相乗りさせてもらいたいな」ウンウン 咲「ダメだよ! 京ちゃん、絶対行っちゃダメだからね!」グイグイ 京太郎「うおお!? 落ち着け咲、いきなりどうした!?」 ブゥオーン 晴絵「お、動いた」 灼「ん、外。見えてきた」 穏乃「おお、ホントだ!」 ガラ 淡「私も!」 ガラ 誠子「2人とも、ちゃんと座ってないと危ないぞ」 京太郎「まぁ気持ちはわかりますけどね」 優希「そうだ、これは叫ばずにいられないじぇ!」 「「「海だぁぁぁぁぁぁーーーーーーッ!!」」」 晴絵「じゃあ私は車止めてきちゃうからみんなは着替えてきてねー」 全員「はーい」 京太郎「……」 咲「あれ、京ちゃんはいかないの?」 京太郎「いや俺は荷物運ばないと。その後でも男の着替えなんてすぐだし」 優希「うむ、なかなか殊勝な心掛けだじぇ」ウンウン 和「ゆーき、そんな言い方はダメですよ。須賀君もすみません、いつもいつも」 京太郎「いいっていいって、これくらいしかやれることないからな」 京太郎「なんにしても、やることがあるってのはいいね」 和「そうですか? では、すみませんがまた後ほど」 咲「また後でね京ちゃん」 優希「おい犬。いくらこの優希様が恋しいからって着替えを覗きにくるなんて不埒なことはするなよ!」 京太郎「バカか貴様は?」 優希「は?」 京太郎「俺は別にみんなの裸が見たいとか、着替えが見たいとかじゃないんだよ」 京太郎「俺はみんなの水着姿が見たいんだよ」 京太郎「卵生む前の鶏絞めてどうすんだよ?」 優希「お、おう……」 優希(真剣すぎてちょっと気持ち悪いじぇ) 優希「ならこのゆーき様の水着姿をしかと見せてやろう。楽しみにしておけよ」 京太郎「おう! 待ってるぜ」 京太郎「と、大見得切ったものの」 京太郎「この流れだと絶対みんなから『どう? 須賀君、これ似合うかな?』みたいなことを聞かれると思うんですよ」 晴絵「はぁ……あ、クーラーボックスはそっち置いといてね」 京太郎「あ、はい」 ドン 京太郎「で、ですね俺の語彙力じゃあ全員を褒めちぎることなんて出来ないと思うんですよ」 晴絵「シートのそっち側持って」 京太郎「あ、はい」 バサッ 京太郎「そういえば先生は水着に着替えないんですか?」 晴絵「私はパス。帰りの運転もあるからあんまり疲れるようなことしたくないし」 京太郎「ブーブー!」 晴絵「ブーイングは受け付けません」ツーン 京太郎「話が逸れました。で、この危機を乗り越えるべく作戦を立てたんですよ」 ゴソゴソ、キュキュキュ 京太郎「ホワイトボードに書いて一括で処理するってのはどうでしょうか?」 『みんな違って、みんな可愛い』 晴絵「ナイス屁理屈」b グッ 京太郎「シーズン真っ只中にしては思ったより空いてますね」 晴絵「そうね。もっと混んでるかと思ったけど。まぁそっちの方がいいでしょ」 京太郎「そうですね。人が多くても鬱陶しいし、少な過ぎても寂しいし」 晴絵「それなりには賑わってるけど苦にはならない程度で」 京太郎「浜辺は綺麗だし」 ワイワイ、ガヤガヤ <オイ、ミロヨアノグループ <ウオ、ムネスゲェ <オレ…コエカケテミヨウカナ 京太郎「なんか向こう騒がしいですね」 晴絵「あーそりゃ多分あれよ」 久「お待たせー」 バーンッ!! 晴絵「ほら、ビーチクイーン達のお出ましだ」 京太郎「先生なんか親父くさい」 晴絵「……」 スパーンッ! 京太郎「いってぇ!?」 目の前にはのは水着の天使たちだった。 正直、先生をバカにしたことを申し訳なく思う。 ビキニ、ワンピース、セパレート、スクール水着……。 スクール水着!? 優希「どうだ京太郎!? 私のスク水は」フンス その自信はどこから来るのだろう。 京太郎「通過儀礼として一応聞くけどなんでそれをチョイスしたんだ?」 優希「部長が男はこれが好きだといっていたじぇ。部長のアドバイスは絶対だじぇ」フフン 視線を移すと、必死に笑いを噛み殺す部長の姿が。いや、最早なにも言うまい。 優希「どうだ? 似合ってるか?」 俺は無言で先程のホワイトボードを翳す、 スパーンッ! 途中で後から頭をどつかれた。 振り返ると厳しい視線の赤土先生。顎で示してくる。 京太郎「ああうん。似合ってるんじゃないかな、歳相応で」 憧「歳相応って……」←同い年 和「言わないであげてください」←同い年 周りからなにか聞こえるが黙殺。 優希「可愛いか?」 京太郎「可愛い可愛い」 優希「そうか!」パァァ う、純真な笑顔が胸に突き刺さる。 淡「どうキョータロー? 淡ちゃんの水着姿は」 京太郎「セパレートか」 ツーピースであるがビキニよりも露出の低いセパレートタイプ。 淡い青の布地に花柄が映える。 淡「あんまり可愛過ぎて心奪われるなよー!?」 京太郎「うん。普通に可愛いな」 淡「ふぇ?」 京太郎「え?」 淡「あ、あわわわわわ///」カァァ 淡「あわー!」ダダダ 走っていってしまった。なんか知らんが勝った。 京太郎「さて……」クル 咲「///」モジモジ 和「///」ウツムキ 憧「……」プイ 玄「///」ソワソワ 宥「……」ガタガタガタガタガタガタ 照「……」テルーン なんか順番待ちみたいになってるんですが? 京太郎「」 晴絵「……」ポン 先生は軽く俺の肩を叩くと、未だに手に握られていたホワイトボードをそっと取り上げた。 疲れた。 改めて俺のボキャ貧具合を確認させられた。 まぁ眼福なこともあったので差し引きしてもプラスだろうか。 誠子「……」ソワソワ、ワクワク 一団の後方に一人ひときわ異彩を放つ人が。 京太郎「あの亦野先輩」 誠子「ん、なにかな? 須賀君」ソワクソワク 京太郎「いやなんていうかその格好」 誠子「え、変かな? この水着」 京太郎「いえ、水着はよく似合ってますが」 丈の短めなタンキニにボーイレッグ。 活発な亦野先輩の肢体によく似合っていた。 けど三点だけ、三点だけ突っ込みたいところが。 京太郎「その背中に背負った釣竿と、肩に提げたクーラーボックスと、腰に巻いたヒップバッグは……」 誠子「せっかく海に来たんだから、もちろん釣りだよ」 ですよね~。 誠子「じゃあ私はあそこに見えてる岩場にいるからなにかあったらケータイで!」ドヒューン 行ってしまった。 後で少し様子を見に行くか。 そういえばさっきから気になることが。 京太郎「なぁ、穏乃はどこにいるんだ? さっきから姿が見えないけど」キョロキョロ 憧「シズならそこにいるけど」 指で示された方向に顔を向ける。 晴絵「……?」 腕組みをして事態を見守っていた先生と視線が衝突。 よく見ると、その背後からちらちらとこちらを伺っておる者ありける。 穏乃「//////」 メイドだった。いや、厳密には穏乃だった。 ハート型のエプロンを模したストラップレスのトップ。帆前掛を合わせたスカート型のボトム。 赤いスカーフと付け襟、カフス、黒のニーソックス、白い太ももに僅かに見える帯はガーターだろうか? ネコミミにも見えるカチューシャの両端にはアクセントとしてスカーフと同じ色のリボン、ご丁寧にパンプスまで用意していやがる。 京太郎「」 今日、何度目かの絶句。 さすがにこれはやり過ぎだと思……。 穏乃「うううう//////」ウルウル なにも言えないでいる立ち尽くしていると、穏乃の顔が羞恥に染まり瞳は徐々に水気を帯びてくる。 憧「なにやってんのよ! なにかいいなさいよ」ボソボソ 俺の小脇に肘打ちを突き立てながら憧が先を促してくる。 玄「京太郎くん。ファイトなのです!」グッ、タユン あ、揺れた。 和「あ、ははは」 困った笑いを浮かべながら様子を伺っている和。 一応、指摘しとくとあなたの普段着も結構負けてないですからね? 京太郎「あー、どうしたんだその水着」 穏乃「これ、憧が……」 憧だと? 俺は件の少女に視線を水平移動。 憧「……」フイ 亜音速で目を逸らしやがった。 改めて穏乃の格好を見直す。 え、これヤバくない? 京太郎「あのさこれヤバくないこれ? これ犯罪じゃないのこれ?」 こんな小さな子にこんな格好。けしからんもっとやれ。 穏乃「私、学校の水着しかなくて、だからこういうのよくわからなくて……」モジモジ 胸元で合わせられた両手の先、人差し指の先を弄っている。穏乃の感情に感応してネコミミまでうな垂れて見える幻覚。 京太郎「え? それ学校指定の水着なの?」 京太郎「そんな学校、あって、たまるかってんだ!! どこだよその学校俺も通いてぇよ」 憧「単語だけ拾って頭の中で適当に再構成するのやめなさい。お年寄りじゃないんだから」 穏乃「やっぱり変、かな……似合ってない?」 不安げに俺を見上げてくる穏乃。俺はその細く震える薄い肩に優しく手を置く。 京太郎「いいかよく聞け穏乃」 穏乃「?」 京太郎「めちゃくちゃ可愛い。すげー似合ってるよ」 瞳の奥に感情の揺らぎ。そして光明。 穏乃「ホントッ!?」 京太郎「おう! 俺はバカだが嘘はつかない」 穏乃「そっか、可愛いか。…………可愛いかぁ、えへへへ///」 照れ隠しだろうか頭を掻く穏乃。それに合わせて結い上げたポニーテールが揺れ、ネコミミも機嫌良さ気に反応している。 え? ちょっと待って、どうなってんのこれ? 京太郎「それで前提としてよく似合ってるし可愛いけど、それを踏まえたうえで敢えて言うけど」 京太郎「やっぱヤバくないこれ? 犯罪臭が」 穏乃「えへへ、可愛いって褒めらちゃった///」テレテレ 和「よかったですね。穏乃」 憧「まぁ似合ってないとかいったら、八つ裂きにして海に撒いてたけどね」 玄「けどホントに可愛いね」 最早、誰も俺の意見など聞いていなかった。 なにがおかしいって男と女の感性の違いというか、あの格好を誰もおかしいと思わないということが一番おかしいと思う。 いや可愛いんだけどね。 あるいは、俺の前だけでとかにしてくれるとおにーさん嬉しいよ? 晴絵「まぁあんな格好出来るのも若いうちだけさね」ポン 先生がいうと説得力が違いいますね。 【おまけ】 玄「京太郎くん!」 京太郎「はいなんでしょう」 呼ばれて振り返る。 おうふ……。 視界に収まるホルターのトップ。薄い桜色のシンプルなビキニだ。 清楚で大胆というまさに玄さんの為のデザイン。 あの夜の過ちが脳裏をよぎる。 俺は熱い砂浜に額を叩きつける。 玄「い、いきなりどうしたの?」ビクビク 俺のいきなりの奇行にビビり気味の玄さん。 京太郎「いえ今、自分の中の自分という存在を徹底的にブチ滅ぼそうと」 玄「そ、そうなんだ……」 京太郎「それより玄さんこそどうしてんですか? てっきりみんなと泳ぎに行ったのかと」 玄「そう大変ですのだ! オペレーション・おもち発動ですのだ!」 京太郎「な!? オペレーション・おもちですって!?」 オペレーション・おもち かつてはクロチャーの地球降下作戦のことをそう呼んだ。 クロチャーの回転速度を上昇させ、ラグランジュポイントでドラを爆発、均衡を破壊し地球に落とす。 その後、混乱に陥った地球を降下してきたクロチャーで制圧する。 これがオペレーション・おもちの全容である。 次回、キョウタロウ閃光に散る ダイジェスト 菫「……」キュピーン 玄「ふぁ!?」 京太郎「ふぁ!?」 菫「ん? どうしたんだ2人とも」 玄「おもちが……」 京太郎「……ある?」 菫「ふ、これか」ポヨン 菫「レギュレーション変更だ」ドヤァァ 玄(なにがなんだかわけがわからない) 京太郎(いい加減な設定にしやがって) 玄「しかし!」 京太郎「我々で協議」 京玄「「した結果」」 京太郎「おもちがあれば細かいことなんてどうでもいいよね!」 玄「ですのだ!」 菫「まさか君たちはそれを締めのセリフにしようというのではないだろうな?」 穏乃「海だー!!」 優希「青いー!!」 淡「すごーいー!!」 3バカ「「「行くぞーっ!!」」」 京太郎「おーい。気を付けろよ!」 咲「あはは、みんな元気だね」 優希「咲ちゃんも京太郎も早く来るんだじぇ!」 ガシッ 咲「わわっ!?」 淡「テルーも行こう!」 ガシッ 照「えっ!? ちょ、待っ」 ダダダダダ 京太郎「海はにげねーから落ち着けってー」 憧「まったく子供なんだから」ヤレヤレ 和「そういう憧も、走り出したくてウズウズしてるように見えますけど」 憧「そ、そんなわけないでしょう!?」アセアセ 玄「じゃあ憧ちゃんが待ちきれないみたいだし私たちも行こっか?」 憧「もう、玄まで!」 京太郎「はははは」 憧「笑ってんじゃないわよ!」 ダッパーン 京太郎「ん?」 優希「おおおお、京太郎っ!!」 淡「たいへんたいへん! テルーとサキが波にのまれた!!」 京太郎「なにやっとんじゃあのアホ姉妹は!?」 ザザッ… 京太郎「はぁ……はぁ……ああ、くそ、マジ疲れた……」 咲「」 照「」 和「2人ともぐったりしてますが、ケガもないようですし呼吸も安定してますから、すぐに気が付くと思います」 玄「もう、優希ちゃんも淡ちゃんも無理矢理連れまわしちゃダメだよ?」 優希「反省してるじぇ」 淡「むしろ猛省」 憧「気のせいかな? あんまり反省してるように見えないけど」 穏乃「京太郎。大丈夫?」 京太郎「なんとか。ああ、ちょっと海水飲んじまった」 穏乃「はい、水」 京太郎「おお、すまん」 京太郎「あー生き返る」プハァ 和「これからどうしましょうか?」 京太郎「ああ、この2人なら俺が見とくからみんな泳いできてくれよ」 玄「そんな、悪いよ」 京太郎「いや、っていうか少し休ませてください」 京太郎「まさかものの数分で体力使い切るとは思わなかった」ハァ 玄「でも……」 京太郎「いいんですよ。せっかく海に来てるのにこんなとこで固まってても仕方ないですよ」 淡「よし! じゃあ行こうクロ!」ガシ 玄「え、あ……待って待って淡ちゃん!」 ダダダダ 憧「ぜんぜん反省してないわね」 京太郎「まぁあいつらしいっちゃあいつらしい」 憧「……」ウーン 憧「あたしも泳いでこよっと」 タッタッタッ 穏乃「あ、ちょっと憧!」 タタタタ 京太郎「憧は察しがよくて助かるね」 優希「のどちゃん、私たちも行くか?」 和「私は……私はそうですね、よろしければ須賀君の話し相手になりましょうか」 京太郎「え? いや、俺は別に」 優希「……」ジィイ 優希「わかったじぇ、じゃあまた後で」 タッタッタッ 咲「」ウーン 照「」ウーン 京太郎「よかったのか? 行かなくて」 和「身体を動かすのはあまり得意ではないので。隣、失礼しますね」 ポスッ 和「どちらかと言えば見ている方が好きなんです」 和「須賀君と一緒ですね?」ニコ 京太郎(リアクションに困るな……どう答えるべきなんだ?) 京太郎「へぇ。そうなんだ。和はもっと率先して動くタイプだと思ってたけど」 和「そんなことないですよ。割と内向的なので」 京太郎「そうか」 和「そうです」 京太郎「ははは」 和「ふふ」クスクス 京太郎「それで内向的な和さん。久し振りに旧友と遊べる感想は?」 和「懐かしい、と言うのが本音ですね」 和「海ではないのですが穏乃や憧、玄、赤土先生といろいろなところに行きましたから」 和「と言っても吉野の、小学生が行ける範囲でですけど」 京太郎「和は転校が多かったんだっけか」 和「はい。父も母も忙しい方なので。昔は、それが辛かったんですけど」 京太郎「……」 和「けど、悲しいことばかりでもないって最近になって気付けたんです」 京太郎「?」 和「清澄の皆さんに出会えましたから」 京太郎「……」クス 和「ゆーき、部長、染谷先輩」 和「そして咲さん」 京太郎(俺は?) 和「もちろん須賀君も」ニコ 京太郎「っ!?///」ドキ 和「覚えてますか? わたし達が始めて会ったときのこと」 京太郎「ん~、どうだったかな? あんま覚えてないな」 和「私、須賀君がいたから麻雀部に入ったんですよ?」 京太郎「え?」 咲「う、う~ん……」 京和「「!?」」 ムクリ 咲「あれ? 私……」 京太郎「お、おお。咲、目が覚めたか!?」 咲「確か、優希ちゃんに連れられて海に入って……」 京太郎「気分はどうだ? 水飲むか?」 咲「うん。ありがとう……」 咲「あ! おねーちゃんはっ!?」 照「」 咲「おねーちゃん、おねーちゃん!?」ユサユサ 京太郎「おいおい、そんな乱暴な」 照「う……ん~」 咲「よかった目が覚めて」 照「海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い」ブツブツ 京太郎「すっかりトラウマになったな」 和「どうしましょうか」 京太郎「う~ん、」 京太郎「照さん? 照さ~ん!」 照「海怖い海怖い海怖い海こわ、あ、え? なに?」 京太郎「そんなに海が怖いなら浜辺で俺らと遊びませんか?」 照「あ、えっと……」 咲「……」ウンウン 和「……」コクコク 照「じゃあちょっとだけ」オズオズ 京太郎「はい」クス 京太郎「じゃあ砂上の楼閣でも作ろうか」 咲「す、すぐ壊れそうだね」 和「まぁまぁ」 京太郎「じゃあちょっと水汲んでくるからこっちはよろしく」 3人「「「はーい」」」 ――――― ――― ― 和「~♪」シャッシャッ 咲「和ちゃんすごい!?」 和「ふふ、私の計算にかかればこのくらい造作もないですよ」 京太郎「いやしかしこれは凄いな。まさかこんな片田舎のビーチにサグラダ・ファミリア・カテドラルを創造する奴がいるとは」 京太郎「照さんそっちは、」 照「ぱーぱぱーん、ぱぱぱぱーん、ぱーぱぱぱぱーぱぱーん♪」 京太郎「」 京太郎「あの、照さん」 照「ん、なに? 京ちゃん」 京太郎「なんで反対側にマジ○ガーZの顔が付いてるんですかね?」 照「え? だってお城って」 京太郎「それは鉄の城です」 照「あれ?」 咲「ぷっ、あはははは。もう、やだおねーちゃん」 和「ふふ」クスクス 京太郎「まったく、照さんは。ははは」 照「………………ふふ、ははは」 ――――― ――― ― 和「出来ましたね」 京太郎「反対側おかしいけどな」 照「むぅ、京ちゃんしつこい」 京太郎「いや、だってこれは」 咲「まぁまぁ。これはこれで面白いから」 京太郎「ん~、まぁそうだな」 4人「「「「完成! 聖家族贖罪教会Z!」」」」ワーイ ダッパーン! 咲「あ、高波……」 グチャ~ 4人「「「「…………」」」」 【おまけ】 宥「気持ちいいね~」ガタガタガタガタ 灼「気持ちい」 尭深「あの、お茶飲みますか?」 宥「あ、ありがとう~」ガタガタガタガタ 尭深「鷺森さんも、よかったら」 灼「どうも」ペコ 灼(熱い……) 宥「ずず~」 尭深「ずず~」 宥尭「「ほぉ……」 宥「あったか~い」ニコニコ 灼(熱いけど、お茶) 灼「美味し……」ズズ 尭深「……」ニコリ 灼「///」 宥「こんな日は、お鍋とか食べたね~」 灼尭「「うん」」 「「……………………え?」」 【次回予告】 京太郎「鍋やるべー!!」 穏乃「鍋やるべー!!」\>ワ</ 次回 夏だ!海だ!水着で鍋パーティーだ!
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京太郎「まさか車に轢かれて足骨折とは…」 京太郎「まぁ命が助かっただけ運がいいと思おう!」 京太郎「…それにしても暇だ。テレビはつまんないし」 京太郎「皆今ごろ学校かぁ…」 京太郎「暇だし携帯で麻雀でもやるか」 麻雀部部室 優希「朝からどうしたんだじぇ染谷先輩」 まこ「こんな早くに呼び出してすまんかったのお、全員揃ったしちょっと報告があるんじゃ」 和「なにかあったんですか?」 咲「まだ部長と京ちゃんが来てないんですけど…」 まこ「あーそのことなんじゃが、京太郎のやつが車に轢かれてなぁ」 咲「えっ!?」 優希「まじか!?」 和「大変じゃないですか!須賀君は大丈夫なんですか?」 まこ「命に別状はないそうじゃ。ただ足を骨折してしばらく入院するそうじゃがな」 和「そうですか…取り敢えず命に別状がなくて安心しました」 咲「びょ、病院!病院行かないと!」 優希「そうだじぇ!急ぐじぇ!病院はどこだじょ!」 まこ「落ち着きんさい!これから授業じゃろーが!」 咲「そ、そうでした…」 優希「しかも今日は結構重要なテストがあったんだじぇ…」 和「お見舞いは放課後に行きましょう。所で部長はどこに?」 まこ「授業サボって見舞いに行ったわ」 咲「部長ずるい!」 病院 久「須賀君ー具合どうー?」 京太郎「部長!?なんでここにいるんですか!?」 久「そりゃーお見舞いに来たに決まってるじゃない」 京太郎「いや…今から授業なんじゃ…?」 久「サボったわ」 京太郎「いいんですかそれ」 久「私は部長よ?部員の危機に授業なんてどうでもいいわ」 京太郎「部長…」 久「それに…今日の最初の授業つまんないのよ」 京太郎「それが本音ですか」 久「と言うわけで一時間目が終わるまでここにいるわ。ジュース買ってきたわよ、飲む?」 京太郎「あ、飲みます。すいません」 久「携帯で麻雀やってたの?見せてみなさい…って」 京太郎「ん?」 久「相変わらずよく分からない打ち方してるわねぇ…」 京太郎「俺は普通に打ってたつもりなんですけど…」 久「いい機会だから個人指導してあげるわ。それポンして!」 京太郎「は、はいっ!」 京太郎(部長近い!すげえいい匂い!) 久「ふぅ…須賀君の指導は骨が折れるわねー骨折だけに」 京太郎(危なかった…いい匂いすぎてロッカーに押し込む所だった…) 久「あら、もう大分時間経ってるわね。そろそろ学校に戻るわ」 久「その前に」 京太郎「部長…その手にあるマジックは何に使うんですかね…」 久「決まってるじゃない!入院といったら落書きでしょ!」 京太郎「やっぱりですか!」 久「よし完成!」 京太郎「なんて書いたんですか…」 久「我はスケベ長野代表京太郎。我に近づくおなごは全員スケベな目で見るぞ」 京太郎「ひでぇ!絶対見た人に誤解される!」 久「大丈夫よ。皆イタズラだって思ってくれるわ」 京太郎「イタズラでも恥ずかしいんですけど…」 久「じゃ私帰るわー養生してなさい」 京太郎「あ、お見舞いありがとうございました」 久「治ったらまた個人指導してあげるから、がんばりなさい。じゃあね!」 バタン 京太郎「嵐のように去っていったな…でも個人指導は楽しみだぜ!」 病院 昼過ぎ 京太郎「病院食少ない。味薄い」 京太郎「男子高校生の腹はこんなもんじゃ満足しねぇ…」 京太郎「あーもうちょいなんか食いたい…」 まこ「思った通りじゃのう、落書きも予想通りやられとるし」 京太郎「染谷先輩!?」 京太郎「学校は…って今は昼休みか」 まこ「おまえさんが腹すかしてると思ってな、軽い物買ってきたんじゃ」 京太郎「ほんとですか!ありがとうございます!」 まこ「何、見舞いのついでじゃ、ここ学校から近いしのう。わしは放課後仕事入ってるし」 京太郎「仕事って言うと…雀荘ですか?」 まこ「それ以外何があるんじゃ、客はそこそこ入るんじゃが従業員が足りなくての、休むわけにはいかん」 まこ「そうじゃ京太郎、うちでバイトせんか?」 京太郎「バイトですか?でも俺麻雀弱いですよ」 まこ「最低限出来ればいいんじゃ。他にも料理運んだり掃除だったりする事は山ほどある」 まこ「他人の打ち方を見て自分も麻雀が打て、給料までもらえる。これほど得な事はないぞ。どうじゃ?」 京太郎「確かにすごくいい環境ですよね…やってみようかな」 まこ「それに…和もたまにうちでバイトするんじゃが…うちの店の制服はメイド服じゃ」 京太郎「それは…」 まこ「必然的にメイド服を着ることになる…どうじゃ?見たくないか?」 京太郎「先輩!俺バイトやりたいです!」 まこ「よし。まあそれは治ってから詳しい話をするとしてわしはもう帰るわ」 京太郎「そういえば昼休みもう終わりますね」 まこ「それじゃとっとと治すんじゃぞ」 京太郎「はい、お見舞いありがとうございました」 バタン まこ「バイトか…勢いで決めちゃったけど頑張るか!」 病院 夕方 京太郎「もう放課後か」 ガチャ 優希「おっ!ここにいたか」 京太郎「優希も来てくれたのか」 優希「ふふん。犬の面倒を見るのは飼い主の役目だからなっ!」 京太郎「言ってろ」 優希「タコス食うか?」 京太郎「食う」 優希「落書きには突っ込まないじぇ。どうせ部長だし」 京太郎「あーやっぱ分かる?」 優希「内容も本当のことだしな」 京太郎「そこは違うって言えよ!というか咲と和は?」 優希「咲ちゃんとのどちゃんは先生に呼び出されてたじぇ。終わったら来るじょ」 京太郎「おおっ!和も来てくれるのか!」 優希「私がいるのに他の女の話とはいい度胸だな犬。くらえっ!」 京太郎「おい、ほっへはひっはるはよ」(ほっぺたひっぱるなよ) 優希「おー思ったより伸びるじょ」 京太郎「やめんか」 優希「じゃ、私はそろそろ帰るじぇ」 京太郎「もう帰るのか?もう少しいればいいのに」 優希「タコスの安売りがあってなー買い占めに行くじょ!」 京太郎(買う人こいつの他にいるのか?) 優希「それに…そろそろ人の形が保てなくなるのだ」 京太郎「タコスにはならないからな」 優希「じゃあな!」 京太郎「おう」 優希「早く帰ってくるんだじょ!私はダーリンの帰りを待ってるからな!」 バタン 京太郎「誰がダーリンだ誰が」 京太郎「でもあいつといると気が楽だよなほんと」 京太郎「暗くなってきたな」 コンコン 京太郎「どうぞー」 ガチャ 和「須賀君、具合どうですか?」 京太郎「お、和か」 和「お見舞いに来たんですが…咲さんは来てますか?」 京太郎「いや、来てないけど」 和「えっ…」 京太郎「ん?」 和「咲さん…私より早く病院に向かったはずなんですけど…」 京太郎「…携帯は?」 和「忘れていったので私が持ってます」 京太郎「また迷子か…」 京太郎「まあ多分大丈夫だろ。よくあることだ」 和「大丈夫でしょうか…」 京太郎「長野だし多分道間違えたとかだろう。よくあることだ」 和「そうですね、待つことにしましょう」 京太郎「それにしてもあいつはこんな近い病院に来るのにどうやったら迷えるんだ…」 和「昔からああだったんですか?」 京太郎「修学旅行は警察ざたになったな…スキー旅行も捜索隊が出て大変なことになった…」 和「そんなに酷かったんですか…あ、リンゴ剥きますね」 京太郎「悪いな」 京太郎(しかし…下から見上げるおもちは素晴らしいな…動くと揺れるし) 京太郎(一回でいいから触ってみたいなぁ…) 和(…) 和「須賀君」 京太郎「ん」 和「視線、気付いてますからね」 京太郎「」 和「女の子は皆気付いてるんですよ、そういう視線。須賀君は表情にも出てますし、足に書いてある通りですね」 京太郎「すいませんでした!」 和「まあ男性ですし…仕方ないとは思いますけど」 和「須賀君は分かりやすすぎです。もう少し分かりにくくお願いします」 和「他校の人とか見てるときも…部長や染谷先輩は気付いてるんですよ」 京太郎「直すよう善処します…」 和「リンゴ、置いときますね。あとこれをどうぞ」 京太郎「ノート?」 和「今日の授業の内容が書いてます」 京太郎「おおっ!助かるよ!ありがとう和」 和「いえ、須賀君が赤点とられても困るので」 京太郎「俺は優希ほど勉強苦手じゃないって」 和「ふふっ、では私はもう帰りますね。遅くなると両親が心配しますので」 京太郎「ああ、悪かったなわざわざ来てもらって」 和「いえ、いつも雑用してもらっていますしこれぐらい当然です」 和「では、また来ますね。さようなら」 バタン 京太郎「…視線は直さねば」 京太郎「…もうそろそろ面会時間終了なのに咲が来ない」 京太郎「まあ大丈夫か、子供じゃないんだし」 京太郎「眠くなったな。ちょっと寝よう…」 京太郎「しかしこの尿瓶は慣れないな…あんまり出ないが寝る前にはしないと不安になるしな」 京太郎「さて…寝るか…」 京太郎「zzz」 病院 通路 咲「うう…道に迷って遅くなっちゃった…もう時間あんまりない…」 咲「京ちゃんの病室どこだろ…」 咲「あ…ここだ…須賀京太郎って書いてる」 ガチャ 咲「ごめんね京ちゃん遅くなっちゃって…あれ?」 京太郎「zzz」 咲「寝てるし…」 咲(起こすのも悪いし、寝かしといてあげよっと) 咲「ん?」 咲の視線→京太郎の足の落書き 咲(これやったのは…部長だね絶対…) 咲(何か他にもイタズラされてそうだなー)キョロキョロ 咲「あ」 咲が見つけたもの→尿瓶(京太郎使用済み) 咲(こ、これって…) 咲(し、尿瓶だよね?おしっこするときに使う…) 咲(そ、それがここにあるってことは京ちゃんが使ったってこと…?) 咲(そ、そうだよね!動けないなら使うしかないよね!) 咲「…」 咲「あ、あー…なんかトイレ行きたくなって来たなー」(棒) 咲「で、でも私、トイレの場所知らないし…」 咲「我慢したら間に合わずに漏らしちゃうかもしれないし…」 咲「かといって動き回ったらまた迷子になるかもしれないし…」 咲「し、仕方ないよね…うん」 咲「京ちゃんは…寝てるよね…?」 京太郎「zzz」 咲「じゃ、じゃあちょっとこれ借ります…」 咲「…」 咲(スカートは…脱がない下着だけ下ろそう…) 咲(スカート片手で押さえて…尿瓶はもう片方で…) 咲(ちょ、ちょっとがに股になったほうがいいかな…) 咲(これでいいかな…うん…) 咲(出る…) チョ チョロロロロ チョロ チョ チョ 咲(…) 咲(な、何やってるの私!?) 咲(これじゃ変態みたいじゃない!) 咲(と、取り敢えず後始末!あと証拠隠滅!) 咲(なんとか終わった…) 咲(もう…京ちゃんがあんな所に置いとくから…) 咲「そうだよ!京ちゃんが全部悪いんだよ!」 咲「京ちゃんまだ寝てる?」 京太郎「zzz」 咲「よし!仕返しに落書きしよ!」 咲「でも足はもう書けないから…顔に書いちゃえ」 咲「ふんふーん」カキカキ 咲「もっと書いちゃえ」カキカキ 咲「部長よりも恥ずかしいこと書いてやる」カキカキ 咲「いっぱい恥かけばいいんだよ。ふーんだ」カキカキ 咲「完成!」 咲「たくさんの人に見られて恥かくといいよ。ふふん」 ガチャ ナース「失礼しますぅー面会時間終わりですよぅー」 咲「わっ!すいません!」 ナース「あ、お邪魔やった?」 咲「い、いえっ!」 ナース「ラブラブやね~めっちゃ羨ましいわ~でももう時間やし、続きはまた今度にしてな~」 咲「い、いやラブラブなんて!じゃあ京ちゃんまたね!」 京太郎「んー…今何時だ…」 京太郎「あー結構寝たな…咲は来なかったのか…」 京太郎「あれ…?俺こんなに尿瓶使ったっけ…」 ガチャ ナース「すいませんー夕食ですぅー」 京太郎「はーい」 ナース「あ、起きてたんやねー」 京太郎「ついさっき起きたんですよ」 ナース「なるほどーはーい、ご飯やでー」 京太郎「あ、どうも」 ナース「そういえばさっきお客さん来てたでー」 京太郎「お客さん?」 ナース「うん、短い髪の女の子」 京太郎(咲か) ナース「それでなー…ふふっ」 京太郎「どうしたんですか?」 ナース「いやー須賀君の顔見てたらちょっとなー」 京太郎「?」 ナース「あ、うちそろそろ戻らんと。ばいばいスケベ代表須賀君」 バタン 京太郎「スケベ代表って…」 京太郎「それより顔って…どっかおかしいか?」 京太郎「もしかして咲のやつがなんかしたのか…?」 京太郎「鏡見てみるか」 鏡に映ったのは俺の顔と顔に書かれた『京ちゃんは私の将来の旦那様、ずっとずっと大好きです』という落書きだった。 焦って取り敢えず写メとってから落書きは消してしまったが。 看護師さん以外に誰にも見られてないことを話した時の咲の反応が面白かったな。 咲「結局恥かいたの私だけじゃない!」 カン! おまけ 憧「ねえ京太郎…これなにか分かる?」 京太郎「俺が使った尿瓶じゃねーか!汚いから触るなって!」 憧「嫌よ」 京太郎「嫌ってお前…」 憧「動かないで」 京太郎「はぁ?」 憧「…」スルスル 京太郎「な、何でお前パンツ脱いで」 憧「喋らないで、あんたはただ見てればいいの」 憧「この中にはあんたのおしっこが入ってる…声出さないでね」 京太郎(な、なんでこいつ俺が使った尿瓶にまたがってんだ!?) 憧「んっ…」 チョロ シャアアアア 憧「どう…?あたしのおしっことあんたのおしっこ…こんなに混ざってる…」 京太郎「」 もういっこカン 正直これ蛇足だわ
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『いつも目が京太郎を追ってる』 教室 モブ「それでさー」 淡「……」チラッ 淡(あ、きょーたろだ) モブ「だったの……って淡?」 淡「え?」 モブ「聞いてた?」 淡「あ、ごめん……ボーッとしてた」 モブ「しっかりしてよー。最近そういうの多いよ?」 淡「そ、そんなことないもん」 モブ「そう?でもこの前の体育だってーー」 ーーーー ーー 淡(男子は……サッカーかぁ) 淡「きょーたろどこだろ?」キョロキョロ 先生「大星さん?どうかしましたか?」 淡「え?あ、いえ!」 先生「そうですか?では説明続けますね。今日はーー」 淡「……」チラッ 淡(あ、きょーたろだ。あ、ボールもった♪いけいけ、きょーたろシュート!) 先生「ーーです。では早速ペアになってやってみてください」 モブ「淡ーやるよ」 淡「……なにを?」 モブ「……何聞いてたの……」 ーーーー ーー 淡「あれは具合が悪くて……」 モブ「ふーん……」ジトッ 淡「ほ、ほんとだもん……」 モブ「そういえば、この前の英語でもーー」 ーーーー ーー 先生「じゃあ、次の訳を……須賀」 京太郎「……私はかつて日本全土を統治したことがある」 先生「正解だ。ちなみにこれ誰だと思う?」 京太郎「え?織田……いや、豊臣?」 先生「そう思うだろ?でも、この時代に英語は浸透してないはずだから違う」 京太郎「じゃあ誰なんですかね?」 淡「……」チラッ 淡(またきょーたろ絡まれてる……。でもそれに嫌な顔一つしないで対応するきょーたろ格好いい♪) 先生「これ誰だと思う?えーと、大星」 淡「え?え?」オロオロ 淡(何答えれば?)アセアセ モブ「答えなんかないから落ち着きなよ」コゴエ 淡「そ、そうだね」フー ーーーー ーー モブ「あの質問に戸惑うあたり、何も聞いてなかったでしょ?」 淡「き、聞いてたもん……」 モブ「本当に?ちなみに、あの先生はお馬鹿さんには簡単な問題しか当てないから淡が答えられない問題はあたらないからね」 モブ「それを踏まえたうえでテンパったの?」 淡「う、うぅ」ナミダメ モブ「あ!あと、あれもあったね」 ーーーー ーー モブ「え?モブ子、モブ男のこと好きなの!?」 モブ子「ちょ!声が大きいよ」アセアセ モブ「ごめんごめん。で?どうなの?脈あり?」 モブ子「それが……」ズーン 淡「……地雷ぽかったね」 モブ「いやいや!降られるまで分からないよ?」 モブ子「そうかな?」 淡「……」チラッ 淡(きょーたろだ。あ、こっちみた……) モブ「そうだよ!だいたいね、私たちなんてまだ好きな人も出来てないんだよ?それだけでも凄いことだよ」 モブ子「そ、そうかな?」テレテレ 淡(ウインクしちゃお♪)パチ 淡(あ、慌ててる♪そんなに必死なんなくてもいいのに。かわいいなぁ) モブ「ね?淡もそう思うよね?」 淡「え?なに?」 モブ「あんた、今どこ見てた?」チラッ モブ子「あれは……須賀くん?」 淡「あ、あはは……」 モブ子「え?もしかして、淡ちゃん、須賀くんのこと好きなの?」キラキラ 淡「ち、違うよ。そんなんじゃないって」アセアセ モブ子「焦っちゃって淡ちゃんかわいいー」 淡「だからー」アセアセ モブ「………」 ーーーー ーー 淡「そ、そういえばそんな事もありましたね……」 モブ「でしょ?……しかも決まって須賀くん見てるし」 淡「っ!そ、そんなことないって」アセアセ モブ「ほんとかな?本当は付き合ってるとかじゃないの?」ニヤニヤ 淡「だからー、きょーたろとはそんな関係じゃないって」アセアセ モブ「……きょーたろね」 淡「あ……」 モブ「いいの、淡だって女の子だもんね。彼氏の1人や2人……」 淡「ちょ!そんなことないよ!」 モブ「え?」 淡「彼氏はきょーたろだけだもん!2人もいないよ!」 モブ「」 淡「あ、あれ?」 モブ「自然体でノロケるじゃねぇよばかぁあああああ!」ガタッ 淡「あ、モブ!?どこいくの!?」 モブ「2人とも幸せになっちゃえぇええええ」 終わり。 『ノートにきょーたろって沢山書いてあった』 淡宅 京太郎「な、なんだこれ……」 きょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろ きょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろ きょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろ きょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろ きょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろ きょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろ きょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろ きょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろ きょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろ きょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろ きょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろ きょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろ きょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろ きょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろ きょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろ きょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろきょーたろ 京太郎「これ、淡のノートだよな?」アセダラダラ 京太郎「な、なんで?」 ガチャッ! 京太郎「っ!」ビクッ 淡「きょーたろ……」 京太郎「あ、淡……」 淡「もう……勝手に人のノート見たりしたら駄目だよ?」ニッコリ 淡「きょーたろだから許してあげるけど」 京太郎「淡、これ……」 淡「あぁ。きょーたろのこと考えてたら書きたくなっちゃって……。書いてたらね?手が止まらないの♪」 淡「そのノート、まだ二冊目なんだぁ」ニッコリ 京太郎「」ゾクッ 淡「でもすぐ手が痛くなっちゃうの。愛が足りないね」 京太郎「淡……」 淡「もっと……もっときょーたろを愛さなきゃ」っノート 京太郎「あ、淡?」 淡「なーに?きょーたろ」 京太郎「な、なぁ。冗談だよな?」アセアセ 淡「……なにが?」 京太郎「なにがって……淡はそんな感じじゃなかっただろ?もっと明るくてさ!もっと元気で!」 淡「……嫌い?」 京太郎「……え?」 淡「こんな私嫌い?」 京太郎「あ、いや……嫌いじゃないけど」 淡「よかった。私ね、もっと頑張るから」 京太郎「……なにを?」 淡「もっと頑張ってきょーたろの理想の女の子になるからーー」 淡「私だけを愛して?」ニッコリ 淡「ね?きょーたろ。私だけ見て」 京太郎「……淡」 淡「なーに?」 京太郎「ごめん!」 淡「なにが?」 京太郎「これ、俺に対する意地悪か何かだろ?俺が知らない間に淡を怒らせて、それに気づかないからだろ?」 淡「何いってるの?私がきょーたろに腹を立てることなんてないよ?へんなきょーたろ」クスクス 京太郎「……淡、頼むからさ!元の淡にもどってくれ!」 淡「……なんで?きょーたろ好きなんでしょ?こういうの」 京太郎「好きじゃない!嫌いじゃないとは言ったが好きじゃない!」 淡「え……えぇええ!?」 京太郎「!?」 淡「き、きょーたろ!ヤンデレ好きなんじゃないの!?」アセアセ 京太郎「え?え?」アセアセ 淡「テルーから聞いたんだよ?きょーたろはヤンデレが好きって!」 ーーーーーー ーーーー ーー 京太郎「ヤンデレ?」 照「うん」 京太郎「ヤンデレがどうかしたんですか?」 照「京ちゃん好きなのかなって」 京太郎「うーん……どうでしょう?でも愛ゆえの病気ですからね。悪い気はしないですね」 照「そう」 京太郎「でも、突然どうしてそんなことを?」 照「今、女の子の中で話題になってるの」 京太郎「ヤンデレがですか?」 照「……少し違う」 京太郎「といいますと?」 照「ヤンデレの需要について」 京太郎「嫌な話題ですね……」 照「だから私も調べてみようって思って」 京太郎「それで俺ですか」 照「そう」 京太郎「……俺はヤンデレ嫌いじゃないですよ?もっとも病まないこしたことないですけど」 照「そう」 ーーーー ーー 部室。 淡「それで、きょ……須賀はなんて?」オドオド 照「京ちゃんはヤンデレ好きみたいだよ」 淡「そ、そっか……。ヤンデレっていうのが好きなのかぁ」 照「でも、珍しい。淡がそんなこと聞いてくるなんて」 淡「そ、そう!?わ、私だって男子の好みとか聞いておきたいし」 照「そう」 淡「うん。あ、テルーこれあげる。お礼だよ」っアメダマ 照「……」キョロキョロ 淡「……どうかしたの?」 照「部室でお菓子食べると菫が怒る」シュン 淡「……あ、アメダマくらい大丈夫だよ。たぶん……」アセアセ 照「そうかな?」 淡「そうだって!もし怒られたら一緒に怒られてあげるから♪」 照「……うん」アメダマモラウ 淡「じゃあ、私行ってくる!」 照「いってらっしゃい」 ーーーー ーー 淡宅。 淡「明日は久々にきょーたろが家にくるし準備しておかなきゃ」 淡「ヤンデレって何すればいいんだろう?」 淡「インターネットで調べれば出てくるかな?」カチカチ 淡「あ、あった。……え?こ、ここれ!?」 淡「えっと……きょーたろ……こういうのが好きなの?」 淡「……そういえば、夜もたまに変なことさせようとしてくるし……////やっぱりこういう変わったのが好きなのかな?」アセアセ 淡「…………………」 淡「よし、きょーたろのためにも頑張ろう!」 淡「まずは……これかな?」っノート 淡「とりあえず一冊は書かないとね 」カキカキ ーーーーーー ーーーー ーー 京太郎「…………」 淡「だ、だから……そのきょーたろのために……」 京太郎「え、えっと……淡さん?」 淡「……なに?」 京太郎「それだと俺はただの変態です」 淡「だ、だって!夜の時とか変なこと言うじゃん!足が良いとか脇が良いとか////」 京太郎「あ、いや、それは別というか……」 淡「わ、私は少しでもきょーたろの理想になりたいの!だから、その……」 京太郎「淡」ギュッ 淡「ひゃっ」ビクッ 京太郎「誤解させるようなこと言ってごめん」 淡「きょーたろ……」 京太郎「俺はいつもの淡が好きだ。怒ってる淡も笑ってる淡も悔しがってる淡も」 淡「……////」カァァ 京太郎「だからいつもどうりでいてくれ」ギュッ 淡「う、うん////」 京太郎「……」 淡「……♪」 京太郎「ところでさ……」 淡「うん?」 京太郎「あのノートは本当淡が書いたのか?」 淡「え?あ、うん。きょーたろが好きなのかなって思って徹夜で作ったんだぁ♪」ニッコリ 京太郎「」 京太郎(そっち系の才能ありそうだな……) おわり! 『淡が京太郎に耳かきしてあげてた』 放課後の部室。 淡「暇だねー」 京太郎「だなー」 淡「……いつ帰ってくるのかな?」 京太郎「……宮永先輩が見つかるまで帰ってこないんじゃないか?」 淡「だよね……」 京太郎「……ああ」 淡「…………きょーたろ」 京太郎「学校では須賀だろ?」 淡「2人っきりの時はきょーたろだもん」 京太郎「そうだったな」 淡「ねぇ、きょーたろ。隣座ってもいい?」 京太郎「……どうぞ」 淡「……」ポスン 京太郎「……」 淡「……ねぇ、膝枕してあげよっか?」 京太郎「……別にしなくていいぞ?」 淡「……むぅ」 淡「こほん!膝枕してあげよっか?」 京太郎「……別にいいって」ニッコリ 淡「…………」プクー 京太郎「俺は正直な子が好きだからな」ニヤニヤ 淡「……膝枕させてください」 京太郎「いいぞ?」 淡「してくれるなら最初からやってよ……せっかくのムードが台無しだよ」ペシ 京太郎「すまんすまん。なんかすんなりやったらつまらないって思ったからさ」 淡「きょーたろのバカ、意地悪」プクー 京太郎「ほら、膝枕させてあげるから許せって」ポスン 淡「……なんか釈然としないんだけど」 京太郎「気のせいだって」 淡「むぅ……」 京太郎「……それにしても淡の股は柔らかいな」 淡「……きょーたろ目つきがやらしい……」 京太郎「男の子だからな」 淡「そんなに偉そうに言わなくても……って」 京太郎「うん?」 淡「きょーたろ、耳掃除してる?」 京太郎「え?あー、そういえば最近してないな。もしかして汚いか?」 淡「汚いって言ったら汚い」 京太郎「まじか……」 淡「耳かきしてあげよっか?」 京太郎「耳かきあんの?」 淡「耳かきは女の子の必需品だよ?」 京太郎「……へー」 淡「あ、信じてないでしょ」 京太郎「そんなことないぞー」 淡「ほんとかなー?」ジー 京太郎「それより、耳、やってくれるんだろ?」 淡「え?あ、うん」 京太郎「たのむー」 淡「じゃあ、失礼します」コリコリ 京太郎「んっ」 淡「あ、痛かった?」アセアセ 京太郎「あ、いや、大丈夫」 淡「そう?痛かったら言ってね?」 京太郎「おう」 淡「……」コリコリ 京太郎「……」 淡「……なんかこうしてると落ち着くね」コリコリ 京太郎「耳かきをか?」 淡「ううん、そうじゃなくてさ、2人っきりでゆっくりっていうの?こうやってだらだらしてると」 京太郎「……だな」 淡「私ね、付き合ったら毎日キスしたり手つないだりしたいって思ってたんだぁ」 京太郎「なんか意外だな」 淡「女の子だもん」 京太郎「そか」 淡「うん。でもね?こうして2人で麻雀部入ってさ、レギュラーになって、2人の時間が少なくなって思ったんだ」 京太郎「……」 淡「2人でいられる時間を大切にしようって。いちゃいちゃするだけじゃなくて、こうやって話すのもいいなぁって」 京太郎「珍しいなぁ。今時のカップルなんて2人きりになったら場所とか関係なくキスだのなんだだぞ?」 淡「自分でもそう思う」コリコリ 淡「でも、今は学校の代表だから」 京太郎「あぁ。下手の行動はアウトだよな」 淡「うん。でもね?私だって人並みにはいちゃいちゃしたいんだよ?」 京太郎「俺もだから安心してくれ」 淡「うん」コリコリ 京太郎「インハイが終わればいっぱいいちゃつけるぞ?」 淡「それはそれで何か違う気が……」 京太郎「だな」ケラケラ 淡「きょーたろ」 京太郎「うん?」 淡「毎日いちゃつけなくていいからさ、可能な限り近くにいて?」 京太郎「……あぁ」 淡「それだけで今はいいから。それだけで頑張れるから」 京太郎「分かってる。可能な限り近くにいるよ」 淡「うん」 京太郎「インハイが終わったら沢山遊ぼう」 淡「うん♪きょーたろ」 京太郎「うん?」 淡「好きだよ」 京太郎「俺もだよ、淡」 おわり! 【番外編】『京太郎が淡に耳かきしてあげてた』 学校。 淡「きょーたろ♪」ダキッ 京太郎「おっと……淡かぁ。どうした?」 淡「なんとなくー」スリスリ 京太郎「可愛いなぁ」ナデナデ 淡「♪」 京太郎「あんまり可愛いとキスするぞ?」 淡「え!?だ、駄目だよ」アセアセ 淡「ここ学校なんだから。そそそそういうのは家とかで」アセアセ 京太郎「抱きついたりナデナデしたりいいのにか?」 淡「これは……スキンシップだもん」プイッ 京太郎「淡の境界線がよくわからんな……」 淡「……へ、変かな?」チラッ 京太郎「え?」 淡「だ、だから、バグとかは抵抗無いのにき、ききキスには過剰反応するところ……////」 京太郎「いや?考え方なんて人それぞれだろ?」ナデナデ 淡「んっ……えへへ」ニパー 京太郎「ところで……」 淡「ここに呼んだ理由ってなんだ?淡が呼び出すんだから何かあるんだろ?」 淡「え?あぁ!そうだった!」 京太郎「?」 淡「えっとね、耳かきしてあげよって思って!」 京太郎「……耳かき?」 淡「……うん♪」 京太郎「……今度はなんの影響だ?」 淡「っな、何のこと?」 京太郎「淡が普段やらないようなことをやるときは漫画かテレビかの影響以外ありえない」 淡「……そんなことないもん」 京太郎「ほんとか?」 淡「……」 京太郎「……」ニヤニヤ 淡「…………漫画です」 京太郎「やっぱり」 淡「べ、別にいいでしょ?」アセアセ 京太郎「まぁな。でも少し残念なお知らせがある」 淡「え?」 京太郎「昨日の夜に耳かきしたんだ。自分で」 淡「……」ショボーン 京太郎「だからここで一つ提案がある」 淡「?」 京太郎「俺が淡に耳かきしてやる」 淡「……」 淡「え、えぇええ!?」 淡「い、い、いいい、いいよ!恥ずかしいもん!」アワアワ 京太郎「……そんな恥ずかしいことを俺にさせようとしてたのか……」 淡「あ、いや、その……」 京太郎「……」ジー 淡「……わ、わかったよ////」プシュー ーーーー ーー 膝枕中。 京太郎「どうだ?」コリコリ 淡「んっ、なんか、これいいね。癖になりそう」 京太郎「痛かったら言ってくれよ?」 淡「わかった♪」 京太郎(こうして改めて見ると……) 京太郎(淡って肌綺麗だし、柔らかいな) 淡「♪」 京太郎「…………」 京太郎(少しくらいなら悪戯しても平気だよな?) 京太郎「よし、終わったぞー」 淡「んっ、ありがとー♪」 京太郎「あ、ストップ」 淡「うん?」 京太郎「……」フー 淡「ひゃう!」ビクッ 淡「な、ななな!」カァァ 京太郎「……ずいぶんと可愛い反応するんだな」 淡「急になにすんのよ!」カオマッカ 京太郎「え?ゴミがついてて」 淡「嘘だよ!絶対にわざとでしょ?」プクー 京太郎「わざとじゃないって」 淡「……」ジー 京太郎「いいか?わざとっていうのはーー」スッ 淡「へ?」 京太郎「こういうこと」ハミ 淡「っ!」ビクッ 淡「ち、ちょ、きょーたろ!?」ジタバタ 京太郎「……」ハミハミ 淡「だ、駄目だって……んっ…やめ……」 京太郎(耳たぶってそんなに感じるもんなのか?) 淡「きょ、きょーたろ?」チラッ 京太郎「……」ペロッ (耳に舌をいれる) 淡「っ!?」ビクッ 淡「ちょ、んっ、やめ……」ジタバタ 京太郎「……」ガシッ 淡「き、きょーたろ!?」 京太郎「……」ペロペロ 淡「ふぁっ!き、きょーたろ……んっ…それ、やめ……////」ジタバタ 京太郎「……」ペロペロ 淡「そ、それ!な、なんか変だか……らぁ////」 淡「んんっ……ぞ、ぞくぞく…するからぁ……////」モゾモゾ 京太郎「……」ペロペロ 淡「き、きょ、きょーたろ……そろそろ、やめ……////」モゾモゾ 淡(ぞくぞくして……体すっごい熱い……) 京太郎「……」ペロペロ 淡「……あ、や!きょーたろぉ……ストップ////」モゾモゾ 京太郎「ほい」 淡「……へ?」 京太郎「耳掃除おわったぞ?」 淡「み、耳掃除って……はぁ……はぁ……////」 淡「……変なタイミングで止めないでよ////」ボソッ 京太郎「うん?」 淡「なんでもない!きょーたろの馬鹿!」タタタッ 京太郎「あ、おい!どこいくんだよ!」 淡「うるさい!馬鹿きょーたろ!」バタンッ 京太郎「……やりすぎた?」 数分後、パフェを奢って仲直りしました。 終わり。 『京太郎が他の女の子と話してるのを見て目のハイライト消えてた』 ザクッ 淡「きょーたろ……」ザクッ 淡「……なんで私以外の女の子と楽しそうに話してるの?」 淡「昨日までは私と一緒だったのに……」ザクッ 淡「……あぁ、そっか」 淡「あの女がいけないんだね?」 淡「そうだよね……。きょーたろは私を一番に考えてくれてるもんね」 淡「……まっててね?あの、きょーたろをたぶらかす泥棒猫、すぐに消してあげるからね?」ポイッ ーーーーーー ーーーー ーー 京太郎「なぁ、それでどう思う?」 モブ子「うーん……須賀くんがそういうならそれでもーー」 モブA「……あの2人、仲良いよね」 モブB「付き合ってたりして♪淡はどう思う?」 淡「…………」 モブA「……淡?」 淡「……え?あ、あぁーそれはないんじゃない?」 モブA「そうかな?」 淡「ないない♪」 淡「だって……きょーたろは私のだもん」ボソッ ーーーー ーー 京太郎「わりぃ!」 淡「もう、待ちくたびれたー」 京太郎「本当にごめん」 淡「きょーたろだから許してあげる♪」ダキッ 京太郎「お、おい」アセアセ 淡「うーん?なんでそんなにオタオタしてるの?」ニヤー 京太郎「いや、だって誰かに見られたら……」 淡「このくらいなら大丈夫だと思うけどなぁー」 京太郎「と、とりあえず学内ではやめようぜ?」 淡「むー、わかったよ……」 淡「でも、これだけは覚えておいて?その右腕は私のだから」 京太郎「俺のだよ!」 淡「私のでもあるのー♪きょーたろの体はぜーんぶ」 京太郎「……」 淡「どうかした?」キョトン 京太郎「あ、いや。なんか淡が可愛く見えて」 京太郎(それに加えて、なんかやけに積極的なような……) 淡「そ、それって普段は可愛く見えないってこと?」ジロッ 京太郎「え!?あ、いや!普段よりだよ」アセアセ 淡「ほんとにー?実は飽きたとかないー?」ジー 京太郎「そんなことあるわけないだろ?」ナデナデ 淡「わっ」 京太郎「俺が淡以外の女を好きになるなんてありえねーよ」 淡「知ってる♪きょーたろは私にぞっこんだもんね」 京太郎「それ、自分でいうことか?」 淡「きょーたろこまかーい」プンプン ーーーー ーー モブ子「あ、須賀くん」 京太郎「うん?」 モブ子「その……今日の放課後空いてる?」 京太郎「放課後?……まぁ、空いてるけど」 モブ子「そう?なら放課後、教室で待っててくれる?」 京太郎「なんな大事なようなのか?」 モブ子「うん。とっても大事な話」 京太郎「そっか。りょーかい」 モブ子「それじゃあ!」タタタッ 京太郎「おう」 淡「……きょーたろ」 京太郎「っ!」ビクッ 京太郎「あ、淡か」 淡「……今日の放課後、時間ある?」 京太郎「え?放課後?」 京太郎(今予定いれちゃった……) 京太郎「えっと急用?」 淡「ううん。ただ、新しくできた喫茶店行きたいなぁって」 京太郎「あ、そっか。でもごめんな?今日は先客がいるんだ」 京太郎(淡には悪いけど、あんな真面目な顔したモブ子みたことないしな。淡には今度ちゃんと埋め合わせすればーー) 京太郎「だからごめんな?」 淡「私より大事なようなの?」 京太郎「え?」 淡「私より大事なようなの?」ジリッ 京太郎「淡?」 淡「ねぇ。私より大事なようなの!?」 京太郎「どうしたんだよ。淡らしくないぞ?」 京太郎「あと、優先順位でいうなら淡より上なものなんてない」 京太郎「でもな?約束ってそんな個人的な都合で放棄していいもんじゃないんだ」 淡「……」 京太郎「だから、今日はごめんな?今度一緒に行こう」 淡「……うん」 ーーーー ーー 放課後。 京太郎「遅いなぁ」 京太郎「モブ子って時間には細かいやつなのに」 京太郎「なんかあったのか?」 ガラガラ モブ子「あ、須賀くん……」 京太郎「よお」 モブ子「遅くなってごめんね」 京太郎「いいって。それで?用っていうのは?」 モブ子「あ、うん……」 京太郎「どうかしたか?」 モブ子「え、えっとね?その……」 京太郎「?」 モブ子「その、私ーー」 ガラッ 京太郎「!?」 モブ子「!?」 京太郎「……気のせい?」 モブ子「でも、今……」 ーーーー ーー 数日後。 淡宅。 淡「今お茶いれてくるからまっててー♪」 京太郎「おう」 京太郎(そういえば淡の家にくるのも久々だな) 京太郎「……」キョロキョロ 京太郎「……なにやってんだ俺」orz 京太郎「……うん?なんだこれ」 京太郎「写真……っ!?」 京太郎「なんだこれ……」 京太郎「な、なんで……」 京太郎「モブ子のところだけ穴だらけなんだよ……」 ガチャ 京太郎「っ!」ビクッ 淡「あ、みちゃったかー」 京太郎「お、おい、淡……これ」 淡「うん?それがどうかした?」ニパー 京太郎「どうかって……なんでこんなことしてんだよ!?モブ子と仲いいんだろ?」 淡「モブ子?……あぁ、あの」 京太郎「」ゾクッ 淡「今はあんなやつの話やめない?せっかく2人っきりなんだから」ダキッ 京太郎「あ、淡!」バッ 淡「……もぉ、いきなり突き飛ばしたら危ないじゃん♪」 京太郎「淡!なんでだ!なんで!」 淡「……あの女はきょーたろにとって害悪だから」 京太郎「…………は?」 淡「この前さ、私の誘い断ってあの女と会ってたでしょ?」 京太郎「っ!」 淡「きょーたろは優しいからね、あんな女の為にも優しくしてあげられる。でもね、きょーたろは私のなの」 京太郎「…………」 淡「……それなのに、何を勘違いしたのか抱きついて告白しちゃうし」 京太郎「あ、あれは!」 淡「流石に腹立っちゃったよ」 京太郎「ご、ごめん」 淡「うん?なんできょーたろが謝るの?あれはぜーんぶあの女がいけないんだよ?」 京太郎「……」 淡「ぜーんぶあの女がいけないの。あ、私はきょーたろに怒ってるわけじゃないから安心してね?♪」 京太郎「……だから写真に穴を?」 淡「写真だけじゃないよ」 京太郎「…………え?」 淡「本人にもあけちゃった♪」 京太郎「……は、はぁ!?何をだよ!」 淡「だからぁ、あ な♪」 淡「ほら」ガチャ 京太郎「」 モブ子「」 淡「こいつ、最後まできょーたろの名前呼んでたんだよ?私のなのに」プンプン 淡「でも、これで安心だね♪」 淡「これからずっと2人っきりだよ?」 ーーーーーー ーーーー ーー 京太郎「淡!」バッ 京太郎「…………」 京太郎「…………夢?」 淡「う、うーん……きょーたろ?」メゴシゴシ 京太郎「あ、ごめん」 淡「大丈夫?スッゴい汗かいてる……」 京太郎「あ、あぁ。ちょっと悪夢を見てな」 淡「……」ナデナデ 京太郎「?」 淡「きょーたろが沈んでると私までしずんじゃうから。元気だして」ナデナデ 京太郎「あぁ。ちょっと汗かきすぎたからシャワー行ってくる」 淡「……私も入ろっかな」 京太郎「あ、じゃあ先に使うか?」 淡「むー。一緒にだよー」プクー 京太郎「……なるほど」 淡「昨日の続き、しよ?」 終わり。 『淡が通い妻してる』 朝。 ピンポーン 京太郎「はーい」ガチャ 淡「おはよ!きょーたろ♪」 京太郎「……今日は日曜日だぞ?」 淡「知ってるよ?休みの日はきょーたろ、だらだらしちゃうから世話しにきてあげました♪」 京太郎「……わるいな」 淡「きょーたろのためだから苦でもないよ!」ニパー 京太郎「……とりあえず、あがれよ」 室内。 淡「あちゃあーー、汚いね……」 京太郎「……これでも片づけたんだぞ?」 淡「それでも汚い……きょーたろ、朝ご飯はまだ我慢できる?」 京太郎「え?あ、まぁ」 淡「よし、なら片づけちゃうね」 京太郎「え、いいよ別に」 淡「綺麗な部屋で食べた方が美味しいものがさらにおいしくなるんだよ?私がやるし、きょーたろはゆっくりしてて」 京太郎「いやいや、手伝うって……」 京太郎(ベッドの下とか本棚を漁られたら死にたくなる……) 淡「そう?ならベッドの下と本棚片づけておいてくれる?」 京太郎「」 京太郎(ばれてる!?) ーーーー ーー 淡「♪」トントントン 京太郎「……俺の部屋ってこんなに広かったのか」 淡「片づけるだけでだいぶ違うよね」 京太郎「次から汚さないよう心がけるわ」 淡「うん♪あ、でもまた汚くなったら手伝ってあげるからね?」 京太郎「なるべくそうならないように心がけるよ……」 淡「そう?ふふふ♪」コトコト 京太郎「……………」ジー 淡「うーん……塩もう少しかな?」 京太郎(エプロン姿かぁ……) 京太郎(なんか、いいな) 淡「うん?どうかした?」キョトン 京太郎「あ、いや……なんか淡のエプロン姿っていいなーって思って」 淡「そ、そうかな?」テレテレ 京太郎「お、おう。なんていうか、嫁がきたみたいだ」 淡「よ、嫁って////」カァァ 京太郎「あ……」 淡「き、気が早いよぉ」カオマッカ 京太郎「ご、ごめん……」 淡「もぉ……きょーたろのバカ……////」プシュー 昼。 淡「おまたせー♪」 京太郎「きたきた」 淡「さぁめしあがれ♪」 京淡「いただきます」 京太郎「…………」モグモグ 淡「ど、どうかな?」 京太郎「おいしい!」 淡「そう?よかった」 京太郎「淡って料理とか出来るんだな。なんかそういうイメージなかった」 淡「むー!それどういう意味?」プクー 京太郎「怒るなよ。ただ付き合う前のイメージの話だ」 淡「……まぁ、実際に料理するようになったのは最近だしね」 京太郎「そうなのか?」 淡「うん」 淡「きょーたろに美味しいって言われたくてがんばったんだもん」ボソッ 京太郎「うん?なんかいったか?」 淡「何も♪あ、ご飯おかわりする?」 京太郎「あ、いただこうかな」 淡「ちょっとまっててねー」トトトッ 京太郎「淡と朝ご飯食べるのってなんかいいな」 淡「もう朝ご飯というよりお昼だけどね」 京太郎「まぁな。淡」 淡「うん?」 京太郎「ありがとうな」 淡「っ!いえいえ♪」 夜。 淡「じゃあ、そろそろ帰るね?」 京太郎「あ、もうこんな時間か……送るよ」 淡「え?いいって。すぐそこだし」 京太郎「……いつから近所に引っ越してきたんだ」チョップ 淡「えへへ♪」 京太郎「とりあえず、送るから」 淡「別にいいのに」 淡(優しいなぁ…) 京太郎「このご時世だからな。なにがあるかわからないし」 淡「……もしなにかあったら助けてくれる?」 京太郎「あたりまえだろ?」 淡「そっか……」 京太郎「……どうした、ニヤニヤして」 淡「してないもん」 京太郎「いやいや……」 淡「……ねぇ、きょーたろ」 京太郎「うん?」 淡「大好きだよ」 京太郎「……唐突だな」 淡「急に言いたくなったの」 京太郎「そっか」 淡「……で?」 京太郎「?」 淡「きょーたろは言ってくれないの?」プクー 京太郎「……好きだよ」 淡「むー!」 京太郎「……大好きだよ」ナデナデ 淡「えへへ♪」 おわり 『淡が京太郎を押し倒していた』 夜。 京太郎宅。 淡「…………」 京太郎「…………」 淡(付き合って半年なのに、まだキス止まり……) 淡(やっぱり、私の体が貧相だからかな……) 淡(でも、今日は2人っきりだし、何かあるよね?) 京太郎(半年かぁ……そろそろいいのか?)チラッ 淡「…………」ソワソワ 京太郎(……俺の家くるだけでこんな緊張してるし、まだ駄目だよな……) 淡(今日こそどうにかしなくちゃ!) 京太郎(今日は駄目かな) ーーーー ーー 昨日。 淡宅。 淡「……」ペラッ 『男が押し倒したくなる女のしぐさランキング』 『男の考える女のOKサイン』 『これでイチコロ!男を落とすテクニック10』 淡「うーん……どれがいいんだろ……」 淡「わかんないよぉ」ズーン コンコン 淡「え?あ、はい」 淡母「淡ちゃん、お風呂わいたけど入らない?」 淡「あ、もうこんな時間……。今勉強してるから先に入ってー」 淡母「そうなの?じゃあお言葉に甘えさせてもらうわね♪」タタタッ 淡「…………これも勉強だもん」 淡「よし、もうひと頑張り!」 ーーーー ーー 淡(今日は少し積極的に動こう) 淡(そして今日こそ!) 淡「ね、ねぇ、きょーたろ?」 京太郎「うん?どうした?」 淡「なんか暑くない?」ハタハタ 京太郎「っ!」 作戦1 胸元をハタハタさせて煽る。 淡(これを自然にやると良いって書いてあった) 淡(……でも、なんか恥ずかしい///)カァァ 淡(きょーたろ、どうかな?)チラッ 京太郎「……」サッ 京太郎(こういうのは見ないのが紳士のつとめ)キリッ 京太郎(淡が故意にやってるとは思えないし。まったく、無防備だなー) 淡(見てない!?男の子ってチラリズム?って好きなんじゃないの?)アセアセ 作戦1 失敗 淡(きょーたろ、強敵……) 淡(なら、これならどう?) 淡「うーん。やっぱり暑いし脱ぐね?」 京太郎「!?」 作戦2 上着を脱いで薄着になる 淡(薄着イコール裸に近い。これでドキドキしない男はいないらしい) 淡(これなら流石のきょーたろでも意識してくれるはず!) 京太郎「淡、まだ時期的にその恰好は風邪ひくぞ?薄手の上着貸してやるから」 淡「え?あ、うん。ありがとう……」 京太郎「どういたしまして」ナデナデ 淡「んっ」 淡(きょーたろにナデナデしてもらえたー♪) 淡(じゃなーい!目的が違うよ!) 淡(まさかこんな方法で回避されるなんて……あ、きょーたろの匂い) 作戦2 失敗 淡(まだ、まだ作戦あるもん!) 淡「ねぇ、きょーたろ」ピトッ 京太郎「うん?どうした?」 淡「きょーたろって結構筋肉凄いよね」サワサワ 作戦3 ボディタッチをしながら体の特徴を誉める! 淡(さらに!) 淡「それにきょーたろの腕暖かい」フニョン 作戦4 胸をさり気なく押し付ける 淡(これなら流石のきょーたろだって……)チラッ 京太郎「淡、暑かったんじゃないのか?」 淡「」ピシッ 京太郎(淡、胸当たっての気づいてんのかな?)アセアセ 作戦3 4 失敗 淡(これも駄目……てか、勇気だして胸まで押し付けたのに……) 淡(……サイズの問題?)モミモミ 淡「今更どうしろっていうのよ!」キー! 京太郎「!?ど、どうした?」アセアセ 淡「キッ!」 京太郎「っ!」ビクッ 淡(もう、いいもん) 淡「……」ジリジリ 京太郎「え、えっと淡さん?」アセダラダラ 淡「ぜーんぶきょーたろのせいなんだよ?」 (京太郎の膝の上に向かい合って座る) 京太郎「……」 淡「きょーたろのへたれ……」グッ ドサッ 淡「なんであんなに頑張ったのに押し倒してくれないの?」ウルウル 京太郎「え?あ、いや……」 淡「私、魅力ない?」 京太郎「そんなことない!」 淡「っ!」 京太郎「淡に魅力がないわけないだろ?ただ、不安だったんだ……」 淡「……不安?」 京太郎「淡が嫌がるんじゃないかって……」 淡「…………」 京太郎「…………」 淡「まったく……」 淡「ほんとにヘタレなんだから」チュッ 京太郎「!?」 淡「んっ」 京太郎「……」 淡「ぷはっ……」 京太郎「あ、淡……」 淡「ほら、きょーたろ汚名返上のちゃんすだよ?」ポスン (ベッドの上にのる) 淡「続き、しよ?」 終わり 『プリクラから二人で出てきた』 放課後。 淡「プリクラを撮ろうと思います!」 京太郎「…………は?」 淡「プリクラ知らない?写真とるやつ」 京太郎「いやいや、それは分かる」 淡「じゃあ何が分からないの?」 京太郎「……そんなことしてるの誰かに見られたらバレるぞ?」 淡「あー……」 京太郎「プリクラとるのが嫌ってわけじゃないけど、淡は俺達が付き合ってるの隠したいんだろ?」 京太郎(隠すために学校じゃツンケンしてるしなぁ……) 淡「まぁ……」 京太郎「それでも撮るか?」 淡「うーん……」 淡「バレるのは……滅茶苦茶恥ずかしいけど……。撮りたいなぁ」チラッ 京太郎「っ!」ドキッ 淡「だめ……かな?」ジッ ーーーー ーー ゲーセン。 京太郎「へー……プリクラって結構種類あるんだな」 淡「そうだよー。目がくっきりするやつとかありのままを撮るやつとか色々」 京太郎「それでおすすめってあるのか?俺、プリクラ撮ったことないからよく分からん」 淡「え?プリクラ初なの?」 京太郎「……変か?」 淡「え?いや、そういうことじゃなくて」 京太郎「?」 淡「初めてかぁ……初めて……♪」 京太郎「あのー淡さん?おーい?」ペシペシ 淡「へ?あ、あぁ、そうだね!機種選ばなきゃね!」アセアセ 京太郎「お、おう」 京太郎(今、何考えてたんだろ……) 淡「じゃあ……これとかどう?」 京太郎「これって言われてもどんな物か分からないんだが……」 淡「えっとね、ランダムに出てくるお題に合わせてプリ撮るんだよ」 京太郎「そんなのがあるのか。お題って例えば?」 淡「うーん……そうだね」 淡(あ、いいこと思いついた♪) 淡「結婚式とか?」 京太郎「え?」 淡「あと、き、キス……とか?////」カァァ 淡(自分で言って恥ずかしくなるとか……////) 淡(嘘なんだから照れることないよ!自分!) 京太郎「……お題に従わなくてもいいのか?」 淡「一応、出たお題には従わなきゃ駄目ってルールだよ?」 京太郎「そうなのか……」 淡(従わなくてもいいんだけどねー) 淡「どうする?」 京太郎「うーん……」 淡「別に他のでもいいよ?」 京太郎「あ、いや。せっかくだしこれにするよ」 京太郎(お題次第では淡との関係も進展するかもしれないしな) ーーーー ーー プリクラ内。 京太郎「中は結構狭いだな」 淡「そう?これ、結構大きい方だよ?」 京太郎「そうなのか?外から見た印象だともっと広いのかと」 淡「本当に初めてなんだね」 京太郎「こんなことで嘘つかねぇよ。それより早く撮らないか?」 淡「……少しワクワクしてるでしょ?」ニヤニヤ 京太郎「……ほっとけ」 淡「もぉ、きょーたろ可愛いなぁ♪」 京太郎「お金いれてっと……あ、動いた」 プリ「撮影人数を選んでください」 京太郎「人数なんて関係あるのか?」 淡「お題に関係するんじゃない?」 京太郎「なるほど。2人っと」 プリ「2人の関係を選択してください」 ・恋人 ・友達 ・他人 京太郎「三つ目なんだよ!」 淡「……他人とプリクラって怖いね……」 京太郎「流行ってやつなのか?恋人っと」 淡「え?」 京太郎「うん?どうかしたか?」 淡「ううん。ただ躊躇わずに押したから」 京太郎「?だって俺達付き合ってるだろ?」 淡「そうだけど……。あー、いいや、何でもない」 京太郎「?」 ーーーー ーー 「仲良さげに」 京太郎「あ、なんか普通のだ」 淡「だね」 京太郎「どうする?」 淡「仲良さげなら……こうかな?」ギュッ 淡「彼女が彼氏の腕に抱きついてるとかいかにもじゃない?」 京太郎「たしかにな」 プリ「とるよー?さん、にー、いち!」カシャッ 淡「ぷっ……きょーたろ真顔……」ジタバタ 京太郎「うっせ」 淡「きょーたろ、ほんと面白い♪」 京太郎「……楽しんでいただけて何よりだ」 プリ「次のお題いくよー?お題はこれ!」 「アスナロ抱き」 京太郎「?」 淡「?」 プリ「…………後ろからハグだよ」チッ 2人「!?」 京太郎「なぁあ……今……」ポカーン 淡「うん。今……舌打ちしたよね?」ポカーン プリ「と、撮るよー?」 京太郎「焦ってる……。最近のプリクラすげー」 淡「だね……」 京太郎「とりあえず、やるか。えっとこれでいいのか?」ギュッ 淡「ひゃう!」ビクッ 京太郎「え?どうかしたか?」 淡「え!?あ、いや、なんでもない!」アセアセ 淡(急にされたからびっくりしちゃっ……) 京太郎「そんなに緊張するなよ。さっき俺に抱きついてきただろ?」 淡「う、うん」 淡(するのとされるのは違うんだもん……////) プリ「じゃあ撮るよ?さん、にー、いち!」カシャッ 京太郎「次で最後か?」 淡「ふぅー……////」 淡(スッゴい緊張した……アスナロ抱きだっけ?あれ、いいかも////) 京太郎「淡?」 淡「ふえ!?な、なに?」アセアセ 京太郎「……大丈夫か?」 淡「う、うん!だいじょうぶ!」 プリ「次、最後のお題だよー」 「キス」 京太郎「……」 淡「……」 京太郎「ほんとに出るんだな……」ガッツポーズ 淡「な、ななな……」 淡(なんで本当にでるのよー!) 淡(あれはきょーたろをからかうつもりで言った冗談なのに!)アセアセ 淡(どうしよう!するの?ここで?) 淡(嬉しいけど……なんか違う!出来るのは嬉しいけど!) プリ「じゃあさっそく撮るよー」 淡「えぇ!?まだ心の準備が!」アワアワ 京太郎(淡が焦りすぎてるせいか、思ったより慌てないですんでるなぁ) プリ「さん、にー」 淡「えとえと!」アセアセオロオロ 京太郎「……淡」 (両肩を掴む) 淡「へ?」 プリ「いち!」 チュッ………カシャッ 京太郎「………」 淡「……」 京太郎「……ギリギリだったな」 京太郎「なんか強引にしちゃって悪かった」 京太郎「でも良い機会だったし……って、淡?」 淡「うにゅー」プシュー 京太郎「え?あ、淡?あわいー!?」 プリ「次は落書きコーナーに移動してね」 終わり 『制服デートしてた』 放課後。 淡「きょーたろ、これから暇?」 京太郎「うん?あぁ、まぁ暇だな」 淡「そっか……。じゃあさ、これから遊びに行かない?」 京太郎「え?」 淡「だから遊びに行かない?」 京太郎「それはデートってことか?」 淡「うん」 京太郎「……制服で?」 淡「……うん」 京太郎「珍しいな。いつもなら『バレるから嫌だ』っていうのに」 淡「心境の変化ってやつだよ」サッ 京太郎「目を逸らして言うなよ……」 淡「…………」 京太郎「本当の理由は?」 淡「…………昨日、ドラマで制服デートっていうの見てて////」 京太郎「影響されちゃったか」 淡「別にいいでしょ!したくなったんだもん」プンスカ 淡「制服デートしたくなったんだもん!」プンスカ 京太郎「分かった分かった。お供させてもらいますよ」 淡「いいの!?」パー 京太郎「あぁ」 淡「やったー♪きょーたろ愛してるー」ダキッ 京太郎「分かったから学校ではやめろ」アセアセ ーーーー ーー 京太郎「それで、どこ行く?」 淡「川!」 京太郎「川?」 淡「うん♪川辺でデートしたい!」 京太郎「……」 京太郎(この辺で川なんて……) 京太郎(たぶん、淡のしたいデートってドラマみたいなやつだよな?) 京太郎「……うーん」 京太郎(無くはないけど、あそこは……) 淡「……」ワクワク 京太郎(これは……) 淡「?どうしたの?」 京太郎(しゃーないか……) 京太郎「……少し歩くけどいいか?」 淡「うん!」 京太郎「OK。なら」スッ 淡「?」 京太郎「……はぐれるといけないから」 淡「……な、なるほど////」カァァ 京太郎「早く握ってくれないか?」 淡「う、うん……」ギュッ 京太郎(相変わらず純粋っていうか……免疫力がないっていうか……) 京太郎「……」 淡「♪」 淡(きょーたろと手つないでデート♪) 京太郎(あぁもお!可愛いなちくしょう!) ーーーー ーー 京太郎「ついたぞー」 淡「ここ……」 京太郎「この時間は人通りが少なくてな。綺麗だし川の流れる音とか鳥の声とか……とりあえず、俺のオススメ」 京太郎(本当は淡の誕生日に連れてこようと思ってたんだけどな) 淡「…………」 京太郎「どうだ?」 淡「……いい」ボソッ 京太郎「うん?」 淡「スッゴくいい!」 淡「私の求めてたやつだよ♪」 京太郎「……それはよかった」 京太郎(気に入ってもらえて良かった) 淡「きょーたろ!この川、入っても大丈夫かな?」 京太郎「大丈夫だけど……制服だぞ?」 淡「タオルあるから大丈夫だよー」 京太郎「あ、いや、そういうこじゃ……」 淡「きょーたろーはいろーよー。冷たくて気持ちいいよ♪」パシャパシャ 京太郎「……もう入ってるし」 淡「きょーたろー。はーやーくー」 京太郎「はぁ……わかったよ」パシャパシャ 淡「かかった!必殺水かけ攻撃!」 京太郎「読んでた」っ傘 淡「あ!傘なんてずるいー」 京太郎「勝負は勝たなきゃ駄目なんだ。さて、仕返しだ!」 淡「きゃっ。もう♪ 私だって!」 ーーーー ーー モブ「……」 モブ子「楽しそうだね……」 モブ「だね」 おわり。 『菫先輩と一緒にお城みたいなホテルから出てきた京太郎に浮気者!って詰め寄って菫先輩と修羅場になってた』 部室。 アリガトウゴザイマシター 淡「うーん!やっとおわったー!」 京太郎「レギュラーなんだからもう少ししゃんとしろよ……」 淡「えぇーだって私十分強いよ?」 京太郎「宮永先輩に勝てるようになってからにしろって」 淡「うぐっ!」 菫「…………」 京太郎「あ、弘世先輩、お疲れ様でした」 菫「あ、あぁ!お疲れ」 菫「……須賀」 京太郎「え?あ、はい」 菫「…………このあと少し時間あるか?二人で話がしたい」 京太郎「この後ですか?えぇ、まぁ大丈夫です」 ーーーー ーー 京太郎「それで話とは?やっぱり大星の事ですか?」 菫「……いや、今回は違う。完全に私用だ」 京太郎「私用ですか?」 菫「あぁ」 京太郎「では一体なんの話ですか?」 菫「完全に私用で本当に申し訳ないんだが……後日しっかりお礼もする!だからなるべく内密にしてほしいというか……」 京太郎「…………」 京太郎(なんか珍しく取り乱してる……) 京太郎(そんなに言いづらいことなのか?) 京太郎「とりあえず、詳しく教えて頂けませんか?」 菫「………////」 菫「そ、そのだな?笑うなよ?」 京太郎「笑いませんよ」 菫「その……私はこう見えてぬいぐるみとか可愛いものが好きなんだ」 京太郎「?知ってますよ?」 菫「!?」 菫「な、なぜ知っている!」カァァ 京太郎「なぜって……」 京太郎(合宿の時にぬいぐるみ持ってきてたって宮永先輩が……) 京太郎(なんて言えない)アセダラダラ 京太郎「小耳にはさみました」 菫「……照だな?」 京太郎「っ……さぁ?」 菫「………」 京太郎「そ、それでぬいぐるみが好きって言うのがどうかしたんですか?」 菫「あ、あぁ、そうだったな。実はこの前駅前にオープンしたホテルを知っているか?」 京太郎「駅前?あぁ!知ってますよ。あの若者向けのホテルですよね」 菫「あぁ。で、そのホテルでだな……中にあるレストランで食事をするとぬいぐるみが貰えるらしいんだ」 京太郎「……なるほど」 菫「し、しかしだな?条件がカップルで食事というもので……私はあまり親しい男子がいなくて……だな……その……」 京太郎「食事だけですか?」 菫「え?あ、あぁ、もちろん!」 京太郎「ならいいですよ。俺なんかでよければ」 菫「ほ、ほんとか!ありがとう!」 菫「お礼は後日ちゃんとする!」 京太郎「いいですってお礼なんて。俺も行って見たかったですし」 京太郎(淡誘うのに下見したかったし) 菫「では早速で悪いが明日は空いてるかな?」 京太郎「えーと……はい、空いてます」 菫「そうか!なら明日の12時に駅前でいいか?」 京太郎「あ、はい」 ーーーー ーー 淡「ねぇねぇ、きょーたろー」 京太郎「うん?」 淡「明日って空いてる?」 京太郎「明日は用事があるから空いてないなぁ」 淡「えー!せっかく遊ぼうと思ったのに……」ブーブー 京太郎「悪いな。でも明後日なら」ナデナデ 淡「んっ……じゃあ明後日ね」 京太郎「どこか行きたいとこあるのか?」 淡「うん?ないよー。ただ遊びたいだけ♪」 京太郎「なら……久々に俺んちくるか?」 淡「え?いいの!?」 京太郎「この前、淡の家お邪魔になったしな」 淡「やったー!」 京太郎「じゃあ細かいことは明日の夜に連絡するな?」 淡「うん♪あぁーでもそしたら明日はどうしよ?」 京太郎「宿題でもやったらどうだ?」 淡「ええ!?休みの日に宿題とかやだよ」 京太郎(じゃあ、いつ宿題やるんだ……) 淡「宿題やるのやだから……モブ子と遊ぼうかな?」 京太郎(宿題の代わりかよ……) ーーーーーー ーーーー ーー 翌日 菫「すまない、遅くなった」 京太郎「いえ、俺もさっきついたところですから。それより、その服似合ってますね」 菫「そ、そうか?」 京太郎「はい。普段制服ですし、新鮮ですね!」 菫「あ、ありがとう」 京太郎「では早速行きましょうか」 ーーーー ーー モブ子「でも、珍しいね。淡が休みの日に私を遊びに誘うなんて」 淡「そう?今日はたまたま予定なかったし」 モブ子「いつも予定ぎっしりなのにね」 淡(きょーたろとの予定がぎっしりだからね♪) モブ子「おーい……独りで黙ってニヤニヤするなよー」ペシペシ 淡「っ……してないもん」 モブ子「……」ジー 淡「……」 モブ子「……」ジー 淡「……」ニヘラ モブ子(だめだこりゃ) モブ子「それでどうする?カラオケも行ったしてきとうにぶらつく?」 淡「このまま帰ると宿題の時間できちゃうもんねー。それじゃ何のために誘ったかわからないし」 モブ子「おい!」ペシ 淡「もぉ、そうやって叩かないでよー」ブーブー モブ子「なら叩かせないでよ」ブーブー 淡「はーい」 モブ子「あ、反省してないなー?」 淡「モブ子、愛してる」キリッ モブ子「それを男に言われたい……」ズーン 淡「ふーん?そういうもん?」 モブ子「……」ピクッ モブ子「淡……あなた、もしかして彼氏できた?」 淡「!?」 淡「なによ急に」アセアセ モブ子「いつもの淡なら『私もー』っていう場面だったのに『ふーん?』って言った!」 モブ子「これは『言われても大して嬉しくないよ?』ってニュアンスがある!」 淡「なんかもはや被害妄想はいってるよ!」 モブ子「じゃあ、いないの?」 淡「……………いません」 モブ子「なぜ即答しない……」 淡「あは☆」 モブ子「」 モブ子「……あれ?」 淡「うん?どうかした?」 モブ子「あのホテルから出てきたのって弘世先輩と須賀くんじゃない?」 淡「え?」 ーーーー ーー 菫「須賀、今日はありがとう。おかげで目当てのものも手に入った」 京太郎「いえいえ。こちらこそご馳走してもらえましたから」 菫「当たり前だ。私が頼んでおいてお金を出させるわけがないだろ」 京太郎「そんなーーうん?」 菫「うん?」 京太郎「いや、あっちから物凄いスピードで走ってるくるのあわ……大星じゃないかなと」 菫「淡?たしかしに言われてみれば……」 京太郎「……あれ?」 京太郎(これやばいんじゃ?) 淡「きょーたろ!!!」 京太郎「っ!」ビクッ 淡「これはどういうこと!?」 京太郎「おちつけ!これには深いわけが!」 淡「落ち着けるわけないでしょ!?なんでスミレとホテルにいたの!」 京太郎「は?いや、ホテルには言ってないぞ?」 淡「うそ!この目でちゃんと見たもん!」 京太郎「あ、いや、ホテルから出てきたけど!レストランに行っただけだ!」アセアセ 菫「そ、そうだぞ?」 淡「スミレは黙ってて!」 菫「っ」ビクッ 淡「昨日予定あるって言ったよね?このこと?」 京太郎「は、はい……」 淡「スミレを優先したんだ?私より!」 京太郎「あ、あのな?少し話を聞いてーー」 菫「……ちょっとまて」 淡「なに?」 菫「もしかして2人は付き合ってるのか?」 淡「そうだよ!それなのに他の女とホテルって……」ワナワナ 菫「須賀……私は言わなかったか?」 京太郎「え、えっと何をでしょうか?」 菫「麻雀部は部内恋愛禁止だと」 京太郎「」 菫「私は淡の教育係をやれと言った。しかし、恋人になれと言った覚えはないぞ!」 京太郎「ひっ!」ビクッ 淡「そんなこと言いながら私のきょーたろ奪ったくせに!この泥棒猫!」 菫「泥棒猫……だと?」ピキッ 京太郎「ま、まて淡!これには訳が……」 淡「うるさい!」 京太郎「先輩、付き合ってたことは謝りますが、これには訳が……」 菫「黙れ」 京太郎「」 モブ子「はぁ、はぁやっと追いついたって……え?……何これ」 京太郎「……助けて」 モブ子「いやいや」 ーーーーーー ーーーー ーー 京淡「すみませんでした」ドゲザ 菫「……須賀、お前は教育係だろ?しっかりと教育しろ」 京太郎「はい……」 菫「淡、お前も少しは改善する努力をしろ」 淡「は、はい……」 菫「……しかし、今回の件は私にも原因がある。須賀、淡、すまなかった」ペコ 菫「さて、これでこの話は終わりだ」 京太郎「はい……」 菫「次の話に移ろうか」 京淡「っ」ビクッ 菫「2人が付き合っているという話だが……」 京太郎「……」アセダラダラ 淡「……」アセアセ 菫「……ルールはルールだ。何かしらの処罰が必要だろう」 京太郎「……」 菫「と言いたいんだが……」 淡「え?」 菫「困ったことに須賀は男子の、淡は女子のレギュラーだ」 菫「ルールに乗っ取ればどちらかが退部にするべきだが、そうすると部に与えるダメージが大きすぎる」 菫「どうせ、どちらか止めさせたら2人でやめるんだろ?」 京淡「まぁ……」 菫「だと思ったよ。まったく……」 京太郎「すみません」 菫「いや、気づけなかった私も悪いからな。いや、そもそも男女が一緒に行動すれば恋心の1つや2つあるものだ」 菫「顧問には黙っててやるから全力で隠せよ」 京淡「あ、はい!」 菫「須賀、これでチャラだからな……」 京太郎「はい!」 淡「きょーたろ!」ダキッ 菫「だから隠せ!」 ーーーー ーー モブ子「そういえばなんで恋愛禁止なんですかね?」ズズズ 顧問「私が独身だからだ」ズズズ モブ子「え?」 顧問「私が独身だからだ」 後日、このルールはなくなりました。 終わり 『お揃いの物が増えてきたじゃん』 モブ「2人って付き合ってるんでしょ?」 京太郎「なんでそんな話に!?」 淡「そうだよ!」 モブ「だって最近お揃いのもの増えてきたじゃん」 京太郎「そ、そうか?」 淡「例えばなに?」 モブ「そうだねー、例えばそのストラップとか?」 ーーーーーー ーーーー ーー 某夢の国。 淡「きょーたろー、何買うー?」 京太郎「俺ここくんの初めてだったから定番のお土産とか分からないんだが……」 淡「あーそうだったね。んとね、基本的にはお菓子かな?クッキーとかクランチとか」 京太郎「お菓子かぁ、お、ボールペンとかもあるのか」 淡「ここ、お店も沢山あるからね。お土産決めるだけでひと苦労だよー」 京太郎「そういうわりには楽しそうだな」 淡「夢の国だからね♪お土産選ぶのも楽しいよ」 京太郎「まぁ、分からなくもないけどな……うん?」 淡「どうかした?」 京太郎「あ、いや、なんでもない」 京太郎(これってペアストラップ……だよな?) 淡「きょーたろ、ここに無さそうだったら次のお店いこー」 京太郎「あ、ちょっと待っててくれ」 ーーーー ーー 淡「たのしかったねー」 京太郎「だな」 淡「沢山写真も撮ったし、沢山きょーたろと遊べたし、大満足♪」ギュッ 京太郎「急に抱きついたら危ないだろ?」ギュッ 淡「先生、台詞と行動が違うと思いまーす」 京太郎「淡みたいなかわいい子に抱きつかれたら性別構わず抱きしめると思うぞ?」 淡「そ、そう?」カァァ 京太郎「あぁ。可愛いよ、淡」ナデナデ 淡「んゆ……きょーたろもかっこいいよ」 京太郎「だうと」ナデナデ 淡「ほんとだってばぁ。私にとっては最高の彼氏さんだよ?」ジッ 京太郎「っ……そっか」 淡「あ、京太郎赤くなってるー」 京太郎「な、なってない」 淡「可愛いなぁ」 京太郎「淡に言われるとは」 淡「また行こうね」 京太郎「また休みの日にな」 淡「あ……もう着いちゃった。なんで楽しい時間ってこんなに短いんだろ?」 京太郎「なんでだろうな」 淡「名残惜しいけど、きょーたろ、送ってくれてありがと♪楽しかったよ」 京太郎「俺もだよ」 淡「うん♪じゃあまた明日ね」 京太郎「……あ」 淡「うん?」 京太郎「危うく渡しそびれるところだった。はい、これ」っ袋 淡「?なんだろ」ゴソゴソ 淡「あ……これ、ペアストラップ……だよね?」 京太郎「あぁ。なんか気に入ったから買っちまった」 淡「…………」 京太郎「……もしかしてこういうの好きじゃなかったか?」 淡「へ?いやいや!好きだよ!?スッゴい嬉しい!ただ……その、私は何も用意してなかったから…」ショボーン 京太郎「いいよ、別に。淡が喜んでくれたなら」 淡「私もきょーたろに喜んでもらいたいー」 京太郎「そんなわがまま言うなよ」ナデナデ 淡「むぅ……あ、そうだ」 京太郎「うん?」 淡「御礼にキスしてあげる♪」 京太郎「……は?」 淡「だからお礼にキスしてあげるんだって」 京太郎「……ここでか?」 淡「うん。お礼だからね」 京太郎「いや、でもな?ここだと…←って、だから目閉じるな、爪先立ちするな、唇突き出すな!」アセアセ (片目だけ開けて) 淡「ここまで女の子にさせてしないの?」ニヤッ 京太郎「上等だ」チュッ 淡「んっ……」ギュッ 京太郎「…………」 淡「………」 京太郎「………」 淡「……ん」プルプル 京太郎「………」 淡「んー!」ジタバタ 京太郎「ぷはっ」 淡「はぁ、はぁ……きょーたろ……」 京太郎「なんた?」ニヤッ 淡「窒息死するとこだったじゃん!長いよ!」プンスカプンスカ 京太郎「それで死んでたら明日の朝刊にでるかもな。死因はキスによる窒息死」 淡「そんなの朝刊に出たら恥ずかしく死んじゃう……////」 京太郎(いや、もう死んでる……っていうツッコミは野暮か) 京太郎「とりあえず、淡からのプレゼントはしっかりもらったからな」 淡「あ、うん♪喜んでもらえて良かった」 京太郎「淡が一番嬉しそうだったけどな」 淡「……そんなことないもん……なんてね♪あ、せっかくだからこのストラップ、携帯のつけよっと」 京太郎「初めてのペアグッズだな」 淡「うん♪」 ーーーーーー ーーーー ーー 京太郎「……」 淡「……」 モブ「あと他にも左手薬指につけてるペアリングとか」 モブ「ここまでやって付き合ってないっていう?」ニヤニヤ 淡「……あ、そういえば、私ミーティングがー」ダッ 京太郎「俺もだ!」ダッ モブ「!?」 モブ「ちょ、ちょっとー!?待ちなさいよー!」 終わり 『キスしてた』 放課後。 淡「ね、ねぇ須賀」アセアセ 京太郎「な、なんだ?」 淡「そ、そのさ……相談があるんだけど……」 京太郎「……相談?」 淡「うん……駄目、かな?」ジッ 京太郎「っ……べ、別にいいぞ?どうした?」 淡「え、えっとね……」 淡(頑張れ私!) 淡「そ、その……好きな人ができた…の」 京太郎「…………え?」ピシッ 淡「……だ、だから////好きな人!できたの!」 京太郎「…………お、おう」 淡「……それだけ?」 京太郎「え?……あー、おめでとう?」 淡「それも何か違うと思う……」 京太郎「す、すまん……」 淡「あ、いや、いいんだけどね……」 京太郎「…………」 淡「…………」 京太郎「……そ、それで?俺になんの相談だ?」 淡「え?あ、あー……うん。告白するのにいい方法とかない、かな?」 京太郎「……」 淡「……須賀?」 京太郎「……とりあえず、デートにでも誘ってみたらどうだ?」 淡「で、デート?」アセアセ 京太郎「やっぱり遊んでみないと相性とかわからないからな」 淡「……だね」 京太郎「相手が気になるけど、まぁ今回はいいや。大星、応援してるぞ」 淡「あ、ありがと……」 淡(……鈍感) 京太郎(……何言ってんだ俺……) 淡「……須賀」 京太郎「うん?」 淡「わ、私、男の子と2人で出かけたことないからさ、どういうことが好きか分からないの」 京太郎「うん」 淡「……だ、だから……明日さ、デートの予行練習してくれない?////」 ーーーーーー ーーーー ーー 京太郎「…………」ソワソワ 淡「遅れてごめん」アセアセ 京太郎「あ、いや、俺も今ついたところだから」 淡「そ、そっか」 京太郎「お、おう。今日はよろしくな」 淡「う、うん。よろしくね『きょーたろ』」 京太郎「……うん?」 淡「あ……」カァァ 淡「そ、その雰囲気出すためにさ!その、名前で呼び合う方が良いかな?とか思って」アセアセ 淡「ごめんね、今のやっぱりなしで!」 京太郎「……あ、いや、別にいいぞ?予行練習とはいえ、デートだしな」アセアセ 淡「え?」 京太郎「だから、気にすんな『淡』」 淡「っ!」ドキッ 京太郎「……とりあえず、どっか行こうぜ?」 淡「う、うん!」 京太郎「それでさ……何する?」 淡「……とりあえずこうする……」ギュッ 京太郎「!?」 淡「で、デートだと女の子はせ、せせせ積極的に動いた方がいいみたいだし?」アセアセ 淡「ふ、雰囲気のためにね!」 淡(何言ってるのよ!////) 淡(手を繋ぐとかもはや告白じゃん!) 淡(……それにしても、きょーたろの手暖かい……////) 京太郎「よ、予行練習だしな!」アセアセ 京太郎(淡の手、柔らけぇ……) ーーーー ーー 淡「きょーたろ、次どこいく?」 京太郎「そうだなー、もうだいぶ遊んだしなぁ……」 淡「だね」 京太郎「……夕日でも見に行くか」 淡「夕日?」キョトン 京太郎「あぁ。近くに凄く綺麗に見える丘があるんだ」 淡「そ、そうなんだ……」 京太郎「あ、も、もちろん!練習だぞ?」アセアセ 淡「わ、分かってるよ」アセアセ 京太郎(俺の馬鹿やろう!!!) 淡(私の馬鹿ー!!!) ーーーー ーー 淡「……凄い」 京太郎「だろ?俺も初めて来たときは驚いた」 淡「この辺にずっと住んでるけどこんな所あるなんて知らなかったよ」 京太郎「地元の人もあまり知らない穴場だからな」 淡「……きょーたろはどうして知ってるの?」 京太郎「うん?隣に住んでるおばちゃんが教えてくれた」 淡「?……あ、きょーたろ下宿してるんだっけ?」 京太郎「実家は長野だからな」 淡「寂しくないの?」 京太郎「……寂しい?」 淡「1人で」 京太郎「うーん……最初は少しな。でも慣れちまった」 淡「慣れちゃったんだ……」 淡(ってことは寂しいってことだよね?)ギュッ 京太郎「……淡?」 淡「……綺麗だね」 京太郎「そ、そうだな」 淡「きょーたろ」 京太郎「うん?」 淡「今日はたのしかったよ」ニコッ 京太郎「っ!」ドキッ 淡「ありがとね?」 京太郎「どういたしまして?」 淡「……ぷっ」 京太郎「わ、笑うなよ……」 淡「だ、だって……」プルプル 淡(相変わらず口下手だなー) 淡(でも、それがきょーたろの良いところでもあるし) 淡(……やばい、私本当にきょーたろのこと……)ドキドキ 淡「……」チラッ 京太郎「?」 淡「……きょーたろ」 京太郎「うん?」 淡「……顔にゴミついてるよ?とってあげるからしゃがんで」 京太郎「お、おう」 淡「……目も閉じてよ」 京太郎「これでいいか?」 淡「うん。きょーたろ」 京太郎「どうした?」 淡「大好きだよ」ボソッ チュッ 京太郎「!?」 淡「はい、予行練習おわりー!」 京太郎「え?え?淡?今……」 淡「きょーたろ!」 京太郎「え?あ、はい!」 淡「また、予行練習してね?」 京太郎「お、おう……」 淡「じゃあ、またね!」タタタッ 京太郎「…………」 京太郎「あれ?」 ーーーー ーー 淡宅。 淡(私の馬鹿ー!!!)ゴロゴロ 淡(なんであんな、あんなことをー!!) 淡「明日、どんな顔して会えばいいのよ……////」カオマッカ (唇なぞりながら) 淡「……キス、しちゃった」 淡「………えへへ♪」 おわり 『公園のベンチで二人でお月見してた』 淡「きょーたろ」 京太郎「どうした?」 淡「その、明日のことなんだけどさぁ……」 京太郎「明日?」 淡「うん。あのね、予定ある?」 京太郎「…いや、まだないけど?」 京太郎(淡と遊ぶために土日はいつも予定空けてるしな) 淡「ほ、ほんと!?」 京太郎「あ、あぁ」 淡「じゃ、じゃあさ、遊ばない?」 京太郎「いいぞ。どこか行きたいところあるか?」 淡「え、えっと……○○公園かな……」 京太郎「ヘぇ……意外だな」 淡「そ、そう?」 京太郎「淡なら遊園地とか言うのかと思ってた。でも、何で急に?何かあるのか?」 淡「私の家近いから……」 京太郎「それだけ?」 淡「…………」 京太郎「淡?」 淡「……」キョロキョロ 淡「そ、その……明日の夜からね……翌日の夜まで……両親いないの」 京太郎「」 京太郎(ふぁっ!?) 淡「だから、その……////」 京太郎(え?え?なにこの展開……。俺、いつフラグ立てた!?※) 京太郎「え、えっと……それはつまり?」アセアセ 淡「だ、だから……その……」 淡「…………夜の公園で月見とかしない?////」 京太郎「わ、わかった!……うん?」 淡「……」 京太郎「……淡さん、今なんと?」 淡「へ?だ、だから!両親いないから久々に夜遊びできるの!」 京太郎「え?え?どゆこと?」 淡「だから……普段は夜出歩けないじゃん?」 京太郎「……だな」 淡「だけど、両親がいないから明日の夜は夜遊びができるの!」 京太郎「…………そこまでは分かった。じゃあなんで淡の家の近くなんだ?」 淡「え?だって、夜出歩いたら補導されちゃうから……////」カオマッカ 京太郎「…………なぜ顔を赤くする?」 淡「だって恥ずかしいじゃん……高校生なのに夜遊びくらいで浮かれてるの……」 京太郎(……数秒前の俺、散れ!) 京太郎「……」ナデナデ 淡「わっ!急になに?」アセアセ 京太郎「いや……淡は心が綺麗だなーって思ってさ」 京太郎(俺と違って) 淡「そ、そうかな?」 京太郎「あぁ。じゃあ、とりあえず明日は月見でいいのか?」 淡「う、うん!いいかな?」 京太郎「俺も淡と月見したいからな。やろうぜ」 淡「やった♪」ガッツポーズ 京太郎(可愛い) ーーーーーー ーーーー ーー 夜。 京太郎「晴れてよかったな」 淡「だねー。おかげで月が綺麗だよ」 京太郎「だなー」 淡「あ、きょーたろ、お団子持ってきたよ♪」 京太郎「サンキュー。お月見の定番だな」モグモグ 淡「きょーたろは何持ってきたの?」 京太郎「うん?これか?お茶と紙コップ」 淡「お茶ってホット?」 京太郎「いや?冷たいやつ」 淡「じゃあもらうー」 京太郎「はいよ」 淡「ありがとー」ゴクゴク 京太郎「あ、団子ごちそうさま」 淡「いえいえー」 京太郎「……」 京太郎(そういえば、この後どうするんだ?) 京太郎(つか、月見って2人でやるものだっけ?) 淡「……?」 京太郎「……静かだな」 淡「え?うん……だね」 京太郎「……」 淡「?どうしたの?」 京太郎「あ、いや……」 京太郎「淡」 淡「うん?」 京太郎「……隣、いっていいか?」 淡「え?……あぁーうん、いいよ」 京太郎「…………」 淡「…………」チラッ 京太郎「……」チラッ 淡「…っ!」サッ 京太郎「……」 (淡の手の上に手を置く) 淡「っ……////」カァァ 淡「……」ギュッ 京太郎「……綺麗だな」 淡「だ、だねー」 京太郎「……」チラッ 淡「……え?」 京太郎「……淡のことだぞ?」 淡「……ふぇ?」 淡「な、何言ってんの急に!」アセアセ ゴンッ 淡「イッター!?」 京太郎「……大丈夫か?」 淡「大丈夫じゃないよ!もぉ……////」プシュー 淡「そ、そういう不意打ちは駄目だよ……」 京太郎「いや、なんとなく言いたくなってさ」 淡「なんとなくで私の心を乱さないでよ……////」 京太郎「……心以外は乱してもいいのか?」 淡「え?それ以外に乱すものあるの?」キョトン 京太郎「…………」 淡「?」 京太郎「……」ナデナデ 淡「……なんで急に撫でるの?」 京太郎「いや、純粋だなーって思ってさ」 淡「それ、馬鹿にしてる?」ジトッ 京太郎「誉めてんだよ」ナデナデ 淡「ならいいけど」 京太郎「ほら、こんなに綺麗なんだ、月みようぜ」 淡「うん♪」 終わり 『淡の部屋に男物の下着や私物があった』 淡宅。 淡「ちょっと散らかってるけど、ゆっくりしていって」 モブ「……あ、うん」 モブ(散らかってる?どこが?) モブ(私の部屋の方が何倍も汚いのに……) 淡「どうしたの?立ってないで座ったら?」 モブ「う、うん」 淡「?どうかした?」 モブ「あ、いや……。淡、なんか急に女の子らしくなったね」 淡「どういう意味?」ジトッ モブ「ほら、前まではがさつって言うか……嘘嘘!嘘だからそんな怖い顔しないで!」 淡「まったくもぉ!」プンスカ モブ「でも、なんていうか前より女の子らしくなったよね」 淡「そ、そうかな?」テレテレ モブ「うん。まるで彼氏でもできたみたい」 淡「っ!」ギクッ モブ「ん?」 モブ(今、少しだけ……) モブ「淡、もしかしてほんとに?」 淡「う、ううん!全く!全然!これっぽっちも彼氏なんかいないよ!?」アセアセ モブ(いるのね……) モブ「……モブ男?」 淡「な、なにが?」 モブ「彼氏」 淡「だからー!いないって」アセアセ モブ「……じゃあ須賀くん?」 淡「だだだだだから、違うって!」 モブ「……」 モブ(須賀くんぽいな……。よし、もう少し……) モブ「そういえばさ、話変わるんだけど、モブ子が好きな人できたらしいよ」 淡「あ、そうなの?」ホッ モブ「誰だと思う?」 淡「モブ男かな?」 モブ「実はね、須賀くんなの」 淡「」 モブ「……」 モブ(プッ……淡固まってる) モブ「一緒に応援してあげようね!」 淡「え、えっと……きょ…須賀はやめた方がいいんじゃない?」アセアセ モブ「なんで?」 淡「だ、だって須賀は……き、金髪だし!」 モブ「淡もじゃん……」 淡「そ、そうだけど……。あ、須賀ってスッゴい鈍感だよ?」 モブ「あぁ、かもね。鈍感ぽいよね。でも、須賀みたいな人って付き合ったら彼女のこと大切にしてくれそうだよね」 淡「そうなんだよ♪……あ」 モブ「……淡」 淡「ち、違うもん!きょーたろじゃないもん!」 モブ(何もいってないのに……) モブ「……」キョロキョロ 淡「な、なに?」アセアセ モブ「じゃあさ、あの帽子はなに?」 淡「え!?」 淡(あれは……きょーたろの……) 淡「わ、私のだよ?」 モブ「男ものだよ?」 淡「私のだもん!」 モブ「かぶってみて」カポッ 淡「……」ブカブカ モブ「淡?」 淡「……私のだもん」 モブ「そう。じゃあ、あの腕時計は?あれも男ものだよね?」 淡「あ、あれも……私の」 モブ「サイズ合ってないね」 淡「買ったばかりだから……」 モブ「……ふーん。じゃあ、あの枕元にある男ものの下着は?」 淡「!?」 モブ「あれ、下着だよね?」 淡「……私の」 モブ(無理あるでしょー) モブ「ふーん。でもウエスト的にはけないよね?かぶるの?」 淡「そ、そんなところ……////」 モブ「かぶってみて」 淡「っ!?」 モブ「できない?」 淡「…………」 モブ(本当にかぶるのか……) 淡「か、かぶった……////」プルプル モブ(今にも泣きそな淡……可愛い////) モブ「そう。じゃあ、本当に須賀くんとはなんにもないんだ?」 淡「うん……////」カオマッカ モブ(必死過ぎる淡かわいい!) モブ「でも、淡にこんな趣味があったとは……」 淡「そ、その……皆には内緒に……」ウルウル モブ「」ズキューン モブ「分かってる!絶対に内緒にする!」 モブ(どうせ須賀くんのだしね…) 淡「ありがと……」ニコッ モブ(いちいち可愛いなぁちきしょー!) 淡(上手くごまかせて良かった……)ホッ コンコン 淡母「淡ちゃん、ちょっといい?」 淡「ママ?どうしたの」ガチャ 淡母「これ、昨日きょーたろ君が忘れていったハンカチ。洗っておいたから明日にでも渡してあげて」 モブ「ぶほぉっ!」 淡「」 終わり
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京太郎「新作、ですか」 ハギヨシ「ええ。色々作ってきましたが、やはりご本人のアイディアも欲しいと思いまして」 京太郎「と言ってもかなりの衣装作りましたよね?」 ハギヨシ「ええ……まぁ似たような注文もあるので作るのは楽ですが」 京太郎「うーん……いっそKちゃん自体を変えてみたり?」 ハギヨシ「長髪のKちゃんなどですか?」 京太郎「そんな感じで。まぁKちゃんだからいいって言う人もいそうですから売れるかは分かりませんけど」 ハギヨシ「難しいですね」ガタンッ 京太郎「アレ?何か倒れました?」 ハギヨシ「む、これは作りかけだった純様用のドレス。ああ、足元が不安定でしたか」 京太郎「よくできてますね……いっそKちゃんに女装とかさせてみます?」 ハギヨシ「ほう?」 京太郎「ちょっとドレス貸して下さい。こう、ドレス着せる感じで?」 ハギヨシ「おや、京太郎くんが着ても似合そうですよ?」 京太郎「そんな冗談……」 ガチャ 透華「ハギヨシ?お休みのところ申し訳ありませんけど…」 一「清澄の人達が来てるんだって…」 京太郎「あ……」ドレス持ったまま 透華「……智紀ー!!カメラの用意ですわー!!」 一「清澄のみなさーん!!ちょっと来てー!!」 京太郎「ちょっ、待って……待って下さいー!!」 京太郎「…………」 智紀「はい、目線こっちー」 和「あ、次はこのバニーで…」 透華「いえ、ここはうちのメイド服を」 まこ「うちの店のはどうじゃ?」 一「じゃーボクの私服…」 久「あら、いいわね」 咲「京ちゃん、笑顔笑顔!」 衣「そうだぞ!笑顔が一番だ!」 京太郎「……あのな」 京太郎「どうやったら女装姿の強制撮影会で笑顔になれるんだ!!」巫女服で女装状態 京太郎「誰か止めろよ!!というかハギヨシさん助けてくださいよ!!」 ハギヨシ「すいません、主のご命令でして。次は女装Kちゃんシリーズでもいきますか」 京太郎「おいそのメモ帳はなんだ!!」 優希「このコック服でなんか作ってもらうか?」 純「いいじゃねーか。あ、俺用にあったやつが…」 京太郎「おい!!アンタ自分の服を野郎に着せていいのかよ!!」 咲「あ、水着とかどうですか?」 和「アリですね」 智紀「ここにカツラとパッドとスクール水着が」 透華「パーフェクトですわ」 久「じゃ、脱いで?」 まこ「いやいや、脱がしてやるのもええじゃろ?」 一「天才だ……」 純「よし、俺が押さえよう」 優希「手を貸すじぇ」 衣「おー、着せ替えだな」 京太郎「ちょ、待て。やめろ。そんなこと誰も得しない、手を放せズボンに手をかけるなやめろ考え直せ待てやめろおおおおおおおお!!」 新シリーズ、女装Kちゃん 好評発売中 カンッ!!
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京太郎「花火大会だからウチに来い、って言われた時は何かと思いましたけど」 咏「うん」 京太郎「まさか咏さんのマンションから花火大会の会場がここまで綺麗に見えるとは」 咏「ふははー。こっからの景色が気に入って決めたんだぜぃ」 咏「毎年この時期は知り合いのプロとか呼んで見てたねー」 京太郎「へぇ……じゃあ今年も誰かくるんですか?」 咏「いんや、京太郎だけだよ?2人っきりで見たいしね」 京太郎「咏さん……」 咏「お、始まる始まる」 京太郎「おー……すげー……」 咏「うーん、今年も綺麗だねぃ。お、キャラものとかすげーな!」 京太郎「あー、アレってすげー難しいらしいですね」 咏「うわ、でけー!!去年とか比べ物になんねー!!」 京太郎「ほんと……綺麗ですね」 咏「こういう時って、『綺麗だね?』『君の方が綺麗だよ?』みたいに言う流れじゃね?」 京太郎「うーん……それもちょっと考えたんですけど、無いですね」 京太郎「だって咏さん、綺麗っていうより可愛い方ですから」 咏「か、可愛いって……おいおい、仮にも年上に可愛いはないんじゃねーの?」 京太郎「さっき花火で俺よりはしゃいでたのすごい可愛かったですよ?」 咏「……分っかんねー。そんなことやったっけー?」 京太郎「そうやって真っ赤になって誤魔化すのも可愛いですし……昨日の夜とか、あんなに可愛かったじゃないですか」 咏「!?」 京太郎「いやー、肌蹴た着物で隠そうとしながら…」 咏「ストップストップ!!それ以上は駄目だかんね!!」 京太郎「仕方ないですねー。じゃ、もう言いませんから…」 咏「……なんだい?」 京太郎「また可愛い咏さん、見せてもらえます?」 咏「……駄目だっつっても聞かないじゃん?」 咏「あ、こら!まだ返事してねって……ちょ、脱がすな……帯取ったら……ぁ」 カンッ!!